広報ひらかた

考える力育み確かな学力を教育
現場の「今」をリポート

 市は、子どもたちの「自ら考え表現する力」を育むため、さまざまな取り組みを進めています。今年度は新たに4年生の少人数学級や土曜授業をスタート。教育現場の「今」を紹介します。
 お問合せ先、教職員課 電話050・7105・8040 ファクス851・2172、教育指導課 電話050・7105・8052 ファクス851・2187

一人一人に寄り添う指導を
少人数(35人)学級を4年生まで拡充

リポート1 山田小4年11月2日4時間目 国語

 この日は慣用句を勉強中。「『竹を割ったような』、これはさっぱりした性質、ものごとにこだわらない様を言います。みんなの周りに竹を割ったような性格の人はいるかな」との先生の問い掛けに、子どもたちは「お母さんかな」「弟はそんな性格」など次々に発言。人数が少ないので子どもたちの声が聞き取りやすく、先生は子どもたちの声に一つ一つ丁寧に答えていました。 山田小学校4年生は36人で18人ずつの2クラス。少人数学級が導入されていなければ36人学級になり、教育環境も大きく異なります。1組担任の日前智代さんは「子どもたちも自分のことを見てもらえていると感じていて、授業に積極的に参加する雰囲気がありますね」と話します。

平成24年から国・府に先がけ市独自に拡充

 市は、国・府に先行して平成24年度から小学校3年生までの少人数学級を実施してきました。教員の目が一人一人に行き届き、教員と子どもたちの関わりや、生活の様子などに効果が認められたことから、今年度から4年生まで拡充しました。支援学級の在籍児童も含めた人数で編制するのは府内で枚方市のみです。少人数学級拡充による教員の増員分を市の予算で採用しています。平成27年度は府内市町村で最も多い47人を採用しました。

子どもの理解度分かり指導力アップ

 子どもたちは、授業中の発言が増えたり、自ら問題に取り組むようになるなど、より積極的に行動できるようになりました。教員からは「授業中に子どもたちがみんなの意見を聞いたり解き方を確認できる」「個性や長所など、子ども同士の理解が深まった」などの声が聞かれています。

子どもも地域もみんなにプラス
特色ある土曜授業

リポート2 樟葉北小10月31日3時間目 授業参観・道徳

 全学年で「道徳」の授業参観が行われました。1年1組では子ども2人が動物のお面をかぶって、みんなの前で友達の大切さを表現する寸劇を披露。お互いに手を取り合いながら助け合うコミカルな動きに教室内に笑いが起こる場面も。保護者の一人は「家庭で学校でのことを話す機会が増えて子どもも喜んでいます」と話しました。

リポート3 船橋小 10月31日 音楽鑑賞会

 世界的指揮者の佐渡裕さんもかつて指揮していた「エウフォニカ管弦楽団」の演奏会を開催。クラシックや童謡、オペラ歌手の歌に加え、人気ゲームのBGMに子どもたちは歓声を上げて大喜び。楽団と一緒に楽器を演奏したり、歌ったりして盛り上がりました。 同校教頭の能瀬喜代美さんは「地域で安全を見守る『船っ子サポート隊』や福祉委員会の皆さんを招待し、地域との関わりを深める絶好の機会になりました」と話しています。

豊かな教育環境の提供

 「開かれた学校づくり」「地域人材等の積極的な活用」を観点に、今年度から市内全小・中学校で年3回の土曜授業がスタートしました。体験活動や芸術鑑賞など、各学校で独自の取り組みを実施しています。

将来描くきっかけに
キャリア教育

リポート4 第四中 11月14日模擬会社の運営体験

 1年生全276人と2・3年生有志76人が10 〜15人のチームで模擬会社を設立し、商品の企画から製造・販売、納税までを体験するプログラムに挑戦しました。7月から会社の運営方法を学ぶセミナーなどを6回にわたり受講。講師として保護者や地域の経営者が協力しました。 11月14日の四中フェスタで実際に販売が行われ、模擬店36店が並びました。フランクフルトを売るお店では開始1時間で120本を完売しましたが、炭酸飲料が売れ残り、「20円値下げしよか?」「まだ早いで。午後からでいいんちゃう」「それじゃ売れへん。原価で売ろう」と、話し合いながら完売を目指す姿が。 同校校長の岩谷誠さんは「子どもたちが自分で考え判断して行動しました。将来の夢を描くきっかけになれば」と話しました。フェスタでの売り上げの一部は、12月に納税(市への寄付)を行います。

