広報ひらかた

コロナ禍でより深刻に。生活困窮問題

コロナで暮らしに困ったとき、ためらわずに相談を。

 長期化するコロナ禍。社会生活は大きく変化し、私たちの暮らしは大きな影響を受けています。特に深刻な問題の一つは働く機会の喪失。収入の減少や失業で多くの人が生活困窮に陥っています。 今回は、経済的困窮から今すぐ暮らしを守るための相談窓口や支援策を紹介します。困ったとき、悩んだときは、ためらわずに相談してください。

 問合せ先、福祉事務所 健康福祉総合相談担当 電話841-1401 ファクス841-5711、生活福祉担当 自立支援グループ電話841-1452、高齢支援グループ 電話841-1454、ファクス841-4123

緊急事態宣言で相談件数が急増

 昨年度、健康福祉総合相談担当に寄せられた新型コロナに関連した生活困窮相談は3600件を上回りました。収入が減った場合などに家賃分の給付を受けられる「住居確保給付 金」の給付件数は令和元年度の4件から60 倍以上に。1回目の緊急事態宣言が出された昨年4月以降に急増しました。また、生活保護制度も、昨年10月以降の相談・申請件数が ともに増加傾向にあります。貯蓄などを切り崩して耐えていた生活がコロナ禍の長期化により崩れたのではと考えられます。

住居確保給付金 給付件数

令和元年度:4
令和2年度:263

生活保護相談・保護申請件数住居

相談件数
保護申請件数

コロナ禍で困窮が顕在化

 新型コロナによって、新たに生活苦に陥った世帯だけでなく、これまでギリギリの生活をしていた世帯が顕在化したと感じています。住居確保給付金は平成27年から開始されている自立支援施策の一つで離職・減収等で住居を失う恐れのある人が対象。昨年度、給付件数は急増し263件に上りました。3回目の緊急事態宣言や休業・時短営業など、厳しい状況は今もなお続き、支援が必要な世帯はまだまだいると強く感じています。

健康福祉総合相談担当
相談支援員 忠本 修二

 相談支援員として、生活に関するさまざまな困りごとを解決するための支援をしています 。

この苦境を二人三脚で乗り越えましょう

相談者の力になる支援を

 支援を始めるときは、まず相談者から生活全般に関わる困りごとをしっかり聞き取ります。そのうえで相談者自身が力を付け行動できる支援になるよう心掛けています。企業訪問に同行するなど二人三脚で問題を解決するイメージで日々向き合っています。一度がんばってみて、うまくいかなかったときは何がダメだったのかを一緒に考え、もう一度挑戦してみる。それを繰り返し、解決まで寄り添っています。まじめに努力しても就労につながらないことも多くありますが、そんな苦しい状況でも前向きに進み、自分で行動する力を付けていく人もいます。悩みが解決して相談者が明るい表情で窓口を去るときは、やはりとてもうれしいですね。

頼れる場所でありたい

 借金や介護など、抱える問題は人それぞれで、一つとは限りません。どこに相談すればいいのか分からないときは、私たちに悩みを聞かせてください。解決策を一緒に考え、悩みを解決できる機関につなぐこともできます。安心していつでも頼れる場所でありたいと思っています。できることを一緒に考えていきましょう。

「相談してよかった」Aさん(50代・女性)

 昨年5月~令和3年1月に住居確保給付金や就労支援を利用したAさん。当時のことを伺いました。

突然の失職に焦り…市役所へ

 昨年4月から派遣販売員として働く予定でしたが緊急事態宣言が出て仕事は全てキャンセルに。とても焦りました。ハローワークに駆け込んだもののどこも休業中で仕事は無く、失業給付も日数不足で受給できず気持ちは真っ暗。当面の生活費にと紹介された枚方市社会福祉協議会の生活貸付資金の利用も考えましたが、返還できるめどがなく…。返還の必要がない住居確保給付金を紹介されました。

不安な気持ちがスッと解消

 市役所で個人に寄り添った支援を受けられると思っていなかったのですが、現状を親身に聞き制度を丁寧に説明してくれたので、一人で抱えていた不安な気持ちがスッと解消されたのを覚えています。5月から給付開始が決まり、家賃滞納の心配が無くなった安心感はとても大きかったですね。その後は併設の専用ハローワークも利用して、求職活動に専念。苦しい状況は続きましたが、その間ずっと見守ってくれたので、諦めずにがんばれたと思っています。相談する場所は実は身近なところにあって、私と同じように困っている人は、まず相談してみてほしいですね。側で力になってくれる人が居ることは本当に心強いですよ。

こんなときはここへ
あなたの身近にある相談窓口

1人で悩んでいませんか?

