広報ひらかた

市民登場

No.738

(一社)日本エコラップ協会 代表理事

谷口 志保 さん

 ◆たにぐち しほ
 洗って繰り返し使え脱プラ商品として注目を集める食品用エコラップ「みつろうラップ」を販売。子どもの発育などを中心にカウンセリング業を行うエシカルカウンセル代表。北中振在住。45歳。

 ミツバチの巣から得られる蜜蝋を布に染み込ませて作ったみつろうラップ。本格的に販売を始めたのは昨年2月から。熱には弱いものの、脱プラ、SDGsの時代にマッチし、使い捨てでなく環境にやさしい商品として百貨店などから出店依頼が相次ぎ、約3000枚を売り上げている。こだわりは国内の養蜂園から取り寄せた蜜蝋とオーガニックコットンを使っていること。蜜蝋にココナッツオイルや天然樹脂の配合する量を調節して密着と持続性のバランスをとるなど試行錯誤を重ねて「安全安心な素材を使い胸を張って届けられるものを作れました」。

 きっかけは3年前、旅先のバリ島で目にした可愛いデザインのエコラップ。現地では日本より一足早くプラスチック製品の規制があったが、海岸には多くのプラごみが漂着していた。それまで環境問題に関心はなかったが「自分のできることで子どもたちに良い環境を残してあげたいと感じました」。これまでは生産から販売まで、ほぼ1人で取り組んできたが、みつろうラップづくりの講師をしてみたいとの声に応えるため10月に日本エコラップ協会を発足させた。今後ラップの生産技術やワークショップの運営方法などを資格として認定する。「一人で広めるには限界がある。全国に講師を増やしてエコラップを広めたい」と意気込む。

 活動の原動力は、これからを生きる子どもたち。子育てをしながら通信制大学で資格を取得して始めた本業のカウンセリング業では子どもの発育分野を中心に気軽に相談できる場を作りたいと開業した今もなお大学病院の研究サポートをしながら学び続けている。「小さくてもできる範囲で、良いことを積み重ねていきたい」というエシカル(道徳的)な想いが会社の屋号に込められている。