広報ひらかた

10月は里親月間 特集

知ってほしい里親制度のこと

「家庭」を必要としている 子どもたちがいます

乳児院や児童養護施設で暮らす子どもは全国で約4万人以上。市内にも、さまざまな事情により家庭で暮らせない子どもが約80人います。将来の自立に向けても、養育の観点からも、家庭的な環境での生活が求められていますが、子どもたちと家庭のぬくもりやさまざまな経験を共にする「里親」は今もなお、数が足りていません。10月は里親月間。あなたに知ってほしい里親制度のことを紹介します。

問合せ先、まるっとこどもセンター電話840-7221、ファクス846-7952

里親のこと、知っていますか?

何らかの事情で子どもを育てられない親の代わりに、一定期間家庭で子どもを預かり、温かい愛情と正しい理解で養育する制度です。

里親と子どもに法的な親子関係はなく、養子縁組とは異なります。

さまざまな里親のタイプ

・はぐくみホーム/乳幼児はぐくみホーム(養育里親)

事情があって家庭で育てられない子ども(0歳~18歳、乳幼児はぐくみホームは0歳~就学前)を、家庭に戻るまでや自立するまでの一定期間、里親の家庭で育てる制度です。期間は数週間~1年以上とさまざまです。

※府では養育里親制度を「はぐくみホーム」と呼びます。

・養子縁組里親

保護者が育てられない子どもを、将来的に特別養子縁組をすることを前提として育てる制度です。

・週末里親、季節里親

施設で生活する子どもを週末や夏休みなどに家庭で受け入れ、育む制度です。

その他にも、親族里親、専門里親などがあります。

里親制度の現状

家庭的な支援を必要とする子どもの数に対し、里親家庭の数は足りていません。

市内のはぐくみホーム登録家庭

11家族

さまざまな事情で家族と暮らせない市内にいる子ども

約80人

施設で暮らす子どもは全国では約4万2000人います。(出典:令和8年3月こども家庭庁支援局家庭福祉課「社会的養育の推進に向けて」)

里親にならなくても、知ってほしいこと

里子は、里親家庭だけでなく社会全体が温かい心で接することで、安心して成長することができます。里親家庭が地域や学校で暮らしやすいよう、里親制度を知ることは、里親自身はもちろん、里子の将来の自立を支えることにつながります。

今回の特集では、「はぐくみホーム」の里親や、里子として暮らした人にご協力いただき、お話を伺いました。実際の声を通じて、里親の制度についてぜひ知っていただきたいことをお伝えします。

「はぐくみホーム」インタビュー 1

養育里親 Aさん夫妻

実子4人(中学1年生~20歳)の子育て中。約10年前に里親登録し、乳幼児を中心に受け入れ。現在も実子に加え、2人の里子(4歳・小学1年生)と一緒に生活している。

Q.里親登録をしたきっかけは?

親戚に里親をしている人がいたこともあり、いつかやってみようと夫婦で話し合っていました。

Q.里親を続ける理由は?

10年間切れ目なく受け入れていて実感するのは、家庭的な環境を求める子どもが、まるで行列をなすかのようにたくさん待っているということです。そうした子どもたちに一人でも多く「家庭」を経験してほしいと思っています。

不安もありましたが「自分たちにできること」を

里親を始める前は「実子の育児をしながら他人の子を預かれるのだろうか」「自分の子どもと同じように接することはできるだろうか」と不安もありました。とはいえできることからしてみようと、子どもの一時預かりをしたのですが、依頼される数がとても多く驚いたんです。「自分たちにできることがあるのなら、若くて体力があるうちに、わが子と一緒に育ち合える環境で受け入れてみよう」という気持ちになり、里親登録することを決めました。

実子が幼いとき、里子との共同生活で心がけていたこと

今では実子は大きくなりましたが、幼いときは、実子も里子も慣れない環境で不安そうなときもありました。少し心が乱れているなと感じたら、それぞれ個別の時間をつくることで「自分は大事にされている」と安心してもらえるように心がけていました。普段の生活では特別に違いを意識することはなく、実子と里子がけんかをすることもありましたが、それぞれの気持ちを受け止めながら、相手への寄り添いを考えるきっかけになるよう意識していました。子育てに悩みはつきものですが、里子の養育について相談したいときは里親支援センター(5ページ参照)がいつでも話を聞いてくれたので、夫婦以外に頼れる人がいたことはありがたかったですね。

