広報ひらかた

市民登場 No.774

3月1日は枚方市平和の日

音楽を通じて平和を伝える
文化コーディネーター

彦前 清吾さん

◆ひこまえ せいご
 和歌山県出身。音楽文化事業を通じた平和啓発活動などを行う(一社)国際芸術文化アカデミーの代表理事を務め、総合文化芸術センターで平和コンサートや平和講演会などを主催。音楽をシニア世代に伝える生涯青春カレッジの主宰者としても活動中。藤阪北町在住。80歳。


人に委ねず一人一人が自分の心に
『平和のとりで』を築くことが大切です

 戦後80年を迎えた昨年、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の事務局長・濱住治郎さんを招いた平和講演会を市総合文化芸術センターで開催した。核兵器のない未来を訴え、平和のシンボルにと祈念した桜も市に寄付し同センターに植樹した。

 大学卒業後に就職した一般財団法人で音楽文化事業に携わり「コンサートの来場者が笑顔で帰っていく姿に、音楽は人の心に安らぎを与える力があると気付きました」。エリア責任者時代、知人を通じて出会った留学生から、日本に友達がおらず楽しい思い出がないと聞いたことで音楽を通じた交流事業「留学生音楽祭」を企画。これまでの30年間で112もの国・地域の人たちをつないできた。「イベント後に友達ができたと笑顔で報告してくれてね。音楽は言語を超えて人をつないでくれる。音楽こそ平和の源泉というのが私の信念です」

 かつてエジプトを訪れた際、街の至るところにあるテロ対策の金属探知機を目の当たりにし、常に危険と隣り合わせであることに衝撃を受けた。近年、ロシアのウクライナ侵攻にも心を痛めていた中「母親を残している母国に帰れない」と話すウクライナ出身のピアニストと出会った。「戦争は人ごとではない。何とか力に」と自身が企画するコンサートに出演を打診。過去6回開催分の収益・募金を寄付したウクライナ大使館からは人道支援に役立てるという手紙も受け取った。「戦争は人の心から生まれる。人に委ねず一人一人が自分の心に『平和のとりで』を築くことが大切です」

 一昨年に悪性リンパ腫の宣告を受けるも治療の甲斐あり克服。10月11日には「地球はひとつ」をテーマに建築家の安藤忠雄さんを招き2回目の平和講演会も企画中だ。「府内で最初に非核平和都市宣言をし、平和の鐘や平和資料室など平和について考える場所もたくさんある枚方で、一市民として命が続く限り平和の大切さを伝えていきます」