広報ひらかた

市立ひらかた病院 開院10周年

これからも心のかよう医療を

 9月で新病院開院10周年を迎えた同病院。北河内地域で唯一の公立の総合病院として地域医療でどのような役割を担ってきたのか、また、力を入れているポイントなどを同病院の林道廣病院長に聞きました。

 問合わせ先、市立ひらかた病院総務課 電話847-2821代、ファクス847-2825


市立ひらかた病院のこれまで

昭和25年4月  市特別会計国民健康保険直営市民病院として
        職員数21人で開院
 同34年5月  総合病院の指定
 同35年1月  市立枚方市民病院に改称
平成26年9月  市立ひらかた病院として開院
 同28年4月  がんの診療機能が高い病院として
        大阪府がん診療拠点病院の指定
令和3年3月   地域医療支援病院の承認を受ける
 同4年6月   北河内地域の小児医療の中心として
        大阪府小児地域医療センターの指定
 同6年9月   新病院開院10周年
   11月   ひら10フェスを開催

◀旧市立枚方市民病院

▶市民などとのつながりを大切にする目的で開催されたひら10フェス。林病院長が健康の大切さをおもしろく話す寄席(写真上)のほか、Ⅹ線を使った中身当てゲーム(写真下)など、子どもから大人まで楽しめる内容に。


インタビュー
市立ひらかた病院
病院長 林 道廣

心のかよう安全安心な
医療で信頼される病院へ

 当院は平成26年に開院し、枚方をはじめとする7市・約112万人の健康を支える北河内地域唯一の公立の総合病院です。24の診療科で多くの外来を受け付けているほか、急性期医療を担う2次救急指定医療機関として「断らない医療」を合言葉に、地域医療の中心的な役割を果たすため、年間約5000件の救急搬送を受け入れてきました。当院が大切にしてきたことは「心のかよう医療を行い、信頼される病院」であることです。安全かつ安心と満足の得られる質の高い医療の提供を目指し、常に皆さんに寄り添いながら病気や健康の悩みを親身にサポートしていくことが、当院の考える「心のかよう医療」です。

小児医療と高齢者医療
二本の柱で果たす役割

 大阪府小児地域医療センターに指定されている当院では、常勤の小児科医師9人と大学病院などからの非常勤医師が、24時間365日、小児の救急搬送に対応しています。指定には小児科医師・小児専門医の在籍人数や病院機能に関する要件を満たす必要があり、北河内地域における小児医療の中心的な病院として認められた証です。子育て世帯には「そうした病院が自分のまちにあるから安心できる」と思ってもらえるとうれしいですね。また、病状が落ち着いた患者には地域の病院やクリニックを紹介し、より高度で先進的な急性期医療を必要とする患者には、大阪医科薬科大学病院や関西医科大学附属病院との連携も行っています。
 もう一つの柱である高齢者医療に関しては年齢とともに発症リスクが高くなる糖尿病治療に力を入れています。糖尿病はさまざまな合併症を発症する場合もあり、近年は患者ごとにその病態や治療法が多様化する中、これまで以上に専門的で高度な診療が求められます。当院では従来から多くの糖尿病患者を受け入れてきた経験を生かし、患者一人一人に応じた糖尿病療養指導などを含む先進的医療を提供するため今年1月に糖尿病センターを開設しました。同センターでは、糖尿病・内分泌内科を中心に、職種や診療科の垣根を越えた総合的なチーム医療を実践し、「糖尿病チーム」として北河内地域に「より良い糖尿病治療」を提供すべく取り組んでいます。

▲大阪府小児地域医療センターの指定は府内で20病院。

高い専門性や技術で患者に寄り添う医療を

 近年、高齢者では誤えん性肺炎と大腿骨骨折の割合が特に高く、食べる・歩くといった生きる上で大切な機能に重点を置き、消化器センターや下肢機能再建センターなど、複数の診療科が連携し、より専門的で高度な医療を提供するセンターの開設に力を入れています。また、大阪府がん診療拠点病院としてがん診療にも注力しています。特に、正確で迅速な診断、体への負担が少なく根治性の高い手術を積極的に採用し、適切な化学療法と放射線療法、そして患者に寄り添った細やかな緩和医療を進めていきます。

