広報ひらかた

笑いのチカラでSDGsを“ジブンゴト“に

 令和5年の新春座談会のお相手は、吉本興業のSDGsアンバサダーも務めた枚方ゆかりの漫才コンビ「祇園」。市でも取り組みを進めるSDGsをどうすれば一人ひとりにひとごとではなく“ジブンゴト”と捉えてもらえるのか、木﨑さんの母校でもある牧野高校(南船橋1)を会場に、伏見市長と語っていただきました。

 問合わせ先、教育研修課 広報プロモーション課 電話841-1258、ファクス846-5341


新春座談会

枚方ゆかりの漫才コンビ

「祇園」× 枚方市 in 牧野高校


W 笑いのチカラでジブンゴトに


枚方市長 伏見 隆

「祇園」 櫻井 健一朗さん

「祇園」 木﨑 太郎さん

祇 園

 平成20年結成。ボケ担当で枚方市出身の木﨑さん(写真左)とツッコミ担当で京都市出身の櫻井さん(同右)の漫才コンビ。木﨑さんは牧野高校卒業。第53回上方漫才大賞新人賞受賞。 SDGs-1グランプリ2021優勝。


「祇園」と枚方

市長:本日はよろしくお願いします。

木﨑:お待たせしました木﨑です!

櫻井:誰も待ってないですよ。今日はよろしくお願いします!

市長:木﨑さんは牧野の出身だとか。今もご実家はこのあたりに?

木﨑:そうですね、今もときどき実家に帰ります。でも高校に来るのは18年ぶりやなあ。

市長:牧野高校での思い出はありますか?

木﨑:僕はここに通ってなければお笑いをやってなかったと思います。すごく自主性を大切にする高校で、部活がない期間に空き教室で生徒主催のお笑い大会をやっていたんです。コンビで漫才をしてましたね。

市長:生徒が自分たちでお笑い大会を開くなんて聞いたことないですね!

櫻井:そんなんやってたんや。コンビ名はなんやったん?

木﨑:「テンションズ」っていうんですけど。

櫻井:おもんなそう!

木﨑:あるとき地域のお笑い大会で優勝したんです。見たら分かると思うんですけど僕は目立ちたがり屋なので、校長先生に「朝礼で表彰して」って直談判したら本当に表彰してくれて。生徒のことを考えてくれる学校やなと思って、牧野高校が大好きでした。僕の原点です。

市長:櫻井さんは京都のご出身だそうですが、枚方での思い出はありますか?

櫻井:地元が伏見だったので、小さいときから家族でひらかたパークに行ってましたね。初めてメテオに乗ったときはふらふらになりましたよ。「こんなんあるんや!」って。

木﨑:僕らは芸人になってからもテレビ番組のロケでひらパーに行くことが多いんですけど、無茶なお願いもけっこうなんでもオッケーしてくれるんです。「おもろかったらええやん」っていうのがすごいですね。

SDGsとは?

 2015年9月に国際連合が定めた、誰一人取り残さない世界にしていくために2030年までに地球規模で協力して達成すべき具体的な目標「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)のこと。貧困や紛争、気候変動など17の項目があります。

1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

伝えるこつは「楽しく、面白く」

市長:お二人が吉本興業の「SDGsアンバサダー」になられたきっかけはなんだったんですか?

櫻井:元々、僕らの所属する吉本興業がすごく力を入れていて、「SDGsをどれだけ楽しく伝えられるか」を競う「SDGs-1グランプリ」に僕らも出ることになったんです。

木﨑:自分たちでいろいろ調べて、元々あった「桃太郎」を題材にしたネタにSDGsの要素を入れた漫才で優勝してアンバサダーになりました。「桃太郎」の昔話をSDGsの観点で見るとどうなるかという設定で。優勝後はアンバサダーとして学園祭で漫才をすることも多くて、皆さん笑ってくれるのでちゃんと伝わってるんだなと感じます。「学園祭で漫才見に来ただけやけどSDGsも知れたなあ」って思ってもらえたらうれしいですね。

櫻井:「楽しく、面白く伝える」というのがアンバサダーの使命なんです。

市長:それはすごく大切ですよね!ネタを作るときに気を付けていることはあるんですか?

