広報ひらかた

さらば、たばこ習慣

 休憩時間にちょっと一服。至福のひととき―。たばこは体に良くないと知っていても、やめられない人は多いのではないでしょうか。たばこには「依存性」と「習慣性」があり、禁煙外来で治療する方が1人で禁煙するよりも楽に、そして確実に禁煙することができます。市は禁煙したい人を応援するため、9月から治療費2万円を補助する制度を開始します。今年10月から1箱当たり50円値上がりすることも発表された今、大切な家族・友人、そしてほかならぬ自分自身のため、たばこ習慣に別れを告げませんか?
 お問合せは、地域健康福祉室(健康増進・介護予防担当)電話841-1458、ファクス840-4496

吸っている人、減っています

平成16年
【男性】43.3% 【女性】12.0%

平成20年
【男性】36.8% 【女性】9.1%

平成24年
【男性】34.1% 【女性】9.0%

平成28年
【男性】30.2% 【女性】8.2%

平成30年
【男性】29.0% 【女性】8.1%

 全国でたばこを吸う人は年々減少し、男性の喫煙率も30%を下回っています。市が平成30年度に実施した市民アンケートでは、男性19.7%、女性7.4%といずれも全国平均の喫煙率を下回りました。

禁煙外来担当医インタビュー

有澤総合病院
寺﨑 由香先生
これまで延べ1000人に禁煙指導を行う。同病院内科主任部長。

禁煙とは健康な自分を取り戻すこと

 喫煙するとせきや息苦しさ、胸焼け、胃痛などが慢性的に起こります。そのため、喫煙者は不調が当たり前になってしまっているのです。禁煙するとニコチン依存症から解放され、心も体も健康な明るい自分を取り戻すことができるのです。

喫煙で新型コロナも重症化しやすく

 喫煙により肺の組織が破壊される病気COPDの人は新型コロナウイルス感染症が重症化しやすくなるとされています。たばこの煙は、肺を傷つけウイルスが侵入しやすくなるとも言われ、若くても喫煙や肥満で呼吸機能が悪くなっている人は要注意です。

禁煙成功の秘けつは「諦めない心」

 喫煙がやめられないのはニコチン依存症という病気だから。まずは「健康な自分を取り戻す」と決意し、納得して禁煙に臨んでください。失敗しても諦めずに挑戦し続けることが大切です。

禁煙外来で12週間頑張ってみませんか?

 禁煙外来では、症状に合わせ補助薬や依存症を緩和するようサポートします(次ページ参照)。健康保険で認められているのは初診を含め計5回の12週間。一人では難しい禁煙も、通院した約80%の人が禁煙に成功しています。

【令和2年4月から】原則 屋内禁煙

 たばこの先端から出る副流煙を吸い込む受動喫煙は、吸う人以上に吸わない人の健康に悪影響を与えます。そんな望まない受動喫煙を防ぐため成立した改正健康増進法。今年4月に全面施行され、公共施設や医療・教育機関などの敷地内に加え、飲食店など不特定多数の人が利用する施設が原則「屋内禁煙」の対象になりました。

【禁煙】保険適用の治療費自己負担額

最大2万円補助

 市は9月から、保険診療の禁煙治療費自己負担額を最大2万円補助します。
▶︎対象 令和2年4月以降に禁煙治療を開始し、禁煙に成功した人。1人1回。
▶︎申込 必要書類を地域健康福祉室(健康増進・介護予防担当)に提出してください
 お問合せは、地域健康福祉室(健康増進・介護予防担当)電話841-1458、ファクス840-4496


禁煙外来の基本スケジュール

康保険の適用には喫煙本数や年数などの要件があります。5回診療(約3カ月)の場合、自己負担額は約2万円(3割負担の場合)です。

禁煙開始宣言

提出書類
・治療開始宣言書
・治療前アンケート
・健康保険証の写し
※すでに治療を開始した人は速やかに提出を。

【約1ヶ月以内】禁煙治療開始
  ▼
【1回目(初回診療)】
初めに喫煙本数やニコチン依存症をチェックします。
  ▼

【治療の概要】
1. 呼気の一酸化炭素濃度を測定
  たばこに含まれる有害物質の一つ、一酸化炭素の濃度から禁煙が継続しているかを調べます。

2. 禁煙補助薬の処方
  症状に合わせて禁煙補助薬が処方。薬の副作用についても問診があります。

3. 体調の変化や症状の問診

  ▼

【5回目(12週間後)】補助金の申請

提出書類
・補助金交付申請書兼口座振替依頼書
・治療後アンケート
・治療費を証明できる書類の原本(領収書や診療明細など)
・健康保険証の写し

80%が禁煙に成功!諦めず挑戦を!

ニコチン依存症は治療できる病気の一つです。自力での禁煙は難しいですが、5回通院すれば70%~80%の人が成功しています。一度の挫折で諦めず、挑戦し続けましょう!

禁煙すると体は?

(厚生労働省ホームページより)

【禁煙0分】周囲に受動喫煙させる心配がなくなる。
【禁煙20分】収縮していた血管が元に戻り、手足の血行が良くなります。
【禁煙8時間】血中の一酸化炭素濃度が下がる。
【禁煙1日】心臓発作の可能性が少なくなる。
【禁煙数日後】覚や嗅覚が改善する。
【禁煙2週間】せきが改善しスタミナが戻り始める。
【禁煙3カ月】気道が浄化され始め感染を起こしにくくなる。


たばこの噂?その1
ストレス解消になる
   ▼
かえってイライラします
たばこによる満足感は有害物質「ニコチン」の作用によるもの。ただし30分しか持続しないため、脳がニコチンを求めて逆にイライラ感が募ります。喫煙はストレス解消ではなく、ニコチンを摂取しないといけない体質(ニコチン依存症)になってしまっているのです。

たばこの噂?その2
喫煙しても健康だ
   ▼
将来、重大な病気になるリスクが増加
今は大丈夫でも脳卒中や心疾患、がんや慢性閉そく性肺疾患(COPD)など、命に関わる重大な病気にかかるリスクが増え、生活習慣病や歯周疾患も悪化しやすくなります。喫煙が原因で全国で1日当たり約350人が亡くなっています。

たばこの噂?その3
加熱式だから安全だ
   ▼
ニコチン量はそんなに変わりません
火を使わない加熱式たばこでもニコチン摂取量は従来の紙巻たばこと比べ同等かやや少ない程度。ニコチンが含まれない電子タバコからも発がん性のあるホルムアルデヒドなど多くの有害物質が検出されています。

たばこの噂?その4
分煙してるから大丈夫
   ▼
体についた臭いも有害です
「人前では吸っていない」と思っていても、喫煙後の衣類や室内などに残った「たばこ臭」には一酸化炭素やヒ素などの有害物質が含まれています。三次喫煙(サードハンドスモーク)と呼ばれ空気清浄機や換気扇で有害物質は除去できず、受動喫煙は防げないことが分かっています。

たばこの噂?その5
禁煙すると太る
   ▼
健康な体に戻った証拠です
禁煙すると食べ物がおいしく感じられるなど、体重は2kg程度増加するのが一般的です。あくまで一時的なもので、健康な体に戻ったと言えます。

保険適用されなければ、自力で禁煙するしかない?
   ▼
禁煙サポート機関で相談できます
禁煙治療が保険適用にならない(補助対象ではない)人も自費での治療が受けられる医療機関や個別指導が受けられる歯科医院があります。薬局・薬店でも一般医薬品のニコチンガムなどの禁煙補助薬が購入できます。禁煙サポート機関があなたを応援します。