特集 孤立を防ぎ立ち直りを支える 保護司の活動
全国の刑法犯検挙者数は20年前と比較するとほぼ半減していますが、検挙者数のおよそ2人に1人が再犯者となっています。そのため、犯罪や非行を繰り返さないよう立ち直りを支える取り組みが求められています。
中でも保護司は、市民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会づくりに最前線で携わっています。保護司の更生保護活動を知り、犯罪のない社会には何が大切なのかを考えてみませんか。
問合せ先、健康福祉政策課 電話841-1369、ファクス841-2470
保護司とは?
犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員です。社会復帰に励んでいる保護観察対象者や家族と定期的に面接し相談に応じたり、犯罪予防活動をしたりする更生保護に取り組んでいます。給与は支給されず、ボランティアとして活動しています。
市内の保護司 79人(男女計)
令和8年3月末時点
枚方・交野地区の充足率は約79%(計95人/定数121)
主な活動内容
(保護観察)
更生保護の中心となる活動です。犯罪や非行をした人と定期的に面接します。約束ごとを守るよう指導したり、生活上の助言や就労の援助をしたりして立ち直りを支援します。
(生活環境の調整)
少年院や刑務所に収容されている人がスムーズに社会復帰を果たせるよう、釈放後に生活する場所の調査、身元引受人との話し合い、仕事の確保など、必要な受け入れ態勢を整えます。
(犯罪予防活動)
更生保護について地域社会の理解を求めるとともに、犯罪や非行を未然に防ぐため、毎年7月の「社会を明るくする運動」での啓発や、小中学校で薬物乱用防止教室などを実施しています。
考えてみませんか?
再犯者の割合は約2人に1人※
令和6年 刑法犯再犯者率 46.2%(全国)
※令和7年版「再犯防止推進白書(法務省)」より
なぜ犯罪や非行をした人の支援が必要なのか? 被害者支援が大切なのでは?
犯罪被害を受けた人への支援が重要であることは言うまでもありません。罪を犯した人の過去を消すことはできませんし、被害者に償いきれない場合もあることは事実です。
一方で、更生保護の対象者は決められた処分を受け、社会復帰に励んでいます。ところが、刑法犯の再犯者率は約5割という現状があります。再犯に至った理由として、相談できる人がおらず社会から孤立してしまったことが原因の場合も少なくありません。
更生保護の取り組みは、罪を犯した人のためだけではなく、再犯を防ぎ、新たな被害者を生まないために、地域社会において大切な取り組みです。
interview 保護司に聞きました
枚方・交野地区
保護司会会長 清水 和明さん
保護司歴:20年
Q.保護司になったきっかけは?
A.地域活動によく参加していた中で、先輩保護司に誘われたことがきっかけです。当初は保護司のことをあまり分かっていませんでしたが、先輩から更生保護についての話をよく聞かせていただくうちに、やってみようという気になり引き受けました。
Q.保護観察対象者と接する上で大切にしていることは?
A.目の前の人と誠実に向き合うことです。もちろん償いのための厳しさは必要で、自分で取れる責任は取るべきです。一方で実際に対象者と接していると、真面目な人が多いように感じます。犯罪や非行に至った理由は一人一人異なることは常に意識していますね。それぞれの背景をひも解くと、周囲に言われるがまま犯罪に加担していたり、深く傷つけられていたりすることもありますので、その人自身をよく見て優しく受け入れるようにしています。
Q.これまでの活動で印象に残っていることは?
A.担当していた青年が、自分で見つけてきた就職先で順調に働いていると話していましたが、実際には給料をもらえていなかったということがありました。すぐに別の職場を紹介し、今でもその職場で頑張って働いています。接するうちに良い表情になっていくのを見ると、力になれて良かったとうれしくなりますね。もし、あのまま給料をもらえなかったらと考えると・・・。対象者が1人で立ち直る難しさを実感しました。
Q.更生保護について知ってもらいたいことは?
A.犯罪をなくし、誰もが安心な地域社会をつくるためには、更生の機会が大切ということを理解し見守っていただければと思います。「社会を明るくする運動」をはじめ、保護司を含めた更生保護の活動を知ってもらえるイベントにも「来てよかった」と思ってもらえるように取り組んでいますので、気軽に参加して関心を持っていただけるとうれしいですね。保護司は簡単な役割ではありませんが、保護司同士がつながりをつくり、困ったときは助け合える関係づくりをしています。気になることがあれば、サポートセンター(左記参照)にご連絡ください。
保護司に関心がある人へ
枚方・交野地区更生保護サポートセンター(ひらかた)へお問い合わせを。
住所:枚方市岡東町12-1-201号(ひらかたサンプラザ1号館2階)
電話など:電話846-6705、ファクス846-6709
休館日:月曜・金曜、年末年始など
開館時間:午前10時~午後4時
保護司になるまでの流れ
保護司候補者検討協議会から適任者の報告
↓
保護司会として意見を添えて国へ推薦
↓
保護司選考会の審議を経て委嘱
7月は「社会を明るくする運動」強調月間・「再犯防止啓発月間」
「社会を明るくする運動」式典・講演会
「社会を明るくする運動」とは、全ての人が、犯罪・非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、犯罪や非行のない明るい地域社会を築こうとする全国的な運動です。
今年度の標語は「『やり直せる』 その強い思いが 人を変える」。落語家で天台宗僧侶の 露の五九洛(つゆのごくらく)さんが「一隅を照らす 自分の持ち場で一生懸命」をテーマに講演。関西外国語大学吹奏楽部・チアリーダー部のアトラクションも。
日時など:7月1日㈬午前10時、総合文化芸術センター 関西医大 大ホール。無料。1397124194先着500人。当日直接会場へ。
問合せ先、枚方・交野地区保護司会事務局(社会福祉協議会内)電話807-3017、ファクス845-1897