木﨑:SDGsってかたくなりがちなんですけどそれでは笑いが起きないので、例えばそこにみんなが知ってる要素を入れるとか。

櫻井:「桃太郎」も全員が知ってる昔話で、「SDGs風にするとこうなるんや!」っていう面白さがあると思うんです。

市長:確かに見方を変えると、普段何気なくやっていることもSDGsにつながっていますね。賞味期限の早いものから食べることもフードロス削減で12番目の目標「つくる責任 つかう責任」につながりますよね。

木﨑:5番目の目標「ジェンダー平等を実現しよう」も一人ひとりが気を付けるだけで達成に近づけますね。ちなみに、僕らは漫才の練習場所も意識してて、自然の光しか入らない非常階段でやってます。なるべくエネルギーを使わないように。

櫻井:それは吉本興業が電気消してるだけやろ(笑)


市内でも目標達成に向け取り組みスタート

市長:枚方市でも今年度、市民の皆さんと協力して取り組みを進めていくために「SDGs推進登録制度」(7ページ参照)を始めました。簡単に言うと、SDGsを〝ジブンゴト〟と捉え、どういう取り組みをするかを皆さんに宣言してもらうんです。宣言してもらった内容は市のホームページで公開しています。

木﨑:へえ、面白いですね。企業や学校も登録できるんですか?

市長:できます。実はここ牧野高校でも取り組みが始まっていて、今日は直接生徒の皆さんからお話をお聞きしたいと思います。

生徒4人:こんにちは、よろしくお願いします!

▲活動を説明するサッカー部の2人。

市長:皆さんは木﨑さんが牧野高校の卒業生だと知ってましたか?

生徒4人:最近知りました。

木﨑:最近かい!それで皆さんはどんなことをされてるんですか?

生徒4人:僕たちサッカー部は、毎月第一土曜の朝の一時間、牧野駅周辺のごみ拾いをしています。最初は「めんどくさいな」と思ってたんですけど、何回かやるうちにたばこの吸い殻など、今まで気付かなかった小さなごみにも目が留まるようになって。すれ違う人が「ありがとう」って言ってくれるのもうれしくて、やっててよかったなと感じています。

櫻井:えらいなあ!若い子がここまでしてくれてうれしいですね。

市長:やっててよかったと思えるのがすごいですね。

生徒:私たち「Making Makino」というグループは枚方市の登録制度に登録して活動しています。校内に箱を設置してペットボトルキャップを集めて、集めたキャップは企業に渡してリサイクルをしているんです。回収率を上げようと「あなたは犬派?猫派?」みたいな二択の質問に投票するかたちでキャップを集められないかと考えています。

▲笑顔でアイデアを話す「Making Makino」の2人。

木﨑:そのシステムいいですね!

櫻井:投票に参加したら、実はそれがSDGsでしたっていうのがいいですよね。

木﨑:いつか「『祇園』を知ってる?知らん?」の二択でやってほしいなあ。「知らん」が多かったらショックやし、もう教えてくれんでいいから。 一同 (笑)

一同:(笑)


取り組む団体続々!

明治安田生命保険相互会社 大阪東支社

 同社では3番目の目標「すべての人に健康と福祉を」に向けた健康寿命の延伸と、11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」に向けた地方創生に力を入れています。従業員の健康管理を経営的な視点から考えるセミナーや企業交流会などを市や関係団体と協力して開催しています。

◀令和4年6月に開催された、市内企業が集まった企業交流会の様子。

枚方高校

 教科の枠を越えた横断的な学びの時間である「総合的な探求の時間」で、調べ学習やフィールドワークなど生徒独自の視点からSDGsをテーマとした課題の解決に向け取り組む「枚方未来学」を全学年で毎年開催。

◀令和4年10月に行われた「枚方未来学」の発表の様子。


市役所でも取り組んでいます

 市の全ての施策をSDGsに連携させて取り組んでいます。

民間事業者との協力による実施状況

・枚方市商業連盟や生活協同組合おおさかパルコープと協力し、家庭から提供された食品を市内の子ども食堂などに無償で譲渡する「フードドライブ」を令和4年10月から試行実施。

・身体的性差への理解促進と、性差を踏まえた女性の負担軽減を目的に、庁舎のトイレで生理用品を無償配置する実証実験を行いました。

トイレに設置された生理用品▶


〝ジブンゴト〟にしてもらうには

市長:令和3年10月に開催した市の教育イベント「GIGAフェス」ではパネルディスカッションの司会を務めていただきましたね。

木﨑:生まれ育った枚方での仕事は感慨深いですね。GIGAフェスもめっちゃうれしかった。今の子どもたちは学校でタブレットを使って勉強してると知って、教育のレベルがすごく上がってるんやなと感動したのも覚えてますね。

