広報ひらかた

特集「防災に懸ける思い」

いのちを守る、まちを守る、笑顔を守る
防災に懸ける思い

 枚方寝屋川消防組合管内の昨年1年間の通報件数は6万6676件で前年より9733件増加しています。一日あたり200件近く身近なところで、緊急を要する「もしも」が起こっています。あなたの身にも起こるかもしれない「もしも」の場面から大切な暮らしを守る防災に強い思いを懸けた人たちについて紹介します。

 問合わせ先、危機管理対策推進課 電話841-1270、ファクス841-3092


枚方寝屋川消防組合

 枚方市、寝屋川市を管轄区域とし火災の予防、警戒、鎮圧をはじめ、交通事故や労働災害などによる救急、救助業務を主とし、市民の生命、身体、財産を守るための消防機関。

職員数:627名
保有車両台数:115台
 ※職員数・車両台数ともに令和4年4月時点
枚方市内所在:消防本部、枚方消防署、枚方東消防署、
出張所(中宮、中振、渚、川越、阪、楠葉、長尾、氷室、北山)


知っていますか?6つの安心ポイント

01 迅速な現場駆け付け
消防本部指令センター

 指令センターが内容を正確に聞き取り、5分以内の現場到着を目指しています。


02 救急車と消防車の連携
救急隊員と消防隊員

 救急車が呼ばれた現場に、AEDなど救急資機材を積んだ消防車も駆け付け、救命率向上を図ります。


03 官民連携体制
関西電力送配電との高所救出合同訓練

 災害時にドローンや重機を活用できる民間企業との協定のほか、合同訓練などで体制を強化。


04 大規模災害を想定した訓練
ガスマスクを着用したテロ対策訓練

 地域の取り壊し建物などを利用した大規模災害訓練やウイルス対策など特殊な場面の訓練も実施。


05 場面に特化した特殊車両
特殊災害対応車

 多様な場面に対応する特殊車両が多数。写真車両は断水時でも淀川などを利用し大量放水が可能。


06 積み重ねる日々の鍛錬
筋トレ、ランニングで自己鍛錬

 苛酷な現場でも迅速かつ的確に動けるよう、日々欠かさずにトレーニング。


年間通報件数

近年徐々に増えて、昨年は過去最多


何気ない日常を守るために全身全霊を懸ける

枚方寝屋川消防組合
警防部警防課
小椋 幸浩 さん

 私たちが向かう現場では、ひとつの判断や1分、1秒のタイムロスが致命的となる場合があります。緊急を要する「もしも」が起こったとき、できるだけ早く到着し無事に救出するために毎日車両・資機材の点検を行い、厳しい訓練を繰り返しています。私は枚方育ちで、まちも人も大好きです。暮らしてきたまちの何気ない日常を守るために全身全霊を懸けて業務に取り組んでいます。出動後、帰り際にホッとした顔で「ありがとう」と言われたとき、ひとつの安心を守ることができたと胸をなでおろしています。住民の皆さんには地域の防災訓練などに参加して、自分の命は自分で守る「自助」の意識を高めていただく一方で、私たちは暮らしを守るプロフェッショナルとしての「公助」の役割に全力を傾け、安全・安心を実感できるまちを目標に、これからも頼れる存在でありたいと思います。


枚方市消防団

 地域住民などで構成された、まちの安全と安心を守る消防機関。本業がありながら、火災や大規模災害発生時には自宅や職場から現場に駆け付け、消火・救助活動を行う地域の防災リーダーです。

団員数:440人 保有ポンプ車両台数:43台
※団員数、車両台数ともに令和4年4月時点
5つの方面隊と11分団(枚方、蹉跎、川越、山田、殿一、殿二、樟葉、津田、菅原、氷室、女性分団)で編成

▲年末夜警に向かう団員たちを激励する上田団長(写真左)


身近にいる大切な人を救える人を増やしたい

枚方市消防団 団長
上田 治央 さん

 消防士と消防団員が違うことは知っていますか。私たち消防団員は、普段は別の仕事をしていて、災害時に消防士の活動をサポートしています。私は設備工事業をしていますし、自治体職員で消防団に入っている人もいます。団では地域での消火・防災訓練や救命講習会の開催など、地域防災の輪が広がるように活動しています。でも実は、私自身誘われて入団した直後は、見えない誰かを救うためと言われても気持ちが入らず活動に消極的でした。しかし、参加を通じて知識と経験を積み重ね、今なら何か起こっても子どもや妻を救えるかもしれないと気づいたとき、活動への意識が変わりました。団の活動を続ける理由のひとつとして、親、子ども、パートナー、身近にいる大切な人を救える人を増やしたい思いがあります。防災の始まりは、自分や自分の周りのために、からじゃないでしょうか。私たちの活動に関わって防災を考える人が増え、まちの防災力が総合的に高まれば良いですよね。


