広報ひらかた

令和3年度市政運営方針

「必ず乗り越える。コロナの先へ」

 令和3年3月定例月議会の初日となる2月26日に伏見市長が市政運営方針を表明しました。ここでは8つの重点施策に沿った主な事業の概要を紹介します。

 問合せ先、企画政策室 電話841-1254、ファクス841-3039

市政運営方針の全文は市役所別館6階行政資料コーナーで閲覧できるほか市ホームページでも見ることができます。

全文はこちら

https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000034067.html

動画はこちら

https://www.city.hirakata.osaka.jp/vod/0000034188.html

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、いまだ収束が見えない状況が続いています。本市では現在までに1500人を超える方々が感染し、不幸にも50人の方がお亡くなりになりました。亡くなられた皆様には謹んで哀悼の意を表しますとともに、療養に専念されている皆様には一刻も早い回復を祈念いたします。また、このような厳しい感染状況の中、医療や福祉の現場をはじめとする、私たちの命と暮らしを支える仕事に向き合われている皆様に心より感謝申し上げます。この間、医療体制のひっ迫という厳しい状況に直面し、感染拡大を防ぐため接触の機会を減らすといった感染症対策を最優先に取り組んできました。大阪府内では飲食店等への休業や時短要請といった我慢を強いる制限も行われる中、市議会をはじめ多くの市民の皆様にご理解とご協力をいただき、現時点で新規感染者数は減少傾向にあります。一方で、病床使用率は十分に下がっておらず、予断を許さない状況が続いていることから、新規感染者数を抑えるために、引き続き皆様のご協力をお願いいたします。令和3年度は、ワクチン接種の機会をできる限り早期に希望する市民の皆様へ提供できるよう全力を尽くすとともに、安心して生活ができ安全に社会経済活動を営むことができるよう支援策を講じ、感染症対策を取りながら施策を着実に実行していきます。新型コロナウイルス感染症は市民生活に大きな不安をもたらしましたが、一方で、これまで十分に進められなかった行政手続きの簡素化や電子化など、市民サービスを大きく向上させるスマート自治体への取り組みを進めることのできる機運が高まりました。この機会を変革に向けた契機と捉え取り組みを一層加速させてまいります。また、人口減少や少子高齢化、経済低成長という厳しい時代にあっても、10年先、20年先を見据えて、持続可能なまちの姿を描く責任があります。雇用創出や産業の活性化といった経済効果はもちろん内外からさまざまな人やモノが集い交流し、だれもがあらゆる可能性にチャレンジできる「人が主役のまち」へと飛躍を遂げるため、最重要課題の枚方市駅周辺再整備は何としてもやり遂げる決意です。コロナ禍の中、多くの市民がこれまでの生活様式を維持することが困難となり不安を抱えています。一人ひとりの市民の思いをしっかりと受け止め、市役所自体が社会の変化を敏感に捉え、前例にとらわれず迅速に対応していかなければなりません。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」という大きな時代のうねりの中にあっても市民の皆様が安心して生活できるよう変化に強い市役所へと進化を遂げてまいります。 市民や市議会の皆様のご意見をしっかりとお聴きし、引き続き丁寧な説明と議論を重ね、本市のさらなる発展に向け、大きく踏みだせる一年にしてまいりたいと考えています。

(市政運営方針より一部抜粋)

枚方市長 伏見 隆

新型コロナウイルス感染症対策

令和3年度当初予算

新型コロナウイルス感染症対策経費

9億6265万円(既存事業含む)

情報システム等管理・運用

1277万円

スマートフォンアプリを活用した面談等の業務を非対面で提供する行政サービスを検討し、順次運用開始します。

高齢者のICT利用促進

1503万円

 電子決済やオンライン活用など「新しい生活様式」の実践に向けて、高齢者のスマートフォンの保有・利用を促進するため、通信事業者によるスマホ教室などのサポート体制を構築するとともに、ひらポアプリのダウンロード等を行うモニター制度を実施します。