自分らしい生き方の実現を

 将来、社会で役割を果たし自分らしい生き方の実現を目指すキャリア教育。市では府の指針を元に小・中学校が連携して進めています。平成26年度からは全中学校区で全体指導計画を作成し、識者による講義や職場体験などを実施しています。

平成27年度全国学力・学習状況調査
家庭と連携し 学習習慣の定着へ

 全国の小学6年生と中学3年生を対象に国が実施した学力・学習状況調査の結果がまとまりました。
 お問合せ先、教育指導課 電話050・7105・8052、ファクス851・2187

算数・数学ともに良好国語は考えを書く力に課題

 学力調査の正答率は小・中学校ともに各科目で府の平均を上回り、算数・数学と中学の国語Bでは全国平均も上回りました。国語は「根拠を明確にして自分の考えを具体的に書く」などに課題がありました。理科は「実験結果から分析する力」に課題が見られました。

「宿題する」は増加傾向「復習する」は減少

 学習状況については、小学校では家で学校の宿題をしている子どもの割合が昨年度より増加しました。中学校は自分で計画を立てて勉強している割合が昨年度と比べてやや増加しましたが、授業の復習をしている割合は減少しました。小・中学校ともに、学校の授業時間以外での学習時間が一日当たり30分に満たない子どもの割合が増加しました。 生活習慣では、携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットを30分以上している児童・生徒は増加傾向で、全国平均より高くなっています。

子ども主体の授業づくりを「わかる・できる」の実感へ

 各学校では、授業のはじめにその時間の学習の狙いを子どもたちと共有して、積極的に発表する機会を与えるなど、子どもが主体となる授業に取り組んでおり、今後も子どもたちが「わかる・できる」ことを実感できる授業づくりを進めます。 また、学習習慣と学力には相関関係があることから、学校の取り組みの充実に加え、家庭での学習習慣の確立が大切です。今後も学校が家庭と連携しながら、教育目標の達成に向けて組織的な取り組みを推進していきます。

どんな問題を解いているの?

「全国学力・学習状況調査で実際に出された問題だよ。解けるかな?」

小学校第6学年・算数Bより

(問)トマトを7個買います。お店では、トマトを次のように売っていました。
●1個入りパック 100円
●2個入りパック 180円
●3個入りパック 270円
 トマト7個の代金が最も安くなる買い方を次の①から④までの中から1つ選んで、その番号を書きましょう。また、その買い方をしたときのトマト7個の代金を書きましょう。
(1)1個入りパックを7つ買う
(2)2個入りパックを3つと、1個入りパックを1つ買う
(3)2個入りパックを2つと、3個入りパックを1つ買う
(4)3個入りパックを2つと、1個入りパックを1つ買う

答えは、(3)630円

教員の「授業力」向上を

市独自のカリキュラムで教職員に研修を実施

 市は中核市移行により独自のカリキュラムで教職員研修を実施できるようになったことから、初任者や校長など、経験年数や職務に応じ、教育現場の課題解決・学力向上に効果的な研修を実施しています。

教育フォーラム「考える力の育成」教職員ら880 人集う

 7月21日、「考える力の育成」をテーマに市民会館大ホールで教育フォーラムを開催し、教職員をはじめ保護者や市民ら約880人が参加しました。 フォーラムでは、算数・数学教育の専門家である大阪教育大学教授の柳本朋子さんを講師に招き、基調講演と市内小学校校長、小・中学校教諭を交えたパネルディスカッションが行われました。柳本教授は「自分の課題を見つけ考えられる子どもを育てることが大切」と話し、参加した教職員の1人は「答えを求められることが子どもの理解ではなく、考えた過程を説明できることが本当の理解だと気付いた」と話しました。

授業の達人養成・教科研究講座指導力の高い優れた教員を

 10月26日には教育文化センターで関西外国語大学教授・岡澤潤次さんによる講義「主体的に学ぶ社会科の授業づくり」を開催。教職員13人が受講しました。知識の詰め込み型になりがちな社会科の授業のポイントについて岡澤さんからは「発言した子どもが間違っても否定せずに、まずは受け止めることが大切です」と助言がありました。牧野小学校教諭の岡川陽介さん(34歳)は「他の学校の状況も知る貴重な機会。子どもが自ら発言できる雰囲気をつくっていきたい」と話しました。
 お問合せ先、教育研修課 電話050・7102・3153、ファクス848・2960