水源と環境保全について
- [公開日:2017年1月4日]
- [更新日:2021年8月18日]
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水源と環境保全
地球の水
水は、酸素と水素の単純な化合物です。水は、地球上の生命にとって不可欠のものです。
人間のからだはその大部分が水分であり、生きていくためには、1人1日約2リットルの水を補給する必要があります。
地球は青く美しい「水の惑星」で、太陽系のオアシスといわれていますが、地球全体に占める水の質量の割合は、わずか0.03%です。天王星や海王星は、半分が水でできているそうですから、地球では、水は意外に稀少な物質なのです。
地球上で、水は海として地表の7割を覆っています。大気中には水蒸気が雲となって地球をとりまき、気流に乗ってダイナミックに動いています。その動きは、宇宙から鮮やかに観測されます。
・海水 97%
・河川・氷河・湖・沼など 2.34%
・地下水 0.66%
・水蒸気 0.001%
地球上の水の総量は13億6700万立方キロメートルと言われていますが、その97%は海水です。
残り3%が、水蒸気や地下水、川や湖、氷河、極地の氷などの姿で存在します。
わたしたちが利用できる水は、3%の淡水のうちでも、そのほんのわずかの部分でしかありません。地下深く凍りついた水は、容易に手に入れることはできません。利用できるのは、地表と大気の間を循環している水です。
降った雨が地下に浸透し、河川に流れ、海へ注ぎます。そして水蒸気となって蒸発し、雲となり、再び雨や雪として降ってくるのです。こうして循環している水によって、わたしたちの命が支えられています。
わたしたちの体も、いわば水がとおり抜けていく、水の循環の一部分なのです。そして水道局の仕事も、川などの水源から水を取り出し、浄水場できれいにして、みなさんに送り届けるということで、やはり、水の循環の一部分なのです。
水は循環する資源です
水循環のしくみ
雨や雪として降った水は、川や地下を通って下流に流れていきます。川はやがて海にたどり着き、水蒸気となって蒸発します。そして大気中を循環し、雲として集まり、再び雨や雪となって地表に降りてきます。
水は姿を変えながら、天と地をめぐっています。すべての生き物は、この大きな自然のサイクルの中で水を利用させてもらっているのです。
わたしたちが使う水
わたしたちが使う水道水は、川などの水源から取水した水を、浄水場できれいにして、蛇口まで送り届けたものです。
水は使えば汚れます。使用後の汚れた水は、下水処理場などで一定の浄化をして川へ戻されます。下流の地域では、上流の処理水を再び取水して、浄水場に送り、飲み水にしています。川の水はこうして何度も利用され、やがて、海に行き着きます。そして、自然の大きな循環の中に戻ってゆくのです。
汚れた水をきれいにするには、多量のエネルギーや薬品を使います。わたしたち、ひとりひとりが水を大切に使えば、水源である川はずいぶんきれいになります。
使用後、排水口から流れてゆく水に、関心を持ってみてください。その水は、また誰かの飲み水になるのですし、やがてめぐりめぐってわたしたち自身のところに帰ってくるのです。
枚方の水源
枚方市上下水道局は、年間に約5,200万立方メートルの水を各家庭等にお届けしています。
枚方市の水道水は琵琶湖から流れ出た淀川の水が原水です。
日本最大のみずうみ「琵琶湖」
琵琶湖は日本最大の湖で、枚方市のおよそ10倍の面積があります。
この大きな湖には、約275億立方メートルの水が貯えられており、これは枚方市で使う水の量の、約520年分に相当します。
琵琶湖は、滋賀県、京都府、兵庫県、大阪府など琵琶湖・淀川流域約1,400万人に、飲み水を供給しています
琵琶湖の水位が話題になることがありますが、湖の水位が1センチ上下すると、それだけで約670万立方メートルの水が増減することになります。
これは枚方市で使う水の量の、約47日分に当たります。
近畿を潤す「淀川」
淀川は、琵琶湖を水源とする宇治川を中心に、鈴鹿山地の水を集めて流れる木津川、丹波高原に端を発する桂川の3河川が合流して、大阪湾に流れ込む全長約75キロメートルの大河です。
上流まで含めた淀川水系は、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の2府4県にまたがり、流域面積は8200平方キロメートルにもおよびます。
枚方市の水道は、水源を100%淀川に依存しています。
淀川を流れる豊かな水は、それでも決して無尽蔵ではありません。枚方市は、淀川から取水している他の自治体とともに、水資源を守り、確保する努力を続けています。
枚方の水事情
水資源の確保と水利権
淀川水系には、変化に富んだ気候特性があります。木津川上流は、台風による雨量の多い紀南山脈に連なり、琵琶湖湖北は冬季の多雪地帯、桂川上流は梅雨の雨量が多いというように、それぞれ季節的な特徴を持っています。
琵琶湖という大きな水がめが、淀川の流量調節に大きな役割を果たしてくれているため、淀川は年間を通じて水量の安定した河川だといわれています。
とはいえ、この水も決して無尽蔵にあるわけではなく、たびたび異常渇水などの問題を起こしてきました。
水道水を安定して供給するためには、年間を通じて一定量の水道用水を確保しなければなりません。
そのためにはダムなどの貯留施設が必要になってきます。
ダム建設によって、利用できる水資源が増えれば、水道用水の水利権を新たに取得することができます。
枚方市では、これまで淀川大堰、高山ダム、青蓮寺ダムなどの建設に参加し、水資源の確保に努めてきました。
また、琵琶湖総合開発事業が完了したことにより、現在では毎秒1.505立方メートル(1日に約13万立方メートル)の水利権を確保することができました。
琵琶湖総合開発事業
阪神地域の新規利水を可能にし、琵琶湖の治水および環境保全などを目的とする琵琶湖周辺の開発整備事業(1972年~97年)
水利権って?