避難所等の対策

3586万円

 飛沫感染リスク軽減やプライバシーを確保するためのパーティションと床に付着したウイルスからの感染リスクを軽減する簡易ベッドを購入し、避難生活の環境を改善します。

学校ICT機器等整備

5億8889万円

 コロナ禍を踏まえ機器整備を前倒します。

 新型コロナウイルス感染症のワクチンが承認され、医療従事者への先行接種が開始されるなどワクチン接種に向けての取り組みが現在、急速に進められています。本市においても対策の重要な柱として、ワクチンの円滑な接種に向け臨時組織を設置し、取り組みを進めています。また、特に感染による重症化リスクの高い高齢者施設や医療機関等でのクラスターの発生防止を目的として、引き続き積極的な行政検査に取り組んでいくとともに、感染防護具の提供など感染対策についての支援を重点的に実施します。昨年4月に発出された緊急事態宣言下における外出自粛要請により生活、学習、仕事などあらゆる場面で、人と人との接触を最低限に抑えることや、新しい生活様式の中でICTを活用した社会への変化に柔軟に対応することが求められました。今では、オンラインによる人と人との交流が身近になるなど、ICTは生活のあらゆる面で浸透しつつあり、さらなる市民生活の質の向上をめざすためにスマートシティ化の取り組みを進めます。(市政運営方針より一部抜粋)

現在進めている主な取り組み

ワクチン接種

 2月15日に臨時組織「新型コロナワクチン接種対策室」を設置。体制を整備し、円滑な接種に向けた取り組みを進めています(関連2ぺージ)。

高齢者施設等でのクラスター防止

 高齢者・障害者施設の介護従事者等に対する無料PCR検査などを実施しています。

市立ひらかた病院における対応

 人工呼吸器などの医療機器や小型PCR装置など検査機器の購入を行い、感染症医療を提供しています。

令和3年度市政運営方針

重点1

子育て環境の充実

待機児童対策の推進

10億1663万円

 必要な保育を必要な時に受けられるよう、保育の利用手続き等の見直しを進めるとともに、私立保育所(園)12園において就労応援型預かり保育を実施し、待機児童の受け入れを行います。また、年度途中の転入や育児休業明けの保育ニーズに対応するため、蹉跎西幼稚園跡施設を活用した「待機児童用保育室」を今年秋に開設し、通年での待機児童ゼロを目指します。

放課後の安全な居場所づくり

4614万円

 土曜および三季休業期に4カ所の小学校で総合型放課後事業「放課後キッズクラブ」を先行導入するとともに、平日を含む本格導入に向けた検討を進めます。

子どもの見守り体制強化

1587万円

 それぞれの子どもの状況に応じた支援を、総合的・継続的・重層的に届けるため、「子ども見守りシステム」を構築します。

ひとり親家庭の支援

243万円

 ひとり親家庭などを取り巻く環境が、経済的・社会的に厳しい状況にあることを踏まえ、新たに「ひとり親相談支援センター」を設置し、養育費確保に向けた支援を行うなど相談機能を強化します。

幼稚園給食のモデル実施

 枚方版子ども園における小規模保育施設から幼稚園への切れ目のない移行を促すため、公立幼稚園2園において幼稚園給食をモデル的に実施します。

重点2

教育環境の充実

ICTを活用した学校教育の推進

7億9537万円(コロナ感染症対策経費含む)

 全児童・生徒に配備したタブレット端末の活用などを「枚方版ICT教育モデル」に基づき実施するとともに、幅広い情報発信を行います。また、全小中学校との情報共有・連携を進め、授業改善や家庭学習の充実を効果的に進めます。

英語教育の推進

 児童・生徒が英語を体験的に学ぶ機会を拡充するため、市独自の専科教員、英語教育指導助手の配置を継続するとともに、関西外大と連携し、英語によるコミュニケーション能力を育成します。

水泳授業への民間施設活用

150万円

 小学校で民間施設を活用した水泳授業をモデル実施し、専門スタッフの活用による効果も検証しながら、児童の泳力向上とプールの維持管理や改修・改築費用の縮減を図ります。

子どものサインを見逃さない体制づくり

 いじめや問題行動等の未然防止、早期発見・早期解決に向け、試行中のICTを活用した取り組みの検証を踏まえた体制づくりを進めます。

学校施設の整備推進

9億3487万円

 学校トイレの洋式化を令和5年度までの整備完了に向けて取り組みます。また、教室の空調設備を更新・維持管理する実施手法と学校体育館への空調設備の導入について可能性調査を行います。

重点3

魅力ある都市基盤の整備

枚方市駅周辺の再整備

25億8371万円

 枚方市駅北口駅前広場などを含む③街区の市街地再開発事業について、既存施設の解体や建築工事を支援するとともに、行政サービス再編に向けた内装設計を実施します。

※枚方市駅周辺地区第一種市街地再開発事業として、同再開発組合が現在検討中の建物のボリューム感を表したイメージであり、デザイン・色等の詳細は今後の設計により決定します。

③街区まちづくり

店舗やオフィス、住居、ホテル等を備えた複合施設が計画中!

