広報ひらかた

子どもの幸せのために 私たちができること

 児童虐待、貧困、いじめ、不登校―。子どもや子育て世帯を取り巻く問題は近年、コロナ禍による生活環境の変化でさらに深刻になっています。 そうした中、子どもたちが笑顔で健やかに過ごせるよう社会が一体となって子どもを守っていくため、市は今年3月に「子どもを守る条例」を制定しました。まずは「あなた」にできることから始めてみませんか?

 問合わせ先、子どもの育ち見守りセンター 電話050-7102-3234、ファクス846-7952


コロナ禍で相談件数1・4倍に

 コロナ禍では、家庭環境の変化による育児疲れやストレスで子どもに暴力を振るってしまったり、雇用・収入の減少で食事や日用品を十分に用意できなかったりするなど、悩みを抱える家庭が増えています。市でも、家庭児童相談件数が令和元年度に比べると1・4倍となり、特に虐待関連の相談が急増しています。

R1:2万4211

R2:3万3896


「自分の意見を大切にされていないと感じる」7人に1人

 市内には18歳までの子どもたちが約6万4000人います。そのうち、市立小学5年生と中学2年生約2000人を対象に昨年9月に行った「子どもアンケート」では、約7人に1人が「自分の意見や考えを大切にされていないと感じている」と回答しました。自分の思いを周りの大人や友達らに受け入れてもらえないことで自分らしさを出しにくくなり、自分の存在も大切にされていないと感じる子どもがあなたの近くにいるかもしれません。


「子どもを守る条例」を3月に制定

子どもが笑顔で健やかに成長できる「まち」へ

市は、誰一人取り残さず全ての子どもに寄り添ってきめ細やかな支援を行うため、3つの基本理念を掲げています。


子どもの権利擁護

子どもにとって一番良いことは何かを考える


子育ち支援

主体的に生きる力を育む


子育て支援

子どもに寄り添い、家庭を丸ごと応援する


子どもを育む
大人の役割

 大人は、子どもが次の5つを理解し身につけられるよう取り組むことが大切です。

⑴自分の権利が尊重されること
⑵自分の思いを伝えたり相談したりすること
⑶自分を大切にすること
⑷他の人を大切にすること
⑸社会的に自立していく主体性を育むこと


小・中学生にも知ってほしい
条例の電子リーフレット配信中

 市は、条例を子どもたちにも分かりやすく伝えるため、市立小・中学生の個人用タブレットに電子リーフレットを配信しています。小学1・2年生用、3年生~6年生用、中学生以上用と3種類あり、子どもの権利や大人の役割などを学びながら自分自身が守られる存在であることを伝える内容になっています。全4版で来年1月・2月にも配信予定。市ホームページからも見られます。


一番大切なのは気にかけて
ひと手間掛けること

 今年度から子どもの育ち見守りセンター内に開設した「ひとり親家庭相談支援センター」でさまざまな相談に応じる弁護士の玉野まりこさん(写真)に、子どもを守ることとは何かお話を伺いました。


子どもの力を信じて話を聞く

 困難を抱えた10代後半の子どもたちは口をそろえて「大人は信用できない」と言います。理由の1つは「大人が子どもを対等な人として接していない」ことだと思います。子どもへの注意や助言は愛情や心配があっての行動ですが、大人の価値観で一方的に伝えても納得は得られません。まずは子どもの言い分を聞き、大人の考えもきちんと説明する。子どもの力を信じ主体性を認めることで、子どもは自分自身が大切にされていると感じるようになります。


無関心が子どもを傷つける

 子どもを守る活動には里親、子ども食堂、ファミリーサポート、町内パトロールなどたくさんあります。保護者を支えることや学校の学習環境を整えることも一つです。また、日常的にできることとして、通りすがりの子どもにあいさつする、泣いている子どもに非難の目を向けるのではなくほほ笑むなど…。みなさんのちょっとした優しい心掛けが生きやすい社会を作り、子どもを守ることにつながります。何よりも子どもを傷つけるのは無関心であること。「気にかけてひと手間掛けること」が大切だと思います。


NPO法人こどもセンターぬっくの副理事長を務め、子どもシェルターや自立援助ホームなど子どもの居場所確保にも取り組む。


「子どもを守る」を動画で学ぶ

第1弾に玉野さん出演中!

 市公式ユーチューブで配信中の「子どもを守る」ことについて考えるインタビュー企画動画第1弾に玉野まりこさんが出演 中!第2弾も近日公開予定。ぜひご覧ください。


あなたが守れる
子どもはすぐそばに

 市内ではさまざまな子どもを守る活動が行われています。子どもの笑顔と幸せを第一に日々活動する人たちに迫ります。


送り迎えや預かりなど全面支援

ファミリーサポート

 生後3カ月~小学6年生の預かりや送迎などを行う市民の相互援助活動です。子育て家庭をサポートしたい事前に講座を受けた「提供会員」とそのサポートが必要な「依頼会員」をつないで、子育て中の家庭を地域で温かく見守っています。現在、約350人のさまざまな経験を持つ幅広い世代の提供会員が活躍中。提供・依頼会員共に事前登録が必要。