里子がきっかけで深まる家族の交流

今受け入れている里子は、2人とも1歳に満たないときから見ています。最近のスマートフォンのカメラロールは里子の写真が多く、成長が感じられて本当にかわいいですね。実の子も里子をとてもかわいがっていて、大学生の子は帰宅すると里子の様子を見に必ずリビングに来ますし、中学生の子はお世話を積極的にしてくれています。里子がいることで家族の交流が深まり、実子にとっても、さまざまな年齢差の子と関わることができて、良い経験になっていると感じています。

里親を支える周囲の理解

里親として預かる期間は1週間~数年間とさまざまです。ある日、保育所に新たに迎えた子を連れていくこともあるので、交流のある保護者には里親をしていることを伝えています。事情が分かると里親に関心を持ってくれる人もいます。かかりつけ医も事情を知ってくれているので、診療も手続きもとても安心できます。里親家庭にとって、周囲の理解があると「この子たちを育てているのは自分たちだけではないんだ」ととても励みになります。里親家庭に関わる機会があれば、温かく見守ってもらえたらうれしいですね。

「はぐくみホーム」インタビュー 2

養育里親 Bさん

実子3人の子育て経験あり。末っ子が中学3年生のときに同学年の子を受け入れ、以降高校生を中心に里親を継続中。

里子は決して特別な子ではないですが自立への手助けは心がけています

里子は皆、事情があって実親と離れて暮らしている子ですが、決して特別な子ではないんです。ですから、向き合い方や生活は実子のときと変えていません。一方で実子と違うのは、「家庭」を知らない分、未経験の物事が多いことと、親子である期間が決まっているので成人した後は自分を頼ってくれるかどうか分からないこと。なので「社会に出る最後の準備」として、一つの家庭の在り方を知ってくれたらと思っています。一緒に生活して気付いたことがあれば、いずれ自立する時のために手を差し伸べようと心がけています。

今でも自分を頼ってくれる里子たちがたくさんいることがうれしい

Cさんを預かっていたときは、学校に呼び出されたこともありました。でも、子どもは時に、大人に迷惑をかけながらも学び成長していくもの。大人が受け止めてあげて、本人が「しまった」と自覚できる環境が大切だと思っています。Cさんとは今も連絡を取り合っていて、立派に自立した姿を見せてくれる度、成長を感じてうれしく思っています。自立後の里親との関係は人それぞれですが、Cさんをはじめ、うちを出た子たちは今でもよく連絡をくれるんです。みんな本当にかわいく、わが子がたくさんいるようでうれしいですね。

元里子 Cさん

中学生まで施設で過ごし、高校3年間をBさんの家庭で生活。

現在は成人し自立している。

はじめてのことをたくさん経験できた3年間

施設での集団生活しか知らなかったので、「家」での経験は新しいことばかりでした。例えば施設では厨房に入らないので、Bさんの家で生まれて初めて家庭用の"冷蔵庫"を見たんです。庫内は知らないものばかりでした。それ以降も、Bさんは、料理や買い物、ごみの出し方などの身の回りのことを教えてくれたり、周囲の大人との関わりを作ってくれたりして、自立するために必要なことを一つ一つ丁寧に経験させてくれました。実のお子さんの結婚式にも出席させてもらったことは、とても思い出に残っています。

自立した今でも、困ったときにはBさんに相談しています。自分で作る料理は今でもBさん仕込みのものばかりです。頼ったときに向き合ってくれるBさんは、私の心の支えです。

里親支援センターおひさま(5ページ参照)でCさんを担当していた職員の声

里親家庭の調整をするために会ったとき、下を向いて顔を見せてくれなかった当時高校生になったばかりのCさん。今、笑顔で目を合わせて話をしてくれる姿をみると、里親のもとで過ごした時間の大切さを改めて実感しています。

里親になるには?