 生活の悩み別に相談窓口を紹介。どの窓口も、コロナで収入が減った、仕事が無くなったときだけでなく、生活に困ったときにはいつでも相談を受け付けています。必要なときにはぜひ頼りにしてください。

お悩み1:一時的な生活費に困った

枚方市社会福祉協議会 電話807-3017、ファクス845-1897 新町2-1-35(ラポールひらかた内)

 社会福祉協議会では、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めるため、生活困窮相談のほか、介護、障害者、子育て、ボランティアの相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。

新型コロナによる生活困窮世帯に生活費を貸し付けています

【申請は6月30日まで(5月19日現在)】

総務課:原田磨未奈

最大10万円を無利子で緊急小口資金

 10万円以内(特別な場合は20万円以内)を無利子、保証人不要で貸し付け。償還期限は2年以内で据え置き期間は1年以内。

月最大20万円を無利子で総合支援金

 月20万円以内(単身15万円以内)を原則3カ月以内で無利子、保証人不要で貸し付け。償還期限は10年以内で据え置き期間は1年以内。

 貸し付けには審査があります。貸し付け要件や申請書類、償還方法など詳細は社会福祉協議会生活支援課(電話807・3017、ファクス845・1897)へお問い合わせを。

ひとり親のランドセル購入費用に最大2万円

 「経済的に困っている人たちのために役立ててほしい」という市民からの寄贈により設立した「木田基金」を活用。対象は令和4年度に小学校入学予定の児童がいる低所得ひとり親世帯(おおむね非課税世帯)。生活保護受給世帯や多額の財産を有する世帯は対象外。
▶補助額 1人2万円(上限)。
▶申請 7月1日~来年2月28日に住所や世帯の収入が分かる書類を持って同協議会総務課へ。

食品等支援物資の寄付を募集

 新型コロナの感染拡大で経済的に困っている1人暮らし大学生やひとり親世帯への食品等支援を行っています。個人や団体からの寄付により実施しているため、食品や日用品等を寄付いただける場合は同協議会総務課へお問い合わせを。支援の実施状況などの詳細を同協議会ツイッター(で随時お知らせしています。

 問合せ先、社会福祉協議会総務課 電話844-2443、ファクス807-5779

お悩み2:生活全般で困ったことがある

市役所別館1階福祉事務所 健康福祉総合相談担当 電話841-1401、ファクス841-5711

 就労や家計管理、介護の心配など、生活全般の相談を受け付け、解決に向けて一緒に考えます。市役所のどこに相談すべきか分からない場合などでも、お気軽にご相談ください。

離職・休業などで家賃が支払えない人に家賃相当額を期限付きで最大3万8000円支給(単身世帯の場合)

◆支給要件等(単身世帯の場合)

1カ月の収入が12万2000円以下で、世帯員の金融資産合計額が50万4000円以下。

◆支給要件等(単身世帯の場合)

 1カ月の収入が12万2000円以下で、世帯員の金融資産合計額が50万4000円以下。

支給中は就職活動が必要です

 支給中は早期の自立を目指した就職活動を行う必要があります。相談支援員等が一人一人に寄り添い、個々の世帯に適した就労支援を行います。複数世帯の支給額・要件など、詳細はお問い合わせください。

お悩み3:経済的に自立した生活が難しくなった

査察指導員:中垣充史

市役所別館1階 福祉事務所 生活福祉担当 電話841-1452(自立支援グループ) 電話841-1454(高齢支援グループ)ファクス841-4123

 コロナ禍では、誰もが生活に困窮する可能性があります。生活保護の受給には要件がありますが、いつでも相談は受け付けています。「これからどうしよう」「この先不安だ」と1人で悩まずに、お早めに一度ご相談ください。

資産や能力、他の制度等を活用してもなお生活に困っている人に生活保護費を支給し、自立支援

STEP1 相談・申請

 生活相談員やケースワーカーが、相談に至った経過を聞き取り、制度の仕組みや各種社会保障施策等の活用について説明。申請時に持参が必要な書類はありませんが、申請後の調査で、世帯の収入・資産等の状況が分かる資料(通帳の写しや給与明細等)の提出を求めることがあります。◆要件など 生活状況や資産、年金などの社会保障給付状況などを調査後、活用できる資産等がない場合や、世帯収入が最低生活費(世帯人数や世帯員の年齢・障害の有無などにより異なる)より低い場合などに世帯単位で受給できます。

STEP2 支給

 最低生活費と世帯の収入を比較し、不足する部分を生活保護費として支給。受給中は収入状況の申告が必要。世帯の状況に合わせてケースワーカーが就労・通院の助言や指導を行い、自立した生活を送るための方法を共に考え、必要な援助を行います。

最低生活費

世帯収入:不足分を生活保護費として支給