進化する教育現場/GIGAスクール
枚方まなびの最前線
1人1台のタブレット端末でより深い学びを
国が打ち出した「GIGAスクール構想」の実現に向け、枚方でもICTを活用した新たな教育が進んでいます。小・中学生にはオンライン接続する一人一台のタブレット端末が配備。授業では、従来の教科書と黒板に加え、大画面モニターが使用され、それらの活用で学校を飛び越えて家庭でも興味関心を深めることができる環境が整えられています。
ICTを活用した教育のメリットは、板書の時間短縮といった効率化の側面だけでなく、動画や画像を多用することで視覚的・聴覚的に分かりやすく伝えることができ、タブレットで必要な情報を自ら探すことで情報活用能力の向上も期待できます。他にも、質問や回答を全員から提出することも可能なため、より能動的な授業が実施できます。 その中、枚方市は意欲的な取り組みを進めており、全国的にも注目を集めています。どういった教育が枚方で行われているのか一部をご紹介します。
問合わせ先、教育研修課 電話050-7105-8051、ファクス851-9335
<文部科学省>
GIGAスクール構想とは!?
1人1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、それぞれに最適な学びを提供し、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する取り組み。
ここがすごいよ枚方市
1 環境がすごい
タブレットはiPad(LTE通信可)を採用。機器の特性を生かして「いつでも」「どこでも」オンラインにアクセスでき、追加で学習アプリも導入できるため、より効果的、効率的な最先端の学びを実現。
2 教員がすごい
環境を最大限に生かすため、市内全校が参加するICTに関するワーキングチームで熱心な授業研究。オンライン会議や事例発表を通じて教員同士で議論を深め、分かりやすく伝えるための授業改善を常に検討。
3 連携がすごい
教育委員会のポータルサイト「GiGAスク!ひらかた」では、各校の授業実践事例集や授業づくり・機器に関する動画が掲載され、教員はいつでも閲覧可能。ICTでつながり、市内どの学校でも最適な学びを提供。
枚方版ICT教育モデル
5つのCの視点
20年後の未来を見据え、子どもたちがこれからのより良い社会の創り手となるよう、「生きる力」を育むための教育に注力。
Collaboration -協働-
自分と異なる考えを尊重し、認め合う。
Challenge -挑戦-
困難な問題や未経験等に積極的に取り組む。
Critical thinking -思考・判断-
物事を多面的に捉え、自ら考え、分析し、判断する。
Communication -意思伝達-
相手の立場を意識して、自分の考えを伝える。
Creativity -創造-
柔軟なアイデアを表現し、相手と共有。
Voice
実際に使っている開成小学校の皆さんに感想を聞きました。
児童の声
タブレットを使った勉強は楽しい。使うのも難しくないし、学校でも家でもアプリを使った問題を解いたり、気になったことを調べたりしています。
開成小学校2年2組
齊藤 風花さん
岡本 実莉さん
先生の声
便利さが勉強意欲の低下にならないようICTの利点を上手に使い分けることが大切。また、コロナ禍でもタブレットを使ったリモート授業で学びを止めなかったことは大きいですね。
開成小学校2年2組
青木 研吾教諭
保護者の声
タブレットを素早く使いこなしている様子に驚かされます。「知りたい」子どもの探究心が、調べることで知識につながっているので、物知りになったなと感心することが多いです。
開成小学校保護者
安藤 知恵さん
D a i l y l i f e
今どきの小学生の一日
タブレットは学校内で常に子どもたちのそばにあり、授業の様々な用途で使用されるとともに、体調管理や家庭での勉強サポートなどくらしの中でも活用されています。今どきの小学生の一日を少しのぞき見してみましょう!
学校ブログもチェック!
市内全校で授業や行事の様子をブログで情報発信しています。子どもたちが熱心に学ぶ姿を是非チェックしてみてください!
●朝起きて出欠報告
登校前に体調をチェックして出欠報告。場合によってはリモート授業も。
8:30 登校
授業前の朝学習の時間にタブレットでタイピング練習や漢字を復習。
9:00 算数の授業
先生の指定するフォルダから問題を取り出し、先生のタブレットへ解答を送信します。
11:00 体育の授業
跳び箱を跳ぶ様子を動画撮影。スローで再生しながら手の着く位置などを確認し合います。
14:00 理科の授業
理科室の使い方を学ぶ授業では、子どもたち自身が動画の作成に挑戦。編集状況をタブレットで共有しながらブラッシュアップ。
15:30 下校
帰る前にタブレットやモニターに今日の宿題を表示します。
●宿題
国語の宿題は、音読する動画をタブレットで撮影。オンラインで提出します。
●就寝
国語の宿題は、音読する動画をタブレットで撮影。オンラインで提出します。
最新の教育をあなたも体感しませんか
GIGA フェス 2022
~ミライのガッコウ~ inひらかた万博
日時:来年1月28日㈯
午前9時~午後5時
会場:⑴輝きプラザきらら(車塚1-1-1)
⑵メタバース(インターネット上の仮想空間)
リアル会場とメタバースで創られた会場などで行われる子どもたちの成果発表やワークショップを通じて、これからの学びの在り方や未来社会についてみんなで考え、 「ミライのガッコウ」へ夢や可能性を感じてみませんか。
申込・詳細は特設サイトを参照。
研究1
Minecraftで創ろう! 30年後の枚方市
「30年後の枚方市がより魅力ある街になるためにはどうすれば良いか」をテーマに、市内小中学生で結成されたプロジェクトチームが議論し、未来の枚方市をMinecraftで構築!完成した街はイベント当日に披露し、来場者が自由に体験することができます。
研究2
ミライのガッコウ博覧会 inメタバース
「ミライのガッコウ」をテーマにイラストや動画を子どもたちから募集。メタバース(仮想空間)内で応募作品の博覧会を開催。
ICT活用だけじゃない!
地域と連携した実践教育
水泳授業を民間活用で!
今年5月から市内小学校6校で、民間スイミング施設を活用した水泳授業を開始しています。専門スタッフによる指導で泳力向上を図るとともに、教員は児童の安全管理に専念できるメリットも。取り組み結果を検証の上、来夏以降、市内全域に順次拡大予定。
枚方英語村in メタバース
関西外国語大学と連携して、使用言語は英語だけという環境の中、留学生らとゲームなどを通じて英語の楽しさを感じる取り組み。学校で学習したことを教室外でも発揮できる機会によって、生きた英語力を身に付けます。今年度は市内小・中学生を対象に、コロナ禍でも実施できるようにメタバース空間で開催を予定。
枚方市ではICT機器を活用した、今までになかった新しい学びが実現しています。タブレット端末がはじめて導入されたときや、対面授業とオンライン授業を組み合わせたハイブリッド型授業を始めたときなど、新しいことに挑戦するのは前例がなく、学校現場は大変でした。しかし、先生たちが自校だけでなく他校の先生ともつながり、協力して、子どもたちのために新しい学びをどんどん実現してくれています。枚方の教育はこれからも先生や子どもたちと一緒に、未来につながる新しい学びに挑戦していきます!
教育委員会 教育研修課
課長 倉田 仁司