ページの先頭です
メニューの終端です。

公共・公益施設における雨水流出抑制施設設置の技術基準

[2016年7月20日]

ID:288

ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

第1章 総則

目的

本技術基準は、公共・公益施設における雨水流出抑制施設を設置する際の計画設計に係わる技術的事項についての一般原則を示すものである。

適用範囲

本技術基準は、前記公共・公益施設における雨水流出抑制施設設置の第2条に規定する施設について適用する。

(解説)

構造型式によって分類すると図-1のようになる。また、流出抑制施設を分類すると表-1のようになる。

用語の定義

本技術基準で用いる用語は、それぞれ以下のように定義する。

オンサイト貯留

オンサイト貯留とは、雨水の移動を最小限におさえ、雨が降ったその場所で貯留し、雨水の流出を抑制するもので、現地貯留とも呼び、公園・運動場・駐車場・集合住宅の棟間等の流域貯留施設、あるいは各戸貯留施設などが一般にオンサイト貯留となる。

オフサイト貯留

オフサイト貯留とは、河川・下水道・水路等によって集水し、集約的に貯留し、雨水の流出を抑制するもので、現地外貯留とも呼び、遊水地・防災調節池等はこれに当たる。

調節(整)池

調節(整)池とは、オフサイト貯留となる施設で、流出抑制を第1義として設置するもののうち、河川管理施設として設置する流域調節池、防災調節池、および大規模な宅地開発等に伴って設置する施設を調整池という。

流域貯留施設

流域貯留施設は、広義にとらえると調節(整)池等も含まれるが、本基準では公園、運動場、広場、団地の棟間、駐車場など本来の利用目的を有する土地に、低水深で貯留機能を持たせ、流出抑制を行う施設をいう。その貯留方法は一般にオンサイト貯留となり、その貯留構造は一般に小堤・小堀込式となる。

集水面積

集水面積とは、貯留型施設あるいは浸透型施設に雨水を集めることのできる区域の面積をいう。

比流量

比流量とは、現行の下水道計画における各排水区域の放流量を集水面積で除した値をいう。

オリフィス

オリフィスとは、貯留型施設に雨水が流入・出する際、流入・出量を調整するための調整口をいい、特に流出する場合には放流孔という。

以上のほか、本技術基準を理解するために必要と考えられる用語について以下に説明する。

  1. 棟間貯留
    集合住宅の棟間に貯留するものをいう。
  2. 公園貯留
    公園用地内の池・運動広場等に貯留するものをいう。
  3. 学校貯留
    小、中学校等の教育施設用地を利用して貯留するものをいう。
  4. 各戸貯留
    独立住宅の敷地内の庭に、貯留(低床花壇)または貯留槽を設け、これに屋根に降った雨を貯留するものをいう。
  5. 地下貯留
    地下に貯留槽を設け、これに雨水を導入するもので貯留施設の上では種々の利用が可能となる。
  6. 貯留可能容量
    流域貯留施設として利用する棟間・校庭・公園などの本来の利用機能、安全性からの制約により定められる貯留可能面積、貯留限界水深によって設定される容量をいう。
  7. 貯留限界水深
    貯留施設における貯留時の安全性、本来の利用目的から定まる貯留可能な最大水深をいう。
  8. 下流許容放流量
    下流許容放流量とは、計画対象降雨時に流出抑制施設から下流に放流を許容される流量であり、調節(整)池では放流施設の設計流量に相当し、下流河川や水路の流下能力に相当する比流量によって決定される。

流出抑制方式

流出抑制方式は、流域の地形地質、集排水系統、周辺土地利用状況等を考慮して、確実に流出抑制が期待できるものとする。

(解説)

流出抑制方式を決定する際に考慮されるべき基本的事項は、主に次のようである。

  1. 治水上、構造上の安全性が確保できること。
  2. 土地利用上効果的で支障のないこと。
  3. 施工が容易で経済的であること。
  4. 維持管理が容易であること。

1の安全性については、ダム式、地下貯留式の貯留型施設を除いては比較的簡単な構造であり、施設の崩壊、損傷による危険性は少ない。2については、貯留型施設の用地の積極的な利用、土地利用にあった貯留型式の選択が考えられる。3については、施設の構造が簡単であり、施工が容易であることが望ましい。4については、流域貯留施設を設置する場合に重要である。
貯留型施設は、一般に集水面積が小さいため降雨開始から流出発生までの時間が極めて短く、人工操作を伴う調節方式は困難である。よって、雨水流出の調節方式は人工操作によらないオリフィス方式を原則とし、確実に調節効果が期待できるものとする。
但し、堀込式や地下式の貯留施設については放流先水路、下水道等との水位関係からオリフィス方式によることが困難な場合にはポンプやゲートによる排水方式とする。
ポンプによる排水方式とする場合は、確実にポンプが機能するよう十分維持管理を行うこととする。
図-2

設置の原則

貯留・浸透施設は、貯留・浸透機能が継続的に確保でき、良好な維持管理が可能な場所と構造を選定するものとする。

(解説)
貯留・浸透施設は、流域の地形、地質、地下水位、土地利用等の諸条件を考慮して、適切な構造型式を選択する。
貯留型施設の構造型式としては、校庭、公園、広場、駐車場等の本来の利用目的を有する土地に小堤・小堀込・地下式の貯留施設を採用する方法等により選択する。
また、集排水系統については、極力分流方式とすることが望ましく、貯留した雨水を散水や雑用水等に再利用したり、放流先についても既存の水路をできるだけ利用することに努める。

浸透施設は下記の区域については設置しないようにする。

  1. 急傾斜地崩壊危険区域、地すべり防止区域
  2. 地下へ雨水を浸透させることによって法面の安全が損われる恐れのある地域
  3. 地下へ雨水を浸透させることによって他の場所の居住および自然環境を害する恐れのある地域

