広報ひらかた

令和6年度
市政運営方針さらに「選ばれるまち」へと進化

 令和6年3月定例月議会の初日となる2月26日に伏見市長が市政運営方針を表明しました。ここでは2つの最重点施策と第5次枚方市総合計画における5つの基本目標を具体化する取り組みや施策を推進するための基盤となる取り組みに沿った主な事業の概要を紹介します。

 問合わせ先、企画課 電話841-1254、ファクス841-3039


 はじめに、1月1日に発生した令和6年能登半島地震により亡くなった方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。近い将来、高確率で発生するとされている南海トラフ巨大地震など、あらゆる災害に対応できるよう、本市としても防災力のさらなる向上を図り、災害に強いまちづくりを推進してまいります。

 国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計人口によりますと、本市は2050年には2020年と比較して人口が約9万人、22・5%減少するとされています。推計通りに進むと、税収が減り、これに伴う住民サービスの縮小が市民満足度の低下を招き、人口減少をさらに加速させてしまう悪循環が生まれかねません。こうした負の連鎖を防ぐためにも、より危機感を持って少子化・人口減少に立ち向かうべく、令和6年度の市政をスタートさせる覚悟です。昨年9月に所信で述べた「新たな取り組みに挑戦し、若い世代、子育て世代からさらに選ばれるまちへと進化させる」という決意のもと、最重点施策である子育て・教育施策の充実と枚方市駅周辺再整備を強力に推し進め、まちの活気や経済の活性化につなげることで、将来にわたって市民が幸せを実感できる持続可能な発展の実現をめざしてまいります。

 特に子育て施策においては、安心して楽しく子育てできる環境整備を進めるとともに、本市の課題に即したこれまでにない施策を展開することで「選ばれるまち」として子育て世帯の定住と転入超過の定着による好循環を生み出したいと考えています。この2つの最重点施策の推進を基軸に、開催まで1年余りに迫った大阪・関西万博を、本市の魅力を国内外に広く発信する絶好の機会と捉え、ひらかた万博の取り組みをさらに加速させることで、地域経済の活性化、賑わいの創出を図ってまいります。

 今は、予測困難な時代と呼ばれ、新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミック、相次ぐ紛争など国際情勢を背景とした物価高騰、地球温暖化の影響とされる自然災害の激甚化や頻発化、そしてDXの推進や生成AIの技術革新など、あらゆる物事が想像をはるかに超えるスピードで変化しています。これまでの常識が通用しないとされる今こそ「市民が主役」という本市まちづくりの根源に立ち返り、所信で述べた「あらゆる施策は人へとつながる」ことを常に念頭に置きながら、多様性を尊重し、他者の立場に立って考える、誰一人取り残すことのない市政運営に取り組んでまいります。

枚方市長 伏見隆


最重点施策1

子育て世帯をターゲットにした
施策のさらなる充実

 子育て世帯が安心して出産し、楽しく子育てができる環境を充実させるとともに、子どもたちの未来への可能性を最大限に伸ばす教育の充実に取り組みます。


子育て世帯をまるごと支援・・・・・・・・・・・958万円

 4月に全ての妊産婦、子ども、子育て世帯へワンストップで切れ目のない支援を提供する「まるっとこどもセンター」を開設するとともに、市内4カ所に相談拠点(地域子育て相談機関)を設置して気軽に相談できる体制を整えます。また、子どものための常設の居場所として10月に児童育成支援拠点の開設に向けて取り組みます。  ※まるっとこどもセンターは市駅東側の複合施設「ステーションヒル枚方」内への移転(9月予定)までは、保健センター、北部支所、駅前サンプラザ3号館でそれぞれ業務を行います。


子どもたちが気軽に
相談できる環境の整備・・・・・・・・・・・・・・・3383万円

 SNS相談アプリ「ぽーち」の利用対象を市内の18歳まで拡大するとともに、SNS相談員を増員し、全ての子どもが日常の中で気軽に相談できる環境を整えます。

◀「ぽーち」の画面イメージ


小学校給食の無償化など・・・・・・・・・・5億8352万円

 令和6年度の2学期より小学校給食の無償化などにより、保護者の経済的負担を軽減します。


子どもの一時預かり施設を
14カ所から16カ所に拡充・・・・・・・・1億5510万円

不登校支援協力員の増員と教室以外の
居場所づくりの強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・4808万円

4月から不妊症検査費用の一部を助成・・・1513万円

(関連11ページ)


障害のある子どもたちの支援教育を
充実させるため特別支援教育支援員を増員・・・2億7274万円

令和6年度中に小中学校体育館の
空調設備を整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・9億2762万円