特別な資格は不要で、子育て経験の有無などの条件も問いません。面接や研修などを経て、里親になることができます。

1 相談

電話などで「里親支援センターおひさま」へ問い合わせを。

2 面接・家庭訪問

生活状況や自宅の養育環境を確認します。

3 研修・実習

養育のための理解を深める研修・実習があります。

4 登録

府の審査を経ると、里親家庭として登録されます。

5 スタート

マッチング次第、里親としての生活がスタートします。

里親制度が大切な理由

里親支援センターおひさま センター長 石井さん

子どもと里親のマッチングやサポートをする里親支援センター おひさまの石井センター長にお話を伺いました。

自分だけを見てくれる大人の存在が大切

自分だけを見てくれる大人と過ごすことは、家庭でしかできないことです。子どもは成長の過程で、特定の大人との愛着関係をつくり、安心感の中で自己肯定感を育むことにより、他人や社会を信頼することができるようになります。

将来「家庭」を持つときのために

施設での生活は集団生活のため、食事や掃除などの日常生活は家庭と異なります。子どものうちに家庭での暮らしを経験することで、将来自立して暮らすための力を身に付け、家庭を築くためのイメージを育むことができます。

よくある質問

Q.里子になる子はどのように決まりますか?

A.個室の有無など住まいの環境や、実子がいる場合は実子の年齢や性別も考慮します。里子の年齢や性別について里親の考えも伺い、その上で府と検討し決まります。

Q.共働きでも大丈夫ですか?

A.保育所や幼稚園を利用できます(市独自の制度で保育所の利用選考で、基礎指数を2倍とする取り扱いあり)。急用時は一時預かりのサポートもあります。

Q.経済的な面が心配です…

A.子どもの生活のため、里親手当(約9万円/月)や生活費(約5万2千円~6万円/月)が支給されます。学校などの教育費用や医療費は原則公費負担です。

Q.本当に自分にできるのか、長期間受け入れできるのか心配です

A.養育する上で不安なことは、里親支援センターがサポートします。里親同士のつながりで悩みを相談しあうこともできます。養育期間はさまざまですが、たとえ短い時間でも子どもたちにとっては大切な時間になります。あなたの家庭環境や気持ちに合う方法で子どもたちに家庭のぬくもりを届けてみませんか。

気になることがあればいつでも相談を

社会福祉法人 大阪水上隣保館

里親支援センターおひさま

電話・ファクス380-3455

里親制度の相談から登録、その後の養育までサポートします。話を聞くだけでも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。

里親をもっと知りたくなったら

1.10月は里親月間広がれ!子どもの笑顔
笑って、泣いて、ちょっと考える『漁港の肉子ちゃん』上映会と里親トークイベント

お笑いタレント・明石家さんまが企画・プロデュースした大ヒットアニメ映画。肉子ちゃんとキクコの姿から、家族の形と子どもの居場所について考えてみませんか?里親の生の声が聞けるトークタイムも。

▶日時など 10月25日㈰午前10時~午後0時20分、総合文化芸術センター本館 ひらしんイベントホール。無料。手話通訳(9日までに要予約)・保育(生後6カ月以上の未就学児、先着5人。16日までに要予約)あり。

▶申込 10月1日からフォーム(下記コード)・電話(電話841-1129)でまるっとこどもセンターへ。先着150人。空席があれば当日入場可。

おとなもこどもも楽しめる!絵本作家 長谷川義史さん 絵本ライブ

▶日時など 10月25日㈰午後2時~3時25分、総合文化芸術センター本館 ひらしんイベントホール。無料。手話通訳あり。

▶申込 10月1日午前9時~3日午後6時にフォーム(右記コード)・電話(電話380-3455)で里親支援センターおひさまへ。抽選で100人。

2.里親個別相談会

▶日時など ⑴10月24日㈯午前9時30分~午後0時30分、中央図書館⑵25日㈰午前10時~正午、総合文化芸術センター本館 創作活動室。予約優先。電話(電話380-3455)で里親支援センターおひさまへ。

3.里親制度パネル展示

▶期間など 10月3日㈯~29日㈭午前9時30分~午後7時(土曜・日曜、祝日は午後5時まで。金曜休館)、中央図書館美杉会グループエントランスホール。