櫻井:会場の総合文化芸術センターもすごくきれいなホールでしたね!僕らは普段森ノ宮の劇場で漫才やってるんですけど、あそこでも漫才したいな。

木﨑:枚方ゆかりのコンビが集まる「枚方芸人のつどい」っていうイベントもときどきやってるんですけど、次はぜひ総合文化芸術センターでやりたいですね。

市長:ぜひお願いします!そういえば、SDGs-1グランプリで優勝したネタは4番目の目標「質の高い教育をみんなに」がテーマでしたね?

木﨑:僕ら2人とも親が教師なので、自然と教育分野に寄って行ってしまうのかもしれません(笑)

櫻井:芸人やのに真面目やなって言われることが多いですね。

木﨑:自分が裸になったり変なことしたりしてる番組は見せないようにしてます(笑)

櫻井:質の高い教育とは言えませんからね(笑)

木﨑:まだ1歳なので何かを習わせるとかは早いんですけど、もう少ししたらそれこそ僕らの漫才みたいに、絵本をSDGsっぽく読んであげるのもいいかなと思います。

市長:なるほど。SDGsの達成目標である2030年まであと8年なので、今後さらに多くの市民や企業に取り組みを始めてほしいですね。

木﨑:例えばSDGsを頑張った人に市長が表彰とか、賞をあげるとかしたら頑張る人が増えるかもしれないですね。さっき話した、僕が高校時代に朝礼で表彰してもらったみたいな。

櫻井:確かにうれしいよね。

木﨑:SDGsという言葉ももっと広まってほしいですよね。まもなく賞味期限がきれる食品ってスーパーで「訳あり品」って書かれることがありますけど、「SDGs割引」っていう名前にするとか。自分たちの日常に入り込むというか、身近になればもっと〝ジブンゴト〟として取り組んでもらえるかなと思います。

櫻井:学生時代、学校に飲み物の自動販売機があって、空き容器を入れると10円返ってくる機械があったんです。みんなそこに入れに行っていて、何か取り組む側にもメリットがあるといいですよね。

木﨑:生徒の皆さんが言っていたように、楽しもうと思って参加したら、実はそれがSDGsだった、みたいな作戦もいいですね。個人でできることをしていって、みんなの力が合わさって大きい力になりますよね。

市長:たくさんアイデアが出てきますね!お笑いや、みんなの関心があることなど、「楽しいこと」とセットになることで、かたいと思われがちなSDGsにも〝ジブンゴト〟として取り組んでもらえるのかもしれませんね。いただいた提案をもとに取り組みが広がるよう工夫していきたいと思います。「祇園」のお二人には今後も枚方市にぜひ関わっていただければありがたいです。

木﨑:ぜひぜひ!

櫻井:よろしくお願いします!

市長:本日はありがとうございました。


SDGs漫才の元になったネタ「桃太郎」が見られます

 YouTube「祇園󠄀󠄀󠄀󠄀󠄀󠄀󠄀」公式チャンネルで「桃太郎」のネタが配信されています。


皆さんも宣言してみませんか?SDGs推進登録制度

 市民や学生、事業者など、市に関わる全ての人や団体の取り組みを推進するため、市は今年度から「枚方市SDGs推進登録制度」を開始しました。皆さんの“ジブンゴト”を宣言してみませんか?登録された宣言や活動内容は市のホームページで公開しています。


実際に登録された宣言内容をご紹介!

・飲食店で食べられる分だけ注文する。
・移動にはなるべく徒歩や自転車、公共交通機関を利用する。
・知識の少なさや偏った考え方からくる偏見や差別をなくすため、
 いろいろな考えに触れ、自ら知ろうとする姿勢を忘れない。
・LGBTQの人への理解を深め、当事者が隠さなくてもいいような
 接し方ができるようになる。
・全ての人に健康と福祉が提供されるように、自治会活動活発化の
 サポートをする。…などなど


登録後は市のオリジナルロゴを使用可能

 市民投票により決定した2種類の市オリジナルロゴマークは、制度に登録した後、名刺やイベントのチラシなどにご使用ください。

 問合わせ先、教育研修課 政策推進課 電話841-1149、ファクス841-3039