最重点施策2

枚方市駅周辺再整備
事業の一層の推進

図書館サービスの利便性向上・・・・1億7438万円

 「ステーションヒル枚方」内に設置する図書館にはICタグシステムを先行導入することで、貸し出し手続きにかかる時間の短縮や魅力ある蔵書の構築・レファレンスサービスなど、図書館サービスの一層の充実を図ります。また、24時間利用可能な予約図書受け取りロッカーを枚方市駅構内に設置します。


枚方市駅周辺の再整備と
行政サービスの充実・・・・・・・・・・・17億1398万円

 令和6年度中に駅直結の複合施設「ステーションヒル枚方」などが順次オープンし、同複合施設内に図書館や生涯学習交流センターなどの機能を備えた市駅前行政サービスフロアを9月中に開設します。  また、令和7年度中の北口駅前広場の完成などに向けて取り組むとともに、連鎖型のまちづくりを引き続き推進するため、市駅南側エリアにおけるみどりの大空間や新たな道路などの具体化に向けた検討を進めます。

枚方市駅周辺再整備の詳細は8~9ページをご覧ください


第5次枚方市総合計画の
5つの基本目標を具体化する取り組み

1.安全で、利便性の高いまち

安全・快適な交通環境を整備します
◆京阪本線連続立体交差事業・関連まちづくり事業の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25億45万円
◆長尾杉線・牧野長尾線などの都市計画道路の整備
・・・・・・・・・・・・・・・・・・10億3497万円

日々の暮らしを守ります 
◆急増する特殊詐欺への対策
・・・・・・・・・・・・・・・・・・1051万円

 不審電話への警告・録音機能が充実した機器の無料貸与や、電話の受話器に取り付ける簡易型録音機の無料配布など、警察と連携して犯罪の発生抑止に取り組みます。


◆地震や大雨による浸水の被害軽減に向けた
 雨水ポンプ場の耐震化と更新
・・・・・・・・・・・・・・・・・・11億5682万円

◆安全・安心な水道水供給のための中宮浄水場の更新
・・・・・・・・・・・・・・・・・・19億円

◆住宅・建築物の倒壊による被害軽減に向けた耐震化の促進
・・・・・・・・・・・・・・・・・・6322万円

2.健やかに、生きがいを持って暮らせるまち

あらゆる人がいきいきと暮らせるまちづくりを推進します
◆介護予防の新たな拠点「街かど健康ステーション」を
 市内9カ所に設置
・・・・・・・・・・・・・・・・・2700万円

◆軽度難聴者の補聴器購入費用助成の対象年齢を
 22歳到達年度まで拡大
・・・・・・・・・・・・・・・・・162万円

◆「LGBTQ +」オンライン相談を導入へ
・・・・・・・・・・・・・・・・・150万円

◆緊急時の市内短期入所事業所での障害者受け入れを促進
・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円

3.一人ひとりの成長を支え、豊かな心を育むまち

あらゆる世代が学び続けることができる環境を整えます
◆スポーツ施策の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・8856万円

 スポーツを通じた健康増進や、交流が深まる環境づくりを進めます。また、年齢や性別、障害の有無に関わらず参加できるイベントの実施など、健康・福祉・教育分野とも連携し、スポーツの振興を図ります。


◆文化芸術施策の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・3465万円

 国内外の著名なアーティストの招待や子どもを対象としたオーケストラの鑑賞事業など、身近に文化芸術に触れ、親しむ機会を創出します。


◆府内初の特別史跡「百済寺跡」での緑化ブロック舗装や
 説明板の追加設置など
・・・・・・・・・・・・・・・・・1億1287万円

4.地域資源を生かし、人々が集い活力がみなぎるまち

観光でもビジネスでも新たな価値を創造します
◆ひらかた万博の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・3513万円

 市民をはじめ多様な主体との共創により、観光資源・特産品、先端技術を一堂に集めたイベントの開催や、外国人向けの市内周遊観光ツアーの企画・実施に取り組みます。

▲留学生対象のモニターツアーの様子


◆創業支援・地域企業支援の充実
・・・・・・・・・・・・・・・・・6222万円

 地域活性化支援センターに新たに設置するコワーキングスペース(関連7ページ)の運営や子ども預かりサービスの試行、経営相談などの充実に取り組みます。


豊かな歴史や文化など
地域の魅力を積極的に発信します
◆観光施策の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・2496万円

