広報ひらかた

枚方家族

枚方家族 思い出の1コマ

枚方ゆかりの著名人の皆さんが秘蔵の写真とともに思い出を語ります。

第39回 竹沢うるまさん

 写真家。大学時代に初めて訪れた沖縄の海をきっかけに写真を撮り始める。出版社のスタッフフォトグラファーを経て平成16年に独立。世界各地を旅して、訪れた国と地域は150を超す。代表作は写真集「Walkabout」(小学館)。6月8日~19日にキヤノンギャラリー大阪で写真展「Boundary ― 境界」を開催予定。

▶︎小学生の頃、自宅で愛犬の「べんけい」と(昭和63年)。

▲自信作の1枚。夜に降った雪で、真っ黒な大地が白と黒が織りなす風景に変わっていた。その日に何度か訪れると、雪が徐々に溶けて黒い大地に戻っていった。秋から冬にかけて雪がそれほど多くないときにしか見られない光景です(令和元年、アイスランド)。

どれだけ遠くに旅しても帰ってきたいまち

 小学生の頃、淀川の河川敷で友人たちと釣りをしたこと、駅前の立ち食いそば屋から漏れる湯気や、うなぎ屋から漂うかば焼きの匂い、ビオルネになる前は個人商店の集まりだった商店街のにぎわい…。枚方での思い出はたくさんあり、どれも長い時間をかけて輝きを増している気がしています。

 大学卒業後、多くの国や地域を長く旅していると、自分のアイデンティティを意識させられます。へき地で子どもたちが自由に遊ぶ姿を見ると、かつて自分も自宅のそばの自然で遊んだなと枚方で過ごした時間を思い出します。どれだけ遠い場所を訪れても、いつか帰るのは枚方。そのように思っています。