広報ひらかた

能登半島地震への支援状況と
これからの備え

 1月1日、最大震度7の大地震が石川県能登地方を襲いました。市は被災地を支援するため、物資輸送や人材派遣を行っています。
 今後30年以内の発生確率が70~80%とされている南海トラフ巨大地震では枚方市でも大きな被害が想定されています。いつ起きてもおかしくない地震災害への備えについて、改めて考えてみませんか。

 問合わせ先、危機管理対策推進課 電話841-1270、ファクス841-3092


枚方市の支援状況

(2月15日現在)

▲支援の最新情報はこちら

1月1日から
救助・救援

 枚方寝屋川消防組合では発災当日から救助隊・救急隊を派遣。被災地での救出・救急活動や後方支援に従事しました。

1月4日から随時
物資提供

 毛布、水、野菜ジュース、アルファ化米、ラップポン(自動圧着式簡易トイレ)、ブルーシートなどを七尾市や輪島市へ発送しました。

1月12日から
職員派遣

 避難所の感染対策などに従事する災害支援ナースのほか、避難所運営や健康支援業務に従事する職員を輪島市などへ派遣。配膳や避難者の補助、在宅避難者への健康状態の聞き取りなどを行いました。

1月30日~2月3日
給水支援

 断水が続く穴水町へ職員2人と給水車を派遣。自衛隊の給水タンクへ給水を行いました。


派遣職員が伝える被災地の現状

現地での活動は自己完結

 輪島市では水道が止まり、物資も不足した状態だったため、4日間の活動に必要な食料などは各自で用意しました。電気は通っており暖房が使えたので寒さに凍えることがなかったのは幸いでした。

▶出発前に荷物を背負った状態

避難所での集団感染

 派遣された避難所で避難者78人中25人がインフルエンザの集団感染が発生。 そこでは熱がある人は感染したと判断され、隔離されるだけで診察や薬の処方はない状況でした。一刻を争う現場で、急いで医療チームの派遣を依頼したり、健康な人と生活スペースを区画分けしたりして感染対策に努めました。

わずかな違和感でも
見過ごさないで

 避難生活中はいつも飲んでいる薬が手に入らなかったり、簡単に受診できなかったりします。お薬手帳の写真やメモを残して自分や家族の薬や病気のことを把握しておき、できれば余分に薬を常備しておきましょう。また、避難所での共同生活では感染症のリスクが高まります。避難生活のストレスから普段健康な人でも体調を崩しやすくなるので、頭やのどが痛いなど、少しでも違和感があれば巡回の看護師などに相談してください。一人ひとりが体調に気を付けることで感染症を防ぎましょう。

避難所で看護支援
活動に従事

市立ひらかた病院
看護師

渡部 美也子

 大阪府看護協会の要請で、災害支援ナースとして輪島市で1月12日から4日間活動。避難所で体調不良者の対応や感染症対策、内服薬を必要とする避難者などに対応。


避難者は見えない悩みを抱えている

 長期間同じ景色が広がる避難所で聞こえてきたのは「いつまで続くのか」という不安の声。避難所生活は一見安定しているように見えて、一部では「照明が明るすぎて眠れないが本音を言えない」といった悩みも。家の損壊具合や今後の身を寄せる先があるかなどによる避難者同士の壁もありました。避難者との会話の中で「愚痴を言える存在はありがたい」と言われたことが印象に残っています。

▲隣同士でも損壊状況が違う家屋

被災後に
前を向くための備え

 「倒壊した建物の中で助けを呼ぶ友人の声が次第に小さくなっていった」と話す避難者がいました。多少の違いはあっても今回の地震では誰もがつらい経験をしています。その上、住む場所や経済的な不安が重なると気持ちは下を向きがちに。そんな中で、日頃からつながりを大事にしていた家族や親戚、友人の家に身を寄せることが決まっていたり、地震保険など生活再建に向けて備えたりしていた人は被災後も前向きな気持ちの人が多かったです。これらに限らず、被災後のことを日頃から考えておく重要性を強く感じました。

▲河井小学校の体育館

避難所運営に従事

危機管理対策推進課
中原 良彰

 1月26日~2月2日に輪島市立河井小学校で避難所運営に従事。避難者約60人に配膳や清掃、避難者の補助などを行った。


市内の想定最大震度は6弱
南海トラフ巨大地震

 いつ起きるかわからない大地震。あなたは備えていますか?

