広報ひらかた

市民登場 No.760

海を守るため起業した中学生

伊藤 凛さん

◆いとう りん
 11歳で海の保護活動を行うSEE THE SEAを開業。社会貢献に基づくコンテスト、ミス・プリティーン・インターナショナル初代日本グランプリ、世界大会日本人初入賞。牧野本町在住。13歳。

 週末になると海や山へ出かけ、遊んだ後は家族や友人20人ほどで清掃を行っている。「きれいな海だと思っても近づくとペットボトルなどのごみがたくさんある。みんなで集めると1分くらいでごみ袋が満杯になるんです」

 アウトドアが好きな両親の影響で幼少期から自然の中で遊び育った。環境問題に関心を持ったのは数年前に動画で見たウミガメの姿がきっかけだ。ストローが鼻に刺さり暴れる姿に「人間のせいで海の生き物がこんなにも苦しんでいるんだ」と衝撃を受け、自分にできることをしようと海岸の清掃を始めた。海洋プラスチック問題に関する本で2050年には海の中は魚よりもプラスチックが多くなる見込みだと知ると、より多くの人に協力してほしいとの思いから当時通っていた小学校で「みんなにプラスチック問題を伝えたいので10分だけ時間をください」と先生に頼み込んだ。発表を聞いた友人は今も清掃活動に協力してくれている。小学校5年生の時には社会貢献活動などを発表するコンテストで日本代表に選ばれ世界大会に出場。海外では同年代の参加者が本の出版などをしていることを知り、自分も事業をしたいと親と開業の方法を調べ翌年に「SEE THE SEA」を立ち上げた。妹と一緒にTシャツなどのチャリティーグッズをデザインし、イラストにはプラスチック問題啓発のメッセージを込めた。グッズはホームページなどで販売し、売り上げは海の保護活動を行う個人や団体に寄付している。

 国連で社会問題についてスピーチをした女優のエマ・ワトソンさんに憧れ、現在は保護活動のほかダンスや英語などにも励んでいる。「世界で活躍する女優になって、もっと多くの人に海のことを伝えられる発信力のある人になりたいです」