広報ひらかた

3月は自殺対策強化月間です

「どうしたん?」で助かる命がある

漫画はひらかたいのちのホットラインなどの取材を元に制作したものです。実在の人物・団体・事件などには関係ありません。

 自ら命を絶つ「自殺(自死)」は15歳~39歳の若い世代の死因第1位です。枚方市内では全年齢で毎年約30人~50人が自ら命を絶たれています。特に、昨年からのコロナ禍によるストレスなどで、自殺者数が急増しており、自殺対策は社会全体における喫緊の課題となっています。自殺を防ぐには、相談が効果的です。一人で悩まず、誰かに話してみませんか?また、悩んでいる人を見かけたら声を掛け、話を聴いてみてください。今月の特集では、あなたにできる自殺対策を漫画で分かりやすく紹介します。

 問合せ先、保健医療課 電話807-7623、ファクス845-0685

御殿山 美咲

マイカタ高校3年
友人関係で悩んでいたとき相談をして心が軽くなった経験を持つ

津田 涼

マイカタ高校3年
友人関係で悩んでいたとき相談をして心が軽くなった経験を持つ

御殿山 美咲:どうしたん? 津田くん最近元気ないやん

津田 涼:別に…

御殿山 美咲:バスケの調子はどうなん?

津田 涼:どうもこうも、、、コロナで高校最後の大会もなくなってなんもやる気せんわ

御殿山 美咲:大会目標にしてたもんな つらいなぁ

津田 涼:そうや…

御殿山 美咲:悩みは誰かに相談したら気持ちが楽になることもあるで
知り合いに話にくかったら電話とかSNSとかで名前を言わずに相談できるとこもあるねん。実は私も前に...

津田 涼:そんなん相談しても解決せんやろ

御殿山 美咲:津田君・・・・

携帯着信音

美咲からのメール

津田 涼:ただいま・・・・

涼の母:涼!いま何時やと思ってんの?!

涼の父:学校終わったらすぐ帰ってこいって言っただろう。
受験が控えてるって言うのにスマホばっかいじって!
今バスケできひん分勉強せなあかん

津田 涼:俺は、、、

涼の母:父さんが涼のために大学も調べてー
それやのにアンタはー

津田 涼:だって

涼の母:言い訳ばっかり

津田 涼:うるさい!俺は父さん母さんの人形ちゃうねん!

涼の父:涼!

津田 涼:なんやねん!
誰も俺の気持ちなんで分かってくれへん... いっそ死んだら楽になるんか?

美咲からの「いのちのホットライン」のメールを確認する

光善寺 春子:はい「いのちのホットライン」です。
どうしましたか?

光善寺 春子

いのちの電話相談員

津田 涼:俺 今から死ぬわ!

光善寺 春子:死にたいと思うほどつらいんですね。
あなたのお話をお聞かせてください。

光善寺 春子:死にたいと思うほどつらいんですね。
あなたのお話をお聞かせてください。

津田 涼:父さんも母さんも受験勉強しろばっかり言うて俺の気持ち全然考えてくれへん!

光善寺 春子:進学のことでご両親ともめてるんですね。

津田 涼:それだけちゃう!コロナのせいでバスケも思うようにできへん!
目標も努力も意味なくなった!

光善寺 春子:そうだったんですね
バスケをやってるんですね。
目標を失うことはつらいですよね。

津田 涼:こんな状況で将来のことなんで考えられへんし学校に行くのも全部全部・・・しんどいんです。

津田 涼:家にいても文句言われてばっかりで居場所がないし・・・・・

光善寺 春子:どこにいてもしんどい・・・・苦しいですよね

涼は胸の内にしまっていたしんどさを話し続けた

光善寺 春子:素直な気持ちを話してくれてありがとう。
不安を一人で抱えこまず誰かに相談してみてください。
あなたは一人ではないんですよ。よね。

数ヶ月後

津田 涼:どうしたん?

令和2年 コロナ禍で小中高生の自殺最多に

 令和2年の全国の自殺者速報値は前年から750人増(3・7%増)の2万919人で、リーマン・ショック直後の平成21年以来11年ぶりに増加しました。コロナ禍による経済的困窮や外出自粛が長期化し始めた7月以降に急増し、男性は前年より1%減少しましたが、女性は11 ・5%増加しました。職業・属性が分かる1月~11月の結果では、小中高生の自殺者は440人で、12月分を除いても、これまで最も多かった昭和61年の401人を超え、過去最多となっています。

原因はさまざま

 自殺は、うつ病などの健康問題や経済問題、いじめや職場問題など、さまざまな要因が複雑に関係しています。平均で4つの要因が背景にあるとされており、その多くが追い込まれた末の死です。

4人に1人が「死にたい」を経験

 日本財団の2016年の調査では、「本気で自殺したいと考えたこと(自殺念慮)がある」という質問に対して4人に1人が「ある」と答えました。つまり、自殺は特別な問題ではなく、多くの人に起こりうる問題なのです。

衝動のピークは5分~10分

 「死にたい」と思っても、自殺する人としない人がいるのは自殺衝動の有無が原因と言われています。この衝動は5分~10分がピークと言われ、誰かに相談することで抑えることができます。

自殺念慮

「死にたい」「生きるのがつらい」と思う気持ち。多くの人が抱えている。

自殺衝動

「今すぐ死にたい!」という強烈な衝動。突如強まるが、相談することで収まることが多い。

=自殺行動

自殺する人は相談しない

 日本財団の「自殺意識調査2016」によると、「本気で死にたいと思っても相談しなかった人」は、73・9%にもおよびます。自殺する人の多くが、誰にも相談せずに死を選んでいるのです。そのため、自殺を防ぐには周囲の人がいつもと違う変化に気づき、声を掛けることがポイントです。