【Interview】サポート歴15年 野村さん夫妻

親子の笑顔のため  見守りの輪が広がってほしい

 きっかけは15年ほど前、定年退職して時間に余裕ができた妻がたまたま広報ひらかたで会員募集の記事を見かけたことでした。妻は保育士の経験はあったものの、双子の預かりや荷物運びなど1人では大変な場面もあったため私も提供会員となり、ずっと夫婦で活動しています。料理は私で子どもの遊び相手は妻が担当し、分担しながら多いときで週2回預かることも。子どもたちが顔や名前を覚えて抱きついてきたり、定年後に始めた手料理をおいしい~!と食べてくれたりすると何よりも幸せですね。子どもがけがしないことを第一に常に目を離さないよう心掛けています。地域の手助けなしに子育てと仕事を両立するのは大変なこと。私たちの活動によって息抜きの時間ができ、親子の笑顔が増えるとうれしいです。もっともっと見守りの輪が広がってほしいですね。(光弘さん)

▶光弘さん(写真右)と妻の光恵さん(同左)。


無料で利用できる補助があります

 子育て家庭の育児負担を軽減するため、2歳未満の子どもがいる家庭にサポートを5時間分無料体験できるクーポンを発行しています。クーポン利用にはファミリーサポートセンターへの会員登録手続き(登録無料、要予約)が必要。ひとり親・多胎児家庭には別途支援制度あり。▶申込 申請書(市ホームページから取り出し可)を記入の上、母子健康手帳など子どもの氏名、生年月日が確認できる書類の写しを添えて〒573―0042村野西町5―1同サポートセンターへ。申請受付後、クーポンを郵送します。詳細は市ホームページ参照。

▶2歳未満・多胎児家庭の補助は私立保育幼稚園課へ
▶ひとり親家庭の補助はひとり親家庭相談支援センターへ

ファミリーサポートセンター 電話・ファクス805-3522(水・日曜、祝日休み)

依頼会員出張登録会

 対象はおおむね生後3カ月~小学6年生の子どもがいる人。妊娠中の人も登録可。▶日時など 12月18日㈯ラポールひらかた、20日㈪津田生涯学習市民センター。いずれも午前10時~11時。保育あり(生後4カ月以上。要予約。先着各5人)。▶申込 12月2日午前10時から電話で右記ファミリーサポートセンターへ。先着各10人。登録希望者は保護者の顔写真(縦3㎝ ×横2㎝ )2枚・印鑑持参。

 問合わせ先、私立保育幼稚園課 電話841-1471、ファクス841-4319


親と離れて暮らす子を受け入れ

里親支援

 国内には虐待や貧困、病気、死別などの事情で親と離れて暮らす子どもたちが約4万5000人います。そんな子どもたちを家庭に受け入れて育てるのが里親です。養子縁組だけでなく、家庭環境や親・子どもの気持ちに合わせていろいろな形態があります。


【Interview】里親支援機関おひさま

子どもの心に寄り添い 自立を手助けしませんか

 里親制度は子どもの衣食住や自立だけでなく心の成長も手助けするもので、たっぷりの愛情や熱意・理解がある人の協力が必要不可欠です。私たちは子どもと里親のマッチングや啓発活動などを行う機関で、里親が安心安全に養育できるようにサポートや心のケアも行っています。少しでも気になったらまずはお問い合わせください。

▶おひさまのスタッフ一同。


迎え入れ方いろいろ

はぐくみホーム

 事情があって自宅で暮らせない子どもが自立や親元に戻るまで養育。期間は数週間~1年以上の長期間の場合も。はぐくみホームは府の養育里親の愛称。

はぐくみホームが不足しています

乳児院や児童養護施設で暮らす市の子ども:約80人
市内の登録家庭:7家族


養子縁組里親

 特別養子縁組(戸籍上も自分の子どもとして育てること)を前提に養育。


週末里親

 家庭生活を体験できるよう、週末や夏休みなどに家庭へ迎え入れる。


里親制度のパネル展示と個別相談会

 いずれも南部生涯学習市民センター。

◆パネル展示

▶期間など 12月11日㈯~18日㈯。無料。直接会場へ。

◆個別相談会

 ▶日時など 12月18日㈯午後1時~4時。対象は里親制度や里親家庭に興味のある人。予約優先。詳細は 里親支援機関おひさま(電話380-3455)へお問い合わせを。

 問合わせ先、子どもの育ち見守りセンター 電話050-7102-3234、ファクス846-7952


一人で抱えず気軽に話して

 家、友達、自分のことなどさまざまな相談に乗ります。保護者の相談も受け付けていますので、身近な存在として気軽に話してみてください。


子どもの育ち見守りセンターとなとな

電話050-7102-3221、ファクス846-7952
平日午前9時~午後5時30分


子どもの笑顔守るコール いじめ専用ホットライン

電話809-7867 平日午前9時~午後5時


【24時間受付】子育ていつでも相談(保護者向け)

電話850-7337


子ども専用フリーダイヤル

電話0120-7285-25


虐待の心配や疑いが
あるときはまず連絡を

 子育てには悩みがつきものです。地域で見守ることが子どもの命を守ることにつながります。


子どもの育ち見守りセンター

電話050-7102-3220

平日午前9時~午後5時30分


児童相談所虐待対応ダイヤル

電話189(いちはやく)24時間受付


子どもの育ち見守りセンター 北本 早