第2章 計画

流出抑制施設の種類

流出抑制施設は、貯留型施設を用いるものとする。但し、すべて貯留型施設を用いることが困難な場合で、かつ、浸透型施設の効果が貯留型施設に劣らない場合は、浸透型施設を併用することができる。

(解説)

原則として貯留型施設により容量を確保することとし、浸透型施設についてもその効果が期待できるものについては協議の上、認めることとする。

許容放流量

自然放流方式の貯留施設の許容放流量は、現行の下水道計画における排水区別の排水比流量(表-2)により決定する。但し、放流先の水路等の流下能力が許容放流量を下回る場合は主管部長と下水道部長と協議の上決定するものとする。

(解説)

下流許容放流量の設定は、一般的には貯留施設下流の水路、下水道管渠の流下能力およびポンプ排水能力により決定される。従って、現況並びに将来のこれらの能力についての調査の上、適正な放流量を設定するものとする。

放流孔の設計

雨水流出の調節方式は原則として自然放流(放流孔)方式とし、放流施設における放流孔の位置、断面は、許容放流量を安全に処理できるよう決定する。

  1. 放流施設には、出水時において人為的操作を必要とするゲート、バルブなどの設置をしないことを原則とする。
    放流施設は、雨水を調節して放流するための施設であり、図-3のような構造様式が考えられる。
    ただし、やむをえずポンプやゲートにより調節する場合は、ポンプ能力やゲートによる排水能力を許容放流量以下にする。
  2. 放流孔の口径は、許容放流量Qおよび設計水深Hに対し次式によって算定できる。
    Q=1.7~1.8×B×H3/2
    (H≦1.2D)
    C×B×D×ルート(2×g×(H-D/2))
    (H≧1.8D)
    ここに、C:流量係数でベルマウスを有すときC=0.85~0.95、ベルマウスのつかない放流孔ではC=0.6~0.8となる。Hは、HWLから放流孔敷高までの水深(メートル)、gは重力加速度(=9.8メートル/s2)。
    BおよびDは放流孔の幅と高さを示す。又、放流孔の最小径は5センチメートルとする。
  3. 放流孔の管径は、許容放流量に対し自由水面を有する流れとなるように配慮し、その流水断面積は管路断面積の4分の3以下として設定することを原則とし、その口径は次式により求める。また、放流管の最小径は0.2メートルとする。
    放流先が、下水道管渠の場合の接続部は下水道施設設計指針(日本下水道協会)によるものとする。
    D=n×Q
    0.262×I1/2
    3/8
    ここにD:管径(メートル)、I:管路勾配、n:粗度係数(=0.013とする)である。

第3章 構造

貯留型施設の構造

貯留型施設は、土地利用、安全性、維持管理等を総合的に勘案し、流出抑制機能が効果的に発揮できる構造とする。

(解説)

  1. 貯留型施設の構造型式は、一般に図-4のような分類が考えられる。
  2. 貯留型施設は、一般に小堤・小堀込式の貯留型式となることが多い。したがって、集水、排水が円滑となるよう貯留部の敷高、構造等に配慮し、放流先となる河川、下水道、水路などと整合を図らなければならない。また、施設が破損される事がないように適切な位置・構造とする。
  3. 雨水貯留施設は、公共・公益施設用地等を利用して設置することから、公共・公益施設本来の利用に著しい支障のない貯留面積および水深でなければならない。
    なお、貯留水深は表-3を標準とするが、安全対策を十分に構ずるとともに、維持管理に支障がない場合は、その値を増加することができるものとする。

小堤・小堀込式貯留施設の構造型式

小堤・小堀込式貯留施設は、本来の利用目的を有する土地に設ける場合がほとんどであり、排水を速やかにし冠水頻度を少なくするよう配慮する。

(解説)

施設の設置にあたっては、本来の利用機能を念頭に、以下の事項を配慮する。貯留敷の利用において、排水性の良・不良は、冠水頻度や湛水時間ばかりでなく、池底面の整正状態、排水勾配、土壌の浸透性等に左右される。このため、底面の処理および排水施設は慎重に設計する。
図-5は、施設の類型化を示すもので、これ等はすべて自然放流方式であり1は貯留施設として最も単純な型である。これに対し、2は排水を速やかにし、冠水頻度を少なくし、この側溝型が標準タイプとして有効である。3は公園貯留などの貯留可能面積の広いところに用いられる。4は2の積極的な改善をはかったもので、浸透および貯留の増加が図れる。5は2と同様のものであるが、流入量のベースをカットし、施設の効率化を狙ったものであり、初期汚濁の流入防止にも有効であるが、実際には地形的な制約を受けることになる。

小堤・小堀込式貯留施設の構造安定

(解説)

小堤・小堀込式貯留施設においては、法面の安定、構造物の安全性等を確保するため、設置場所の状況に応じ、適切な構造を設定するものとする。図-6

  1. 貯留池を形成する周囲小堤等は、平常時の利用に支障のない構造とする。貯留可能水深は、貯留場所の利用形態により変化するが、一般に0.3メートル程度の浅いものとする。
    このため、貯留池の構造は、土地利用機能、景観、地形などにより、盛土、コンクリート、擁壁および石積み型式等も用いることとする。
  2. 貯留池の構造が土構造となる場合は、小堤および小堀込式とも法面の勾配は1:2を標準とし、天端には1.0メートル以上の平場を確保する。この場合、特に法面の安定についての規定はないが、土質により法面の浸蝕のおそれのある場合は、芝張りなどにより法面処理を施すものとする。
    また、天端の幅1.0メートルは、盛土の安定と貯留時の通路機能を配慮したものであるが、植栽を行う