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あしあと

    みどりをのぞき見! ~関西外国語大学御殿山キャンパス・グローバルタウン~

    • [公開日:2024年12月17日]
    • [更新日:2024年12月17日]
    • ページ番号:51305

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    キャンパス正面

    大学キャンパスの広大な敷地には、樹木や芝生地、花壇など豊かなみどりが育まれています。

    普段は立ち入ることができないキャンパス内のみどりを市民の皆さまにも楽しんでいただくため、今回は関西外国語大学のご協力のもと、御殿山キャンパス・グローバルタウンでのみどりの魅力をご紹介します!

    主な受賞歴等

    関西外国語大学 御殿山キャンパス・グローバルタウンは「まちのようなキャンパス」をコンセプトに、多様な出会いと交流が予感させる空間づくりが評価され、さまざまな賞や作品選集に選ばれています。

    • 日本建設業連合会(日建連)表彰2020 第61回BCS賞
    • 第9回みどりのまちづくり賞 一般社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会関西支部長賞(ランドスケープデザイン部門)(愛称:大阪ランドスケープ賞)
    • 日本建築学会作品選集2020
    • 日本造園学会ランドスケープ作品選集2020

    構内配置図

    構内図

    御殿山キャンパス・グローバルタウンのみどりとは?

    御殿山キャンパスは、世界で活躍できる人材を育成するための「まちのようなキャンパス」がコンセプトとなっており、まるで欧米諸国へ留学したような風景が広がっています。


    (1) エントランス

    エントランス

    広さ約5,0000平方メートルのキャンパスのエントランスには、関西外国語大学を象徴する世界各国の国旗がたなびいており、すぐそばには高さ10mのセンペルセコイアがそびえ立っています。

    アメリカフウ並木

    さらに進むと、アメリカフウ(別名:モミジバフウ)並木と水盤がお出迎えしてくれます。建物に囲われた中庭型のキャンパスが非日常空間を演出し、あたかも欧米諸国へ留学したようなランドスケープを創出しています。

    紅葉しているアメリカフウ並木

    秋になると真っ赤に紅葉しているアメリカフウ並木が楽しめます。

    正門から見える水盤とセンペルセコイア

    正門からエントランスを振り返ると、国旗とセンペルセコイアを正面から眺めることができます。

    【番外編】メッシュプランター

    建築物緑化

    キャンパス内では、バルコニーでの建築物緑化が随所に見られました。

    メッシュプランター

    建物内部から見ると、金網によるメッシュプランターであることが分かります。側面部への植栽が可能で、立体的な緑化が特徴です。メッシュのため、軽量かつ運搬や設置・撤去が容易というメリットがあります。


    (2)中庭

    中庭

    正門を越えると、華やかなエントランスプラザが広がっています。後方には人の背の高さを超えるような中高木が、前方には低木や草花が配置されています。植栽に高低差をつけて配置することで、立体感を演出し、奥行きのある開放的な中庭となっています。

    ベンチにはハロウィン用のカボチャが飾られており、季節感のある演出を楽しむことができました。

    中庭2

    この1つめの回廊を越えると、

    中庭3

    低層の建物に囲まれた居心地の良い中庭が広がっています。ベンチに腰掛けると、低木を中心とした植栽が目線の近くで楽しめます。四季折々の草花で彩られた中庭は、学生の出会いと交流の場となっています。

    (3)芝生広場

    芝生広場

    2つめの回廊を越えるとキャンパス中央に芝生広場が広がっています。開放感がある空間となっており、天気が良い日には学生たちが腰をおろして、話に花を咲かせている様子も見られます。

    東西43m、南北47mの正方形の広場は回廊で囲まれ、雨に濡れずに移動することもできます。雨の日は回廊を、晴れの日は芝生広場を通行するというように、さまざまなルートで移動することが可能で、歩きたくなるような回遊性を高めた空間構成とデザインが特徴的です。

    芝生広場 遠景

    芝生広場にはヤマザクラ(春)、ヤマボウシ(夏)、ギンモクセイ(冬)といった3本の高木が植栽されており、四季の移ろいを感じさせてくれます。広場の中には斜めに走る遊歩道があり、街を散策する気分が味わえます。

    (画像は左からヤマザクラ、ギンモクセイ、ヤマボウシの順)

