広報ひらかた

市民登場No.675

大塚貴之(おおつか たかゆき)さん

 帝京大学ラグビー部時代、全国大学選手権に出場し、大会6連覇に貢献した。現在は門真市の企業に勤務する傍ら社会人チーム「六甲クラブ」に所属。聴覚障害者による「デフラグビー」日本代表。大分県出身。宇山東町在住。23歳。

 聴覚障害者のラグビー・デフラグビー日本代表。今月、ニュージーランド代表と親善試合の予定だったが日本代表が15人集まらず中止となった。「本当に残念。海外の強豪と戦い力を試したかった」。
 生まれつきの難聴で言葉は全く聞き取れないが、日常会話には困らない。「小さい頃から読唇法と声を出すことを教えこまれたおかげ」。小学生の頃ラグビーと出会い、中学からクラブチームに。「すばしっこい自分にぴったりだった」。ポジションは俊足を生かしたウィング。グラウンドに立つと、味方の声もタックルしてくる敵の足音も聞こえない。「最初は怖かった」。練習や試合を重ね、知識を蓄えたことで動きを先読みできるように。声が聞こえない分メンバーにも積極的に話し掛けた。高校では主将として全国を目指すチームをけん引した。大学は強豪・帝京大に進学。2年生になって対人関係に悩み、初めて弱音を吐いた。「全国から集まるよりすぐりの先輩や後輩たちを前に上手く意思疎通ができなくて」。救われたのは監督の言葉。「言葉より姿勢だ。真摯に取り組めば分かってもらえる」。心が晴れた。必死に努力を重ね、チームの一員として公式戦に出場しトライも決め、前人未踏の大学選手権6連覇に貢献することができた。「監督の言葉は今も大切にしています」。  現在の目標は所属している社会人チームでも日本一を勝ち取ること。ワールドカップ南アフリカ戦で日本代表が見せた劇的勝利は、困難にぶつかってきた自分へのエールのように思えた。「障害は不便だけどマイナスではない。僕の人生にとっては間違いなくプラスです」。挑戦は続く。