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聴覚障害者(ろう者)とマンガ 枚方市立図書館のとりくみ

[2021年2月24日]

ID:4728

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枚方市立図書館では1995年に「聴覚障害者サービス」の1つとしてマンガの貸出を開始しました。

なぜ、マンガが聴覚障害者にとって、わかりやすい資料なのでしょうか?
これまでの図書館のとりくみを紹介しながら説明します。

情報更新 2021年2月
(枚方市立中央図書館 障害者・高齢者サービス担当)

枚方市立図書館のマンガの貸出はいつごろ、どういうことがきっかけで始まったの?

1991年、旧牧野公民館(現牧野生涯学習市民センター)で聴覚障害者との交流会が開催され、その時に「図書館には私たちが利用できる資料が少ない、マンガなどを置いてもらえれば利用のきっかけになる」というご意見をいただきました。

これを契機に市民の方に「マンガに関するアンケート調査」を実施し、図書館全体としてのマンガの検討が始まりました。
そして、1995年、当時の山田図書館で聴覚障害者に限定してマンガの貸出を開始しました。

当時は聴覚障害者に「マンガ利用券」を発行し、事務所内に設置しているマンガ専用の書架から希望のマンガを選んでいただき、カウンターで貸出をしていました。
その後、マンガ所蔵館が増える中、聴覚障害者から「自分たちだけを特別扱いしないでほしい」、「マンガを事務所内ではなく一般の図書と同じように開架にして、自由に借りたい」等の指摘を受けました。

また、一般の市民の方からも利用の限定を見直してほしいとの要望が寄せられ、検討を重ねた結果、今日のようにどなたでも借りていただけることができるようになりました。

なぜ、マンガは聴覚障害者にとってわかりやすい資料なの?

「聴覚障害」といっても、失聴した年齢や聞こえの程度(難聴等)によって、日本語の読解力やコミュニケーションの方法に違いがあります。

しかし、個人差はあるものの、生まれつき、あるいは幼少期に聴力を失った聴覚障害者が情報を得る手段は視覚が中心で会話も手話です。

絵や形、表情や手話を読み取ることは得意ですが、文字や文章の理解は苦手な人が多いようです。
これは日本語を学習する教育環境にもよりますが、日本語の情報が耳から入らない聴覚障害者にとって、日本語の文章を理解するには相当な努力が強いられます。
そして、活字が苦手な人は積極的に本を読もうとしません。
しかし、マンガは吹き出しに出てくる日本語と絵をつなげればその内容を理解することができます。
また、どのような場面(状況)でどのような日本語が使われているのかを学ぶことができます。

多くの聴覚障害者にとってマンガは日本語の意味を理解し、社会の仕組みやルールを学習する手段の一つです。

聴覚障害者はマンガを含めた資料の利用を通して生きるための知恵を獲得しているといえます。

聴覚障害等を理解するマンガは?

聴覚障害等を理解するマンガを紹介しています。 

いずれも枚方市立図書館に所蔵しています。 


『遥かなる甲子園』 山本おさむ/作
 原作は「遙かなる甲子園」戸部良也著。ろう学校の野球部を描いた作品。以前、聾学校は高校野球連盟の憲章により甲子園球場に出場できなかった。憲章が改正されるまでの様子を描く。高校野球の事だけではなく、ろうあ運動やろう教育が理解できる作品。

『わが指のオーケストラ』 山本おさむ/作
 大正から昭和、激動の時代に生涯をろう教育に捧げたろう教育界の父・高橋潔の活躍を描く。昭和初期、ろう教育の方法は手話から口話(発語・読話)による教育へと変化し、その結果、手話は駆逐された。全国のろう学校が口話法を採用し手話否定へと変わっていく中で、ただ1校だけ手話の必要性を訴え、守りぬいた学校があった。それがこの作品で描かれている高橋潔先生を中心とする大阪市立ろう学校だ。手話の必要性が伝わってくる作品。

『どんぐりの家』 山本おさむ/作
 聴覚障害に加え知的障害や精神障害などを合わせ持つ、重複障害の子ども達の成長が描かれている。また、重度重複障害者やその家族が支援する人々とともに苦しみながらも成長していく、ひたむきな姿を描く。障害者運動がよくわかる作品。

『君の手がささやいている』 軽部潤子/作
 聴覚障害の女性を通して、就職、恋愛、結婚、出産、子育て等の問題を描く。文化や生活様式の違いを知ることができる。

『新・君の手がささやいている』 軽部潤子/作
 心があたたかくなる手話コミック。聴覚障害者の文化や生活を知ることができる。

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