    シバザクラ

    訪問時には、ヤマザクラがやや紅葉している様子が見られ、秋を感じることができました。

    また、各高木の足元にはガイコツなどのお化けのオブジェが設置されており、ハロウィンムードを高めていました。


    (4)屋外テラス

    屋外テラス

    3つ目の回廊を越えると、カフェテリアやラーニングコモンズ(図書館学術情報センター)と一体となったテラス空間が広がります。

    建物内外に植栽帯がつくりだす木陰と一体となったテラスは学生の居場所となっています。

    屋外テラスにはベニバナトチノキやサルスベリなどの四季に応じて花を咲かせる樹木をバランスよく配置し、季節感を演出しています。

    カフェテリア近くの屋外テラス
    トチの実

    カフェテリア近くでは、ちょうどトチノキの実がなっており、実りの秋を実感しました。


    (5)北西部の広場

    北西部の広場1
    北西部の広場2

    図書館学術情報センター横の北西部にある広場は、高木に囲まれた自然を感じられる空間となっています。


    (6)既存竹林

    既存竹林1
    既存竹林2

    図書館学術情報センターの先にある西側斜面には既存樹木や竹林が保存され、建物の中から眺める緑の風景は勉強に疲れた目を癒してくれます。


    (7)屋上庭園

    屋上庭園

    図書館学術情報センターには地上部からステップ状につながる屋上庭園が整備されており、勉強に疲れたときの気分転換のスペースとなっています。

    屋上からのキャンパスの全景

    枚方市内の眺望やキャンパスの全景を楽しむことができ、晴れた日にはこのように生駒山系が望めます。

    屋上から見た北西部の広場

    屋上から眺めると、北西部の広場はこのようになっています。


    関西外大に直撃レポート!

    Q1. 御殿山キャンパス・グローバルタウンのコンセプトを詳しく教えてください!

    外国語大学ならではの出会いと交流に満ちた「まちのようなキャンパス」がコンセプトになっています。VILLA と呼ばれる低層の建物群(教室、食堂、カフェなど)と呼応させるように大小さまざまなスケールのパブリックスペース(中庭)が創出されています。低層棟と共にあたかも留学したような素敵な環境づくりを目指しました。

    みどりは、花木や紅葉が美しい木など日本の四季を感じ、黄色や黄緑色の葉色が美しいカラーリーフプランツも積極的に活用し、彩りにあふれる心地よい空間が創出されています。みどりと一体となった心地よい空間が、多様な出会いと交流が育まれるフィールドとなることを期待しています。

    カラーリーフ1
    カラーリーフ2

    (注)カラーリーフプランツ…一般的な緑色以外の葉色が楽しめる植物の総称


    Q2. キャンパス内のみどりが育まれた現在のみどりへの想いを聞かせてください。

      御殿山キャンパス・グローバルタウンは大小さまざまなスケールのみどりあふれる多様な居場所が次々に現れるデザインがなされています。日本の四季と彩りをテーマとして、キャンパスのみどりは年々大きく成長し、季節により訪れるたびに異なる風景を見せてくれます。
      このキャンパスで学んだ多くの学生たちが日本の四季の美しさやみどりあふれる環境の大事さを感じ取り、今後の社会で活躍していただけることを願っています。

    Q3. 広大なキャンパスでみどりの維持管理を行うために、工夫されていることを教えてください。

    枚方の気候風土になじんだ植栽の樹種を選定しつつ、毎年植替えが必要な一年草の草花ではなく、毎年自然に花を咲かせる宿根草や地表面を覆うように成長するグランドカバーを活用し四季感を演出するなど、メンテナンスが容易な植物を活用した植栽計画を行っています。

    また、水やりの手間を省力化するために、全域自動潅水システムを導入しています。


    エントランスエリアで見つけた工夫とは…?

    ブルーパシフィック

    グランドカバーは雑草対策だけでなく、泥や埃の飛散防止、地表面の温度上昇低減などさまざまなメリットがあります。エントランスエリアのグランドカバーにはブルーパシフィックが用いられていました。

    ブルーパシフィックは成長が早く、また暑さや寒さに強く、非常に丈夫な品種として知られています。葉全体が白色を帯びており、青緑色の美しい葉色が特徴で、落ち着いた印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。冬になるとやや褐色になりますが、春には自然と元に戻ります。

    潅水チューブ

    木の根元には潅水チューブが設置されており、穴の開いたホースに水を流すと、その穴から水が出る仕組みになっています。


    Q4. みどりに関する取り組みについて、今後の展望を教えてください。

    気候変動に伴う地球環境問題が深刻化する中、市街地の中におけるみどりのもつ価値はますます見直されてきています。より多くの二酸化炭素を光合成で吸収し、人々に涼しさをもたらす木陰をつくりだすために、キャンパス内の高木をより健全に大きく育んでいきたいと考えています。また、キャンパス内には四季折々の花が咲くことから、蝶(チョウ)や鳥など生きものたちの居場所にもなっています。このような生物多様性を守っていくために、キャンパスの緑の成長を育みたいと考えます。

    その他、このキャンパスの多様なランドスケープを題材にしたフィールドワーク・タイプの授業などを行っており、こみどりの環境に関心を高めていけるような取り組みを行っています。身のまわりの環境から生態系や生物多様性の重要性を学ぶため、キャンパス内の多様な植物を対象にどんな植物が、どこに、どんな意図で植えられているのか、ランドスケープ・デザインのコンセプトを仮説として立て、キャンパスを歩き回り、データを集めて検証しています。

    授業風景

    関西外国語大学 御殿山キャンパス・グローバルタウン

    所 在 地   枚方市御殿山南町6-1
    校地総面積   50,285.83平方メートル
    建 築 主   学校法人 関西外国語大学
    設 計 者   株式会社 日建設計
    施 工 者   株式会社 竹中工務店
    竣 工 日   2017年12月22日

    ※関西外国語大学では、セキュリティ上の観点からキャンパス内への立ち入りはご遠慮いただきたいとのことです。