広報ひらかた

市民登場

No.737

穂谷ビールの仕掛け人

光延 具視 さん

 ◆みつのぶ ともみ 穂谷産ホップで新たな「枚方の顔」となるクラフトビールづくりを目指す「HOTANI HOP PROJECT」を始動。SNSで活動を発信中。今冬、第一弾となる穂谷ビールを販売予定。コピーライター。津田元町在住。45歳。


 7月最終日、真夏の炎天下。穂谷の畑にホップを収穫するために集まった人たちの賑やかな声が響き渡る中、人一倍汗を流す。市中心部よりも涼しくホップ栽培に適した穂谷で地元農家の協力を得て4月から栽培した。「設備づくりも栽培も全てが初めてで試行錯誤でした」。ビールの風味を決める穂谷産ホップはかんきつのような爽やかな香りが特徴で、今冬の販売に向け600ℓのビールを仕込む。「大変でしたけど、どんな仕上がりになるかわくわくしています!」

 枚方で生まれ育ちながらもコピーライターとしての仕事が忙しく地元に目を向ける余裕はなかったが、4年前に独立したことで地域の活性化を手掛けたいと考えるようになった。きっかけは昨年2月に偶然目にした京都・与謝野町でのホップ栽培と地域活性化を扱ったテレビ番組。「枚方でも作れるんじゃないか」。地元の友人たちを巻き込みすぐに動き出したが、誰もが農業は未経験。ネットで調べ、山梨県のホップ農家から苗を購入し栽培指導を受け、穂谷の農家や大阪市内の醸造会社を探し出し交渉した。「想いやプランを企画書にしてプレゼンし協力を得ていきました」。昨年は手始めに仲間とそれぞれ自宅の庭で育てたホップで試作ビールを作った。「地元で作ったビールは格別でしたね。多くの人に飲んでもらいたいと強く思いました」

 組織という形式にとらわれず徐々に仲間が増えていくビールづくりはコロナ禍で失われつつある人の輪づくりにもつながっている。「コピーライターとして培ったモノ・コトづくりの経験を生かし、メイドイン穂谷のホップとビールで、大好きな枚方を元気づけていきます!」始まったばかりの挑戦は今やたくさんの人の想いに溢れている。