広報ひらかた

市民登場 No.752

わんぱく相撲女子で日本一

木原 福さん

◆きはら ふく
 5歳から相撲を始め、昨夏のわんぱく相撲女子全国大会5年生の部で初優勝。全国大会につながる5月14日開催のわんぱく相撲枚方場所に備え練習に励む。枚方市相撲連盟所属。長尾東町在住。11歳。


 頭と頭がぶつかる低く鈍い音が練習場に響きわたる。自分よりも体の大きい相手とも休みなく対戦し、顔が赤く上気する。「自分からぶつかっていくので頭の痛みは感じません」と屈託なく話す。

 相撲を始めたきっかけは、当時通っていた保育園の先生が「相撲をしよう」と呼び掛けたことだった。他の園児が反応しない中、ただ一人夢中になり帰宅後も自宅で飽きずに相撲をやり続けた。毎晩相手をさせられた母親が根を上げて本格的に練習できる場所を求め枚方市相撲連盟の門を叩いた。それ以来、王仁公園の相撲場で稽古を続けている。「相撲が好きというより相撲で勝つことが好きなんです。極度の負けず嫌いかな」。四股・すり足・押し相撲の基本を地道に続ける中、練習仲間の多くがレスリングをしていることから多彩な技を繰り出す相手との練習もこなせているのが大きな強みとなっている。

 コロナ禍で練習できない日々が続いた時はストレスから家で泣き叫んだこともあった。さらに昨春はキャンプイベントで脚に大やけどを負い、お風呂に入れず練習が十分できない中、約3カ月包帯を巻きながら痛みに耐え大会には出続けた。そして夏に迎えたわんぱく相撲女子全国大会で初めて日本一に輝いた。「苦しかったけど、1年間、この大会での優勝を目標に練習をしてきたのでうれしかったです」

 昨シーズンは日本女子相撲連盟主催の全ての大会で日本一となったが慢心はしていない。一昨年、4年生の時のわんぱく相撲女子全国大会では準優勝に終わった。決勝で敗れた秋田県の選手は昨夏の同大会には出場しなかった。「今年は秋田県の選手に勝って2連覇することが今の目標です」。立ち合いのスピードと大きな相手にも負けない技に磨きをかけようと決意を新たに練習に励んでいる。