誰かの声掛けが命を救う命の門番「ゲートキーパー」

 自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応をとることができる人を「ゲートキーパー」と言います。特別な資格はありません。周囲の人が悩んでいることに気づいたら、ほんの少しの勇気を出して声を掛けてください。

気付き

家族や同僚、友人の変化に気付く…げっそりしている・元気がない・様子がいつもと違う・表情が暗い

声掛け

「どうしたん?」「なんか力になれることない?」など声を掛ける。顔色や表情などから体調を気遣い、話を聞くきっかけにする

傾 聴

本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける

トーンは低く、速さやペースは相手に合わせる

姿 勢

少し身を乗り出して、軽く目を合わせ、うなずきながら
①はい、いいえで答えられる質問ではなく、「何かあったんですか?」など、自由に話せる問いを心がける
②相手の気持ちや考えを認め、肯定する

言 葉


③相手の立場だったらどういう気持ちになるか想像し、その気持ちを言葉で表現する
④相手の話の大事な言葉を繰り返す
⑤話をまとめ、要約して返す
⑥「大したことではない」「命を粗末にするな」など、批判や常識の押しつけをしない

つなぐ

早めに専門機関などに相談するよう促す(次ページ参照)

見守る

温かく寄り添いながら、じっくりと見守る

あなたの気持ち聴かせてください

ひらかたいのちのホットライン

月・水・金曜 午後1時~8時

電話072-861-1234

名前を名乗る必要はありません。

秘密は守られます。

 「もう死にたい」とつらい気持ちを相談されたら、まずは丁寧にお話をお聴きします。そして「つらかったですね」と気持ちを受け止めます。人によっては1時間以上お話される方もおられますね。はじめは興奮していても、話すうちに次第に落ち着き、ご自身で解決の方向性を見つけられることも。「お話できてホッとしました」と言っていただけることがやりがいに繋がっています。少しでも気にかけてくれる人の存在は、悩んでいる当事者にとって本当にありがたいものです。もし周りにしんどそうな人がいたら、挨拶や天気のこと、何でもいいので声を掛けてあげてください。その一言がその人にとって救いになることもあるのです。

ひらかたいのちのホットライン代表 菅原 渚さん(仮名)電話相談員として20年以上にわたり悩みや不安を傾聴。

私たちに聴かせてください。

どこにかければいいか迷ったときはこころの健康相談統一ダイヤル

電話0570-064-556、ファクス06-6691-2814

24時間受付

(3月1日午前9時30分~31日午後5時の期間)
※一部のIP電話等からは接続できません。
※上記期間以外は月~金曜(祝日・年末年始を除く)午前9時30分~午後5時

コロナ禍の不安やストレスでつらいときは

新型コロナこころのフリーダイヤル

電話0120-017-556

午前9時30分~午後5時

大阪府こころのほっとライン

LINE(文字チャット)で相談できます。水・土・日曜午後5時30分~10時

アプリから友だち登録

生きづらさを感じたら

関西いのちの電話

電話06-6309-1121 24時間(365日)

午前9時30分~午後5時

大阪自殺防止センター

電話06-6260-4343

金曜午後1時~日曜午後10時

妊娠中や産後に不安になったら

大阪府妊産婦こころの相談センター

電話0725-57-5225

平日午前10時~午後4時

最近元気が出ないし食欲もない。落ち込んでしんどいな…と感じたら

こころの電話相談

電話06-6607-8814

月・火・木・金曜(祝日・年末年始を除く)

午前9時30分~午後5時

若者専用電話相談(わかぼちダイヤル)

電話06-6607-8814

水曜(祝日・年末年始を除く)午前9時30分~午後5時

対象は40歳未満の人

こころの電話相談(市保健医療課)

電話807-7623

平日午前9時~午後5時30分

自死遺族「ふきのとうの会」

 大切な人を失った悲しみ語り合いませんか? 「なぜ?」「どうして?」「私が悪かったから?」自死遺族はさまざまな思いに苦しみます。なかなか人には話せない辛い気持ちを分かち合う場「ふきのとうの会」があります。代表の竹井京子さんは「1人で悩んでいると孤立してしまいます。つながり合いましょう」と話します。自死で家族を亡くした人であれば誰でも参加可。同会の詳細は竹井さん(電話︎090・6674・5120)。

◆日程:毎月第4土曜日(3月は27日)

◆時間:午後2時~4時

◆場所:ラポールひらかた

◆参加費:300円

問合せ先、社会福祉協議会 電話︎807-3017、ファクス845-1897

くらしとこころの健康相談

こころの病や暮らしの悩みを専門家がお聴きします。

 経済・生活問題(弁護士)、年金・労働(社会保険労務士)、心の健康(精神科医)。相談は1回限り30分以内。▶日時など 3月14日㈰⑴午後1時30分⑵2時15分⑶3時⑷3時45分(受付は午後1時~4時)、市保健所。無料。対象は今年度中に保健所の「こころの健康相談」で、来所面談と自宅などで訪問支援を受けていない人。▶申込 3月1日午前9時から電話またはファクス(住所・氏名・連絡先、希望する職種を明記)で保健医療課へ。先着各4人。

問合せ先、保健医療課 電話︎807-7623、ファクス845-0685