広報ひらかた

市民登場 No.742

世界と戦う大学生バレーボーラー

大塚 達宣さん

◆おおつかたつのり 2020東京オリンピック日本代表選手に選出され、今年1月にはパナソニックパンサーズへ入団した。ポジションはアウトサイドヒッター。早稲田大学3年。中宮中学校出身。須山町在住。21歳。


 オリンピックデビューは昨年7月のイタリア戦。劣勢での途中出場に「自分が流れを変える。思い切ったプレーをしよう」と奮い立った。7位に終わった最終成績には「海外選手の身体能力に勝つためにパリ五輪には前より質が高い自分に持っていきたい」と意気込む。

 バレーボールとの出会いは小学3年生。小・中学生時代はパンサーズジュニアでプレーし全国大会優勝を経験、春高バレーでは最優秀選手に選ばれるなど豊富な実績を持つ。スパイカー一筋の競技人生で大事にしてきたのは仲間とのコミュニケーションだ。「ここ1本取ろう!」。試合中にチームを盛り上げる声掛けから日常の雑談まで、とにかくよく話し、よく聞く。「しゃべらないとどんな考えを持っているか分からない。自分をどんどん発信するし、相手のことも知りたい」。社交的な性格は競技とひたむきに向き合って形作られたもの。「積み上げた信頼関係はワンプレーに出ます。みんなが必死につないだボールが最後に集まるポジションだから心を込めて打ちたいんです」。パナソニックパンサーズへ入団後は早々にスタメン入りを果たす。地元へ帰ったきた新人へ周囲の期待は膨らむ一方だが「自分の考えを発信してチームになじみ、点を取るためにできる準備をして毎試合臨むだけ」と本人はいたって冷静だ。

 セカンドキャリアに思い描くのは体育教師。大学では教員免許取得に向けて励んでいる。「スポーツはとても楽しいもの。小さいころに嫌な印象を抱くと大きくなっても敬遠してしまうので、子どもたちに直接伝えていきたい」。世界を見据えて戦い続けるその体験を子どもたちに語る未来がとても待ち遠しい。