安心して暮らせる理由となる病院を目指す

 開院から10年を迎え、これからも当院は公立の総合病院として、救急医療、小児・周産期医療だけでなく、市民の皆さんとのつながりを大切に、市民公開講座や健康セミナーなどを通じて医療や健康に関する情報を積極的に発信していきます。医療情報や健康情報の発信地として当院を活用していただきたいですね。また、皆さんが不安に思うことや病院への要望などを少しずつでも病院づくりに反映させながら、「市立ひらかた病院があるから安心して枚方で暮らせる」と思っていただけることを最大の目標として、これからも全職員が一丸となって皆さんの健康を守っていきます。


令和6年1月開設 糖尿病センターって?

センター長インタビュー

総合病院の強みを生かした
チーム医療とトータルケア

 当センターの特徴は、管理栄養士が生活習慣の改善に向けた栄養指導をしたり、検査技師が血糖測定器の使用指導をしたり、そのほか薬剤師や看護師などを含めたチーム医療です。また、さまざまな合併症のリスクに対し、網膜症なら眼科、妊娠糖尿病なら産婦人科と連携するなど、24の豊富な診療科を持つ総合病院としての強みを生かした対応もポイントの一つです。

▲同センター長の柴崎医師をはじめとした医師の皆さん

公立病院の使命
「断らない医療」を実践

 血糖値が高くなりすぎて口渇・多飲・多尿・体重減少などが見られる重症の人や物忘れが激しく自分で薬の服用や注射ができない高齢者、がんの治療中に薬の副作用で糖尿病を合併した人たちなどが北河内全域から紹介状を持って当院を受診します。いずれも治療が難しい人たちですが、当院では地域の健康を守り抜くという公立病院の使命を果たすため必ず受け入れています。

▶多職種が参加するカンファレンス(入院患者の状態を共有する会議)。


先進医療機器で患者への負担を軽減

令和4年5月導入

 皮膚にあけた小さな穴に器具を挿入して手術を行う腹腔鏡手術の支援ロボット「ダヴィンチⅩi」では、術者が患部の3D映像を見ながらロボットアームを操作。難しい角度の視野確保や人の手以上の可動域で、胃や大腸、前立腺、子宮などの腫瘍摘出をより細やかで確実に行います。これにより、増加している高齢患者への手術や、確実な治療と手術後の生活の質を両立させたがん手術などが可能となりました。


自然災害や感染症にも備えています

枚方市災害医療センター

 地震など大規模災害時には医療救護班の編成や、医療救護の拠点となる市災害医療センターとして患者の受け入れ、地域の医療機関との患者受け入れ調整などの役割を担います。

北河内地域唯一の第2種感染症指定医療機関

 コロナ禍では「新型コロナウイルス感染症重点医療機関」に指定。これまで約2300人の新型コロナ陽性患者の入院治療を行い最大46人の陽性者が同時に入院、外来では約1万4000人(令和6年3月31日時点)の発熱患者を受け入れました。今後も新興感染症から市民を守る砦としての役割を果たします。


病院の基本情報

住所

禁野本町2―14―1

診療受付時間

平日午前8時15分~11時30分
※整形外科のみ11時まで。

診療時間

平日午前9時~午後5時

診療科

◆内科
◆循環器内科
◆消化器内科
◆呼吸器内科
◆小児科
◆消化器外科
◆乳腺・内分泌外科
◆形成外科
◆整形外科
◆脳神経外科
◆心臓血管外科
◆呼吸器外科
◆皮膚科
◆泌尿器科
◆産婦人科
◆眼科
◆耳鼻咽喉・頭頸部外科
◆リハビリテーション科
◆放射線科
◆歯科口腔外科
◆麻酔科
◆救急科
◆病理診断科
◆精神科

その他

 受診時は原則として紹介状をお持ちください。紹介状がない場合、初診時選定療養費が必要です。詳細は同病院ホームページ参照

市立ひらかた病院ホームページ