広報ひらかた

市民登場 No.754

自転車競技シクロクロス日本代表

副島 達海さん

◆そえじま たつうみ
 今年2月、オランダで開催のUCIシクロクロス世界選手権に日本代表として初出場。マウンテンバイククロスカントリー競技でも日本一に。大阪産業大学2年。氷室台在住。19歳。


 今年2月にオランダで開かれたUCIシクロクロス世界選手権に初出場した。同競技は太いタイヤで荒れたコースを走り自転車を担ぐなどして周回する「自転車の障害物競走」とも呼ばれる過酷なレースで脱落する選手も多い。完走はできたもののヨーロッパの強豪選手ら51人が出場する中、40位に終わった。「レースに食らいつくのに必死で何もできなかった悔しさはありますが得意のカーブでは他の選手に勝る場面もあって手応えを感じました。来年も出場して雪辱を果たしたいです」と意気込む。

 モトクロスバイクの選手だった父親の影響で5歳で自転車競技を始め、同時期に体操教室にも通い出した。小学生の頃には平日は体操中心、週末は自転車で市内から嵐山、大阪城を経由し自宅までの約120㎞を走り込むこともあった。毎週末レースのため関西各地を転戦し「結果が残せなかった帰り道の車で両親と反省点を振り返るのがつらかったです」。小学3年生の時、シーズン9連勝で迎えた最後の10戦目で転倒しライバルに負け全勝できなかった。「あの時、最後に勝てなかったことが今でも勝ちにこだわり練習する原動力になっています」

 淀川河川敷や琵琶湖で月に1000㎞程度走り込んでいるが「練習量は多いほうではないんですよ」とはにかむ。器械体操で培ったパワーと力の抜き方が自転車競技に生かされ、体幹の強さからカーブでの素早い立ち上がりが強みになっている。「今後は走り込みを重ねスピードアップしていきたいですね」

 五輪競技にもなっているマウンテンバイクでは日本一のタイトルを持ち、来年のパリ五輪出場を目指している。「世界の壁は高いですが、自分が世界への道を切り開き結果を残すことで日本でも自転車競技の魅力を多くの人に伝えていきたいですね」