市内の被害想定

津波による浸水・・・なし
全壊棟数・・・約1900棟
半壊棟数・・・約1万2800棟
死者数・・・約50人
負傷者数・・・約1200人
最大避難者数・・・約3万4100人


いつ、どんな場所にいても慌てない!
地震が起きたら冷静に行動を

防災ガイド26~27ページ

地震発生時
まずは自分の命を守る行動

自宅
・揺れで動かない机やテーブルの下に隠れる
・布団や枕で頭を守る
・ガラスや家具から離れる

学校・オフィス
・本棚やロッカー、窓ガラス から離れる
・机やテーブルの下に隠れる

電車の中
・つり革や手すりにつかまる
・放り出されないように低い姿勢をとる

買い物中
・陳列棚やガラスケースから離れる
・出口に殺到せず、係員の指示に従う


地震発生後
揺れが収まっても油断しない

1~2分
・まずは家族の安全確認
・火の元やブレーカーの確認
・スリッパや靴などでガラス片などから足を守りながら出口を確保

5~10分
・テレビやラジオで正しい情報を確認
・外出中の家族の安全確認
・自宅の周囲の様子を確認

それ以降
・隣近所や自治会で協力し合い安全確認
・家屋倒壊の危険があれば避難


いつ起きてもおかしくない だから、備える

やってますか?
家の中の安全対策

防災ガイド24ページ

 家具の転倒や落下物による被害を減らすため、家具を固定するなど、防災ガイド24ページの「安全チェックシート」を参考に危険個所をチェックしましょう。

▲窓ガラスに飛散防止フィルム

▲テレビは低い位置に設置して固定。


知っていますか?
避難所や災害情報の入手方法

防災ガイド28ページ

 いざという時のため、近くの避難所を防災ガイド36ページで確認しておきましょう。災害情報は市公式LINE・X(旧ツイッター)で発信しているほか、VACAN(バカン)では避難所の混雑状況などの確認も。ぜひ事前にご登録ください。

市公式LINE

市公式X

VACAN


もう一度チェックしよう!
非常持ち出し品と備蓄品

防災ガイド28ページ

 避難する時にさっと持ち出せるようリュックなどに非常持ち出し品の準備を。また、最低3日分、できれば1週間分の備蓄品を準備しましょう。詳細は防災ガイドの28ページ参照。

非常用持ち出し品(例)

□貴重品
 身分証明書や現金など

□医療品類
 お薬手帳や常備薬など

□避難用具
 懐中電灯や携帯ラジオなど

□非常食品
 乾パンや飲料水など

□その他
 タオルや下着・靴下、防寒着・雨具、生理用品など


備蓄品(例)

□食料品
 飲料水(1人1日3ℓ目安)、非常食(アルファ化米・レトルト食品・インスタント食品など)

□生活用品
 給水用ポリタンク、カセットコンロ・ボンベ、ランタン、簡易トイレなど


お持ちですか?
防災ガイド

 地震だけでなく風水害や土砂災害のハザードマップや避難所などを掲載。英語や中国語など6カ国語の翻訳版もあるのでご確認を。

▶配布場所 市役所別館3階危機管理対策推進課市ホームページでも閲覧可。


危機管理部
次長 増尾 友治
みんなで備えること大事

 市では市民の生命と財産を守るため、さまざまな災害対策に取り組んでいますが、被害をできる限り抑えるためには、一人ひとりが災害に備えておくことがとても重要です。ぜひ防災ガイドを日頃からの備えにお役立てください。また、市内には地域で防災に取り組む「自主防災組織」があります。全44小学校区で結成されており、消火器やAEDの使い方を始め、避難所運営の想定なども含めた訓練を実施していますので、ぜひ参加してみてください(訓練の様子は46ページ参照)。


TOPIC!

ブレーカーの落とし忘れを防ぐ
感震ブレーカーの導入を

 揺れを感知して自動的にブレーカーを落としてくれる感震ブレーカーは簡易式なら1000円程度から購入でき、工事不要で設置できます。

自動音声配信電話サービス

 スマートフォンや携帯電話を持っていない高齢者などを対象に、風水害や土砂災害時に枚方市が発令する避難情報を自宅の固定電話に配信します。詳細は市危機管理対策推進課(電話841-1270、ファクス841-3092)へお問い合わせを。

令和6年能登半島地震
枚方市内避難者相談窓口

 市内への避難者が安心して生活できるよう、各種手続きの案内や相談支援を行っています。詳細は市ホームページ参照。
▶日時など 平日午前9時~午後5時30分に同窓口(市役所別館3階危機管理政策課内)へ。電話(電話072-841-1147 )・ファクス(ファクス072-841-3092)可。
▶対象 能登半島地震により市内へ避難してきた(検討している)人。

113の企業・団体と締結
災害時の応援協定

 市は災害時の救助活動や被災者支援、迅速な復興の促進を目的にさまざまな企業・団体と災害時応援協定を締結しています。

(例1)物流の確保

 物資拠点としての倉庫活用や大阪府内の物流停止時の運送

(例2)医薬品の確保

 一定量の医薬品を常に使用可能な状態で備蓄