広報ひらかた

市民登場 No.771

養鶏農家・「ふじよだ養鶏」運営

余田 慎太郎さん

◆よだ しんたろう
 新たな枚方の名産品を生み出そうと、尊延寺地区で養鶏場「ふじよだ養鶏」を営む。今秋、第一弾となる青い卵をインターネット限定で販売予定。SNSで活動を発信中。西禁野1丁目在住。43歳。


自分の作った青い卵が
枚方の名産品になるよう走り続けます

市東部・尊延寺地区の養鶏場に毎朝5時には足を運び、鶏の世話や鶏舎の増築、害獣対策などの環境整備に汗を流す。水も電気も通っていない状態から約3年を費やし、現在は四つ目の鶏舎を建設中だ。ケージではなく地面に鶏を放つ平飼いと呼ばれる飼育法にこだわり、計2000羽が各鶏舎内を駆け回る。「鶏らしく生きられる環境でストレスなく育つと良い卵を産むんですよ。そんなおいしい卵を枚方の名産品にしたいんです」
 「枚方の名産品ってなに?」。取り組みのきっかけになった言葉だ。生まれも育ちも枚方で、まちの良さを広めるため淀川でのいかだレースなどイベントを次々企画するほどの地元愛にあふれた行動派で「名産品が思いつかなかったので、自分でつくろうと思って動き出しました」
 鶏卵を選んだのは身近でありながら差別化ができるからだ。日常食である鶏卵は、国内で流通している鶏種に偏りがある。「珍しい鶏種を枚方で育てることで付加価値がつくのではないか」と考えた。養鶏の経験はなかったが、土地探しに奔走しながら新規就農支援を受け、全国から卵を取り寄せた。数えきれないほど食べ比べ、たどり着いたのがアローカナという鶏種だ。ストレスに弱く産卵率は低いが、高い栄養価を持ち淡い青緑色の殻の卵を産むことが特徴で「味の良さに見た目のインパクトなど、これだと思いました」。土地も整備用の重機も地元農家の協力で借りることができ「たくさん助けてもらえたことで一つずつ実現できましたね」
 屋号の「ふじよだ養鶏」は、自身の名と養鶏場の共同経営者で飲食店店主の藤吉さんの名からとったものだ。「卵には彼の『おいしくて健康的なものを生産したい』という食へのこだわりも詰まっています」。現在は卵の販売開始に向け最終調整中だ。「枚方といえば青い卵があるよね、と言われるような名産品になるよう走り続けます!」