水利権とは、ある特定の目的(かんがい、上水道、工業用水など)のために、河川などの水を排他的・継続的に利用できる権利のことです。
新河川法施行(昭和39年)以降は、河川の水を利用するにあたって河川管理者の許可を得ることが必要になりました。許可された水利権を「許可水利権」といい、地域の歴史的経緯の中で形成された「慣行水利権」とは区別されます。
水利権の取得に関する経緯
枚方市は、昭和22年に近畿財務局より毎秒0.25立方メートルの水利権(1秒間に0.25立方メートルの淀川の水を取り入れる権利)を引き継ぎ、その後、淀川水系の水資源の開発により、現在では毎秒1.505立方メートルの水利権を取得しています。
取得区分 | 毎秒 (立方メートル) | 1日 (立方メートル) | 取得年度 | 備考 |
---|---|---|---|---|
河水統制配分前 | 0.250立方メートル | 21,600立方メートル | 昭和22年 | 近畿財務局 |
河水統制配分量 | 0.080立方メートル | 6,912立方メートル | 昭和32年 | |
淀川大堰(旧長柄可動堰) | 0.110立方メートル | 9,504立方メートル | 昭和41年 | 水資源機構 |
高山ダム | 0.112立方メートル | 9,677立方メートル | 昭和49年 | 水資源機構 |
青蓮寺ダム | 0.051立方メートル | 4,406立方メートル | 昭和49年 | 水資源機構 |
正蓮寺川利水 | 0.109立方メートル | 9,418立方メートル | 昭和49年 | 水資源機構 |
琵琶湖総合開発 | 0.793立方メートル | 68,515立方メートル | 平成4年 | 水資源機構 |
合計 | 1.505立方メートル | 130,032立方メートル |
・自己水 82.6%
・大阪広域水道企業団 17.3%
・その他 0.1%
本市の水道事業の特徴は、給水の自給率が高いということであり、昭和22年に淀川から取水を開始後、本市単独でお客さまに給水してきました。しかしながら、人口の急増にともない、昭和46年からその不足を補うため、大阪広域水道企業団(旧:大阪府営水道)から受水しています。
このほか、隣接する寝屋川市、交野市、八幡市の各水道から一部行政区域隣接地に水道水を供給するため、受水しています。
環境保全の取り組み
上水道
水道事業は、自然界の水資源の恩恵を受けて成り立っています。
使えばなくなってしまう石油や石炭などとは違って、水は循環資源ですから、くり返し利用することができます。
ただ環境の汚染がすすむと、循環の過程で水も汚染されていきます。水資源を大切にするためには、地球環境の保全が不可欠です。
自然界の水をきれいにして、水道水をお送りするのが水道の仕事です。
しかし一方で、水道事業の活動自体が、自然環境に大きな負荷を与えているという事実があります。
たとえば、淀川の水をきれいにして、水道水を市民のみなさんにお届けするまでには、多くのポンプを動かし、大量の電気を使用します。
大量の電気を使用するということは、電力を生産する過程で、それだけ多くの二酸化炭素を発生させることであり、地球温暖化に大きな影響を与えています。
また、水を処理するための薬品を使用したり、産業廃棄物として排泥を処分することによる、環境への負荷も無視することはできません。
こうした環境への負荷を、なるべく小さくし、環境破壊による水資源への影響を、極力抑えなければなりません。
電力使用を例にあげれば、生活に欠くことのできない水を、安定して供給するためには、浄水処理や送水に電力の使用が必要です。
この電力をいかに無駄なく効率的に使用するか、太陽光発電など、クリーンなエネルギーをどのように導入していくか、検討を重ねて実行することが課題となります。
地球環境にやさしい水道をめざして
太陽光発電とは
太陽から地球上に降り注ぐ無尽蔵の光エネルギーを利用して発電するもので、石油・石炭など限りある資源を使用せず、温室効果ガス(二酸化炭素など)も排出しないので、環境にやさしいクリーンな発電方式です。
中宮浄水場太陽光発電設備(平成14年度完成)
中宮浄水場の太陽光発電設備では、多結晶シリコン太陽電池という電池を使用しています。
太陽電池1個は、約15センチ角の大きさで、これをセルといい、セルを48枚集め、パネル状にしたものが太陽電池モジュール(出力160ワット)で、これを634枚設置し、最大100キロワットの電力をつくり出します。発生した電力は浄水設備動力の一部となります。
香里受水場太陽光発電設備(平成15年度完成)
香里受水場の太陽光発電設備では、ポンプ棟屋根に出力167ワットの太陽光電池モジュールを300枚取り付け、最大50キロワットの電力をつくり出します。
この電力はすべて受水場内の電気設備で消費されます。
北山配水場太陽光発電設備(平成16年度完成)
北山配水場の太陽光発電設備は、ポンプ棟屋根に167ワットの太陽電池モジュールを120枚取り付け、最大20キロワットの電力をつくり出します。
この電力は場内の電気設備で消費されますが、発電電力が場内使用電力を上回る場合は、関西電力に売電します。
田口山配水場太陽光発電設備(平成17年度完成)
田口山配水場の太陽光発電設備は、ポンプ棟屋根に157ワットの太陽電池モジュールを128枚取り付け、最大20キロワットの電力をつくり出します。
この電力は場内の電気設備で消費されますが、発電電力が場内使用電力を上回る場合は、関西電力に売電します。
お問い合わせ
枚方市役所 上下水道局 上下水道部 浄水課 浄水担当
電話: 072-848-5515
ファックス: 072-848-2280
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