枚方沸騰化?
防ごう熱中症
地球沸騰化と言われる今、4月の全国平均気温は平年より2.76℃高く、気象庁は1898年に統計を取り始めてから最も暑い4月になったと発表しました。昨年7月27日に最高気温39.8度で日本一を記録した市内でも、4月中に記録した夏日の日数は昨年比2倍の8回。熱中症による救急搬送の多発が予想される夏に向け、注意が必要なポイントなどを枚方寝屋川消防組合に聞きました。
問合わせ先、保健医療課電話807-7623、ファクス845-0685、環境政策課 電話050-7102-6006、ファクス849-1206、枚方寝屋川消防組合救急課 電話852-9918、ファクス852-9925
5月の車塚公園の様子
誰にでもどこでも起こり得る
昨年の5月〜9月に市内で熱中症により救急搬送された人は215人で、令和4年と比べて約3割増えました。年代を問わず誰でもどこでも起きる可能性がありますが、正しく対処すれば防ぐことができます。予防に役立つ情報や実際の救急搬送事例をもとに対策のポイントを紹介します。
「地球沸騰化」って?
令和5年7月の世界平均気温が観測史上最高記録を大幅に更新したことを受けて、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警鐘を鳴らしました。
夏の体調不良はまず熱中症を疑いましょう!
枚方寝屋川消防組合
救急課長 平川 宗敏さん
ポイント1
情報収集はこまめに
暑さ指数をチェックして必要な対策を
熱中症の危険度を判断する数値「暑さ指数」が高くなるほど熱中症による救急搬送も増える傾向にあります。環境省の熱中症予防情報サイト(左記コード)で毎日チェックし、指数が高い日は水分を多めに取ったり、こまめに休憩したりするなどの対策を。
▲熱中症予防情報サイト
▼枚方観測地点の暑さ指数の確認画面(パソコン版)
暑さ指数(WBGT)とは
体と外気との熱のやり取り(熱収支)に与える影響が大きい「気温」「湿度」「日射・放射」「風」の要素をもとに算出されたもので、熱中症予防を目的に提案された指標。
アラートが出たら涼しい室内へ避難を
年々暑さが厳しさを増していることを受け、熱中症の危険性を発信してより積極的な予防を促す「熱中症警戒アラート」に加え、今年度から「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まりました。特別警戒アラートは過去に例のない危険な暑さなどで広域的に熱中症の危険が高まった場合に都道府県単位で発表されます。前日夜や当日朝に環境省の熱中症予防情報サイト(上記コード)でチェックしましょう。
アラートが発表されたら………………
室内などエアコンが効いた涼しい場所で過ごしましょう。特に特別警戒アラートが発表される日は運動や外出などの中止や延期を検討しましょう。
熱中症警戒アラート
基準となる暑さ指数:33以上
発表時間 前日:午後5時ごろ
当日:午前5時ごろ
熱中症特別警戒アラート
基準となる暑さ指数:35以上
発表時間 前日:午後2時ごろ
当日:ー
高齢者は特に気をつけて!
令和5年5月~9月の救急搬送者数の内、高齢者は55%を占めました。高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため自分で暑さや喉の渇きに気づきにくい上、体調の変化を感じても我慢してしまうことがあります。周りの人が体調をこまめに気にかけ、予防を促してあげましょう。 また、乳幼児も体温調節機能が十分に発達していないことから大人よりも熱中症にかかりやすいと言われているほか、体調によっては誰でもかかりやすくなることに注意しましょう。
年齢区分別救急搬送状況(令和5年5月1日〜9月30日)
6歳以下:1%
7歳〜17歳:10%
18歳〜64歳:34%
65歳以上:55%
ポイント2
4割は屋内で発生
熱中症は屋外で起きると思われがちですが、昨年の救急搬送の約4割は屋内で発生しています。屋内だからと油断せず、水分補給や休憩、日頃からの体調管理など万全の対策を心掛けましょう。以下のような症状が出たら⑴涼しい場所へ避難⑵首や脇の下、足のつけ根などを中心に冷やす⑶水分や塩分を取って様子を見て、改善しない場合は医療機関の受診を。呼び掛けに反応しない場合や汗は止まっているのに顔が赤いときは迷わず119番通報で救急車を要請してください。また、周囲にいつもと様子が違う人がいれば声掛けを。
こんな症状に注意!
めまい・立ちくらみ・生あくび・吐き気・筋肉痛・筋肉の硬直・失神・大量の発汗などの症状が複数続く場合や、頭痛・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温の症状がある場合は医療機関の受診を。
枚方の暑い夏を乗り切るために
熱中症の予防には、日頃の睡眠や食生活、暑さに体を慣らす暑熱順化が大切です。その上で、情報収集を欠かさず、必要に応じて水分補給や休憩などを増やすなど対策を取りましょう。紹介した熱中症警戒・特別警戒アラートや暑さ指数はニュースや天気予報などで確認できるほか、メールで通知を受け取ることができるサービスもあるので活用してください。
枚方寝屋川消防組合では、これらのアラートが発表された際に救急車での注意喚起を実施しているほか、同組合本部に日勤救急隊を設置し、日中の救急要請に迅速に対応できるよう備えています。みんなで暑い枚方の夏を乗り越えましょう。
救急事例
身近に潜む危険
ケース1
エアコンが苦手な80代男性がエアコンをつけずに寝ていたところ、起床した時から全身の脱力感と発熱で動けなくなった。
<対策>風向を工夫してエアコンの活用を
夏の夜はあまり気温が下がらない日も多いため、エアコンや扇風機の風が苦手でも直接体に当たらないようにするなど工夫をして活用しましょう。寝る前の水分補給も有効です。
ケース2
50代男性が睡眠不足の中、食事や水分を十分に取らないまま屋外で作業をしていたところ、急に目の前がチカチカしだし立っていられなくなった。
<対策>睡眠や食事などは十分に、水分補給や休憩はこまめに
まだまだ元気と感じる年齢でも体調管理が不十分だと熱中症の危険が高まります。屋外での作業時には必ず帽子をかぶり、こまめな水分補給と日陰での早めの休憩を心掛けましょう。また、自分自身の体調には常に注意してください。
メール配信サービスで最新情報が受け取れます
枚方観測地点の熱中症警戒・特別警戒アラートや暑さ指数に関する情報は、メールアドレスを登録すれば通知を受け取ることができます。
枚方観測地点の暑さ指数
熱中症警戒・特別警戒アラート
暑い時はここに避難!
避暑空間として利用できる市施設
7月1日〜9月30日
市施設のロビーなどを避暑空間として利用できます。 ▶場所 生涯学習市民センター、市立図書館、枚方公園青少年センター、ラポールひらかたなど。
避暑空間の一覧はこちら
▲ラポールひらかたのロビー