火災発生!消防団はどう動く

消防組合から火災発生連絡

各エリアの分団から各班に連絡

ポンプ車に乗って現場到着

消防隊の指揮のもと、活動支援(放水支援、周辺整理)

消防隊と連携して現場での残火確認

異常無しを確認して現場引き揚げ

▲17人いる女性団員も救命講習会の講師や小学校での安全教室などで広く活躍しています。


消防団員募集

-自分たちの街は自分たちで守る-

 消防団は、消防組織法に基づきそれぞれの市町村に設置される消防組織で地域での経験を生かした消火活動・救助活動を行う非常勤特別職の地方公務員です。大切な人を守るためにあなたも入団しませんか。 入団募集要項:市在住の18歳~50歳。性別や職業は問いません。 待遇:年額報酬、退職報償金、負傷した場合の補償制度などあり。 詳細は消防団ホームページ参照。


地域コミュニティ

地域に合わせた防災活動が活発
一人一人に向き合い、顔が見えた安全・安心づくりを

 近所で助け合える関係づくりを目指して令和2年に地域で防災委員会を立ち上げました。災害直後に助け合えるのは近くの住民です。大規模災害にもなれば、消防隊や行政の支援がすぐに届かないかもしれません。そこまで想定して、命や暮らしを守る事前の準備を進めています。自ら避難することが困難な人の把握、耳が遠いから教えに行った方が良いなどの対応もより細かく対応できるのが地域の力だと思います。私たちの自治会では、災害が起こった時でも素早く動けるよう令和3年に地区防災計画を策定しました。地域の実情を踏まえて、一人一人に向き合い、顔が見えた安全・安心づくりが目標です。

西船橋自治会
小野田 里美さん・弘さん


もしもの時の行動指針
みんなでつくる地区防災計画

 平成25年に災害対策基本法が改正され、地域の自発的な防災活動に関する「地区防災計画制度」が創設されました。地域の災害リスクを理解し、校区や自治会の特性に合わせて、災害時にどのように対処すべきかまとめた計画の策定が市内でも進んでいます。あなたの地域でも作りませんか、もしもに備えて。
 策定に関するお問い合わせは危機管理対策推進課へ。


事例紹介

西船橋自治会地区防災計画(一部抜粋)

●目標を設定

「近所で助け合える関係を作りましょう」

●社会特性を把握

自治会内の高齢化率約24.4%

●災害特性を把握

淀川や船橋川が氾濫した際の浸水エリアを記載

●災害時の活動を確認

地区ごとの一時避難場所や避難行動要支援者の対応を明記


消防組合・消防団・地域・民間企業・枚方市が連携した総合防災訓練

枚方市総合防災訓練
枚方ひこ防’z~大地震への備え~

日時:3月4日(土)10時~15時
場所:旧市民会館大ホール前広場

災害に備えるため、是非ご参加を
見る

□耐震化模型の実演
□給水活動の訓練実演
□感震ブレーカーパネルの実演

学ぶ

□家具転倒防止に関する啓発
□最新!災害用備蓄品の展示
□災害時の充電コーナー

体験する

□起震車体験
□浸水歩行・土嚢作成体験ブース
□地震体験VR防災トレーニング


 地球温暖化等の影響で、過去の実績を超える台風や豪雨の頻度が増えており、今まで経験したことがないような災害が、毎年どこかで発生する。そういう時代になりつつあります。自然災害の発生自体を防ぐことは難しいですが、自助・共助・公助で連携し、災害に備えることで、その被害を減らすこと(減災)は可能です。  危機管理部は、災害時にそれぞれの力が最大限に発揮されるよう、地域が主催する防災訓練や地区防災計画の作成などのお手伝いをさせていただいており、これからも、関係機関や地域の皆様と対話を重ねながら、安全・安心に暮らせるまちづくりを進めていきたいと考えています。

危機管理部 危機管理対策推進課
課長 臼井 将之