都市計画道路の整備

14億7933万円

 市内の渋滞緩和や物流の円滑化、国土強靭化に資する道路交通ネットワークの整備を計画的に進めます。

京阪本線連続立体交差事業の推進

36億1243万円

 令和4年度の鉄道高架化工事着手を目途に取り組むとともに、光善寺駅周辺の連続立体交差事業関連まちづくり事業については、引き続き権利変換手続きなどを支援します。

淀川渡河橋の整備

9053万円

 淀川を渡河する都市計画道路牧野高槻線等の早期完成と周辺道路の安全対策について、府と連携して取り組みます。

地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムモデルへの支援

86万円

 健康増進や生活利便性の向上につながる移動支援策として、ボランティアでの移送などのモデル事業を地域との協働で取り組みます。

重点4

産業・文化の活性化

総合文化芸術センターのオープン

15億2813万円

 オープニングイヤー企画として大阪フィルハーモニー交響楽団の杮落とし公演をはじめ、一年を通して魅力的で多彩なラインナップの事業に取り組みます。また、同センターを中心に関係機関と連携した賑わいの創出に取り組むことで本市への来街者を増やし、枚方市駅周辺地域をはじめ本市全体の活性化につなげます。

建設中の総合文化芸術センター

創業支援の強化

 地域活性化支援センターで民間人材を活用するとともに、起業家の発掘・育成など、創業に至るステージで関係団体や事業者と連携して支援します。

「農」を生かした産業の活性化

 摂南大学農学部や農業従事者、企業等と連携しながら、農業者の所得向上を目指し農業特産物の創出や農産物を生かした商品開発、販路拡大に努めます。

重点5

安全・安心のまちづくり

自動音声配信電話システムの導入

151万円

 浸水想定区域内や土砂災害警戒区域に居住し、緊急情報を得にくい世帯に情報伝達するため自動音声配信電話システムを導入します。

自治会館建設等助成制度の充実

2700万円

 地域活動の拠点である自治会館について、新築・建替えの助成額増額や長寿命化を目的とした建物全般の改修に対応します。

地区防災計画の策定に向けた取り組み

 地区防災計画の全校区での早期策定に向けて取り組み、地域が作成した地区防災計画を本市の防災体制に反映させる手続きを進めます。

子どもの交通安全への取り組み

 通学路に加え、未就学児の移動経路を含めた安全確保を図ることを目的に「(仮称)枚方市子どもの安全プログラム」を策定するとともに、信号交差点におけるガードパイプや車止めの設置に引き続き取り組みます。

浸水対策の推進

6億2678万円

 楠葉地区の浸水被害を軽減するため、雨水貯留施設の整備を進めるとともに、点在する浸水地区を面的にとらえた浸水対策に取り組みます。

重点6

健康・福祉のまちづくり

ひらかたポイント制度の活用

1000万円

 スマホアプリの運用を開始し、母子健康手帳交付時のポイント付与で妊産婦への妊娠・出産から育児に至る寄り添い型支援の早期開始を確実にするとともに、がん検診の受診支援や基礎疾患の予防強化にもポイント制度を活用し、健康増進を促進します。

成年後見に関する取り組み

4957万円

 地域連携ネットワークの構築やその中核となる支援センターを設置するほか、収入や資産等の状況から、申立て費用と後見人等への報酬の負担が困難と認められる人に対して助成を行い、支援の充実を図ります。

障害児・者に対する取り組みの強化

1797万円

 ICTの活用による端末を用いた遠隔手話通訳や、高度難聴児を対象とする人工内耳音声信号装置等の買い替え費用の助成、障害児通所支援事業所における医療的ケア児等の受け入れ体制拡充などに対する支援を行います。

初期救急医療体制の再構築

6404万円

 枚方休日急病診療所、北河内夜間救急センター、枚方休日歯科急病診療所を集約し、初期救急医療の拠点として再構築します。

重点7

多様な生活・社会の課題解決に取り組むまちづくり

SDGsの推進

 健康・福祉、教育、ジェンダー平等、環境、平和などの目標の達成に向けて、市民や事業者をはじめとした主体がさまざまな社会課題を「ジブンゴト」として捉え、行動できるように、多くの関係者との協働により社会課題の解決に向けて取り組みます。

人権課題への対応

 多様化する人権課題に対する施策をより効果的に推進するため、「(仮称)人権施策基本計画」を令和4年度に策定できるよう取り組みます。

重点8

行財政改革

スマート自治体への取り組み

 申請・届出等のオンライン化を進めるなど、電子申請サービスを拡充するとともに、希望する人に必要な情報を迅速に届ける配信機能を搭載するなどLINE公式アカウントの利便性向上を図ります。

内部統制制度の導入

 事務処理におけるミスを未然に防止・発見する仕組みとして内部統制制度の運用を開始し、より信頼される市政運営の確保に努めます。

令和3年度一般会計当初予算案

市議会3月定例月議会に提出した令和3年度の当初予算案をお知らせします。市議会の議決を経て取り組みを進めます。

 問合せ先、財政課 電話841・1311、ファクス841・3039

一般会計1414億円 前年度比94億円(6.2%)減

歳出

民生費 50%

子育て支援や生活保護など

707億4454万円

土木費 11%

道路・公園の維持管理など

157億6088万円

教育費 9%

学校施設の管理運営やスポーツ振興など

126億8267万円

総務費 9%

市全般の管理事務など

125億5806万円

衛生費 9%

保健所の管理運営やごみ処理など

119億9207万円

公債費 8%

過去に借入した市債の返済など

115億1556万円

消防費 3%

消防や防災活動など

47億9249万円

その他 1%

13億5373万円

 歳出では、待機児童用保育室の整備など子育て環境の充実やICTを活用した授業の推進など教育環境の充実に取り組むほか、魅力ある都市基盤の整備に向け、本市の玄関口である枚方市駅周辺地区市街地再開発事業や行政サービスの再編に向けた設計などを進めます。このほか、新型コロナウイルス感染症対策に取り組みます。

歳入

市税 38%

市民税、固定資産税、

市たばこ税など

民生費 50%

国・府支出金 32%

特定の事業のために国や府から交付

449億7048万円

市債 9%

公共施設整備事業などのために市が借入

129億1590万円

地方交付税 8%

各自治体で標準的なサービスが確保できるよう国が交付

108億円

地方消費税交付金 5%

地方消費税を財源に人口などに応じて府から交付

72億6207万円

その他 8%

その他 1% 123億1855万円

 歳入では、新型コロナウイルス感染症の影響による法人市民税の減収などにより市税は前年度比23億円減の531億円を計上しています。市債では総合文化芸術センター整備事業の減などにより、62億円減の129億円を計上しています。

全会計の予算総額は2696億7417万円

 市には福祉や教育、道路整備などさまざまな事業を行うための一般会計のほか、7つの特別会計と3つの企業会計があります。特別会計と企業会計は、国民健康保険料や水道料金など市税以外の収入を使って事業を行うため、事業ごとの収支や資金管理などが行いやすいよう、一般会計とは区別して設けています。

各会計別当初予算総額(単位:百万円、金額は十万円の位を四捨五入)

会計区分:令和3年度当初予算

一般会計

141,400

特別会計

国民健康保険:43,310
土地取得:ーー
自動車駐車場:99
財産区:89
介護保険:35,003
後期高齢者医療:6,861
母子父子寡婦福祉資金貸付金:29

企業会計

水道事業:12,133
病院事業:11,884
下水道事業:18,866
全合計:269,674

会計区分:前年度比(▲はマイナス)

一般会計

▲9,400

特別会計

国民健康保険:938
土地取得:ーー
自動車駐車場:2
財産区:▲278
介護保険:▲819
後期高齢者医療:148
母子父子寡婦福祉資金貸付金:▲1

企業会計

水道事業:130
病院事業:330
下水道事業:▲2,530
全合計:▲11,480

※土地取得特別会計は予算計上がないため「ー」としています。

※企業会計の予算は、収入と支出が一致しないため支出額を記載。