 歴史・文化財、文化芸術活動、東部地域の自然、プロスポーツチーム、市内企業などの地域資源を活用した「くらわんかツーリズム」として観光施策を推進します。


◆新たな観光情報発信拠点の整備
・・・・・・・・・・・・・・・・・3094万円

 市駅高架下1階に新たな観光情報発信拠点として枚方市観光案内所「Syuku56」をオープン。市全体の観光情報発信と周辺施設への回遊性の向上に取り組みます。


5.自然と共生し、美しい環境を守り育てるまち

令和7年度の稼働を目指します
◆京田辺市との共同による可燃ごみ広域処理施設の整備
・・・・・・・・・・・・・・・・・6億501万円

 老朽化している穂谷川清掃工場第3プラントなどの後継施設として、京田辺市と共同で同市内に可燃ごみ広域処理施設を整備します(関連30ページ)。


市内全域へ脱炭素の取り組みを浸透させます
◆ひらかたゼロカーボンの推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・8052万円

 2050年二酸化炭素排出量の実質ゼロに向け、太陽光発電設備やEVなどの導入を支援する補助金を創設します。


▲可燃ごみ広域処理施設の完成イメージ図


施策を推進するための基盤となる取り組み

◆スマート自治体の実現
・・・・・・・・・・・・・・・・・7億8667万円

 キャッシュレス決済が利用できる窓口の拡充のほか、行政手続きのオンライン化など市役所業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改善などに取り組みます。


◆戦略的な情報発信・プロモーションの推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・400万円

全文はこちら

 市政運営方針の全文は市役所別館6階行政資料コーナーで閲覧できるほか、市ホームページでも掲載しています。

▲YouTube

▲市ホームページ


令和6年度一般会計当初予算案

 枚方市議会令和6年3月定例月議会に提出した令和6年度の当初予算案をお知らせします。

問財政課 電話841-1311、ファクス841-3039

一般会計1557億円 前年度比12億円(0.8%)増

歳入
市税 36%

(市民税、固定資産税、市たばこ税など)
557億6541万円


国・府支出金 32%

(特定の事業のために国や府から交付)
500億2924万円


市債 5%

(公共施設整備事業などのために市が借入)
85億3020万円


地方交付税 10%

(各自治体で標準的なサービスが確保できるよう国が交付)
155億円


地方消費税交付金 6%

(地方消費税を財源に人口などに応じて府から交付)
155億円


その他 11%

169億6006万円


 歳入では、市税は定額減税による市民税の減などにより、14億6300万円減少していますが、地方特例交付金は定額減税に係る国の補填などにより、16億9200万円増加しています。また、市債は枚方市駅周辺地区市街地再開発事業や、臨時財政対策債の減などにより、31億5400万円減少しています。


歳出
民生費 51%

(子育て支援や生活保護など)
792億6155万円


土木費 10%

(道路・公園の維持管理など)
148億427万円


衛生費 10%

(保健所の管理運営やごみ処理など)
147億8563万円


教育費 10%

(学校施設の管理運営やスポーツ振興など)
157億346万円


公債費 7%

過去に借入した市債の返済など
116億5474万円


総務費 8%

(市全般の管理事務など)
127億5973万円


消防費 3%

(消防や防災活動など)
48億969万円


その他 1%

19億2093万円


 歳出では、民生費は社会保障関連経費の増などにより40億3600万円増加、教育費は学校空調設備整備事業経費の増などにより19億700万円増加、土木費は枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費などの減により64億1300万円減少しています。


全会計の予算総額は2899億2173万円

 市には福祉や教育、道路整備などさまざまな事業を行うための一般会計のほか、6つの特別会計と3つの企業会計があります(左表)。特別会計と企業会計は、国民健康保険料や水道料金など市税以外の収入を使って事業を行うため、事業ごとの収支や資金管理などが行いやすいよう、一般会計とは区別して設けています。

各会計別当初予算総額

(単位:百万円、金額は十万円の位を四捨五入)

会計区分

一般会計
令和6年度当初予算:155,700
前年度比(▲はマイナス):1,200


特別会計:国民健康保険
令和6年度当初予算:40,000
前年度比(▲はマイナス):▲ 1,041


特別会計:自動車駐車場
令和6年度当初予算:98
前年度比(▲はマイナス):0


特別会計:財産区
令和6年度当初予算:109
前年度比(▲はマイナス):▲ 9


特別会計:介護保険
令和6年度当初予算:38,167
前年度比(▲はマイナス):1,461


特別会計:後期高齢者医療
令和6年度当初予算:8,539
前年度比(▲はマイナス):970


特別会計:母子父子寡婦
福祉資金貸付金

令和6年度当初予算:25
前年度比(▲はマイナス):▲ 3


企業会計:水道事業
令和6年度当初予算:13,713
前年度比(▲はマイナス):▲ 658


企業会計:病院事業
令和6年度当初予算:13,221
前年度比(▲はマイナス):312


企業会計:下水道事業
令和6年度当初予算:20,350
前年度比(▲はマイナス):1,424


全合計
令和6年度当初予算:289,922
前年度比(▲はマイナス):3,656


※企業会計の予算は、収入と支出が一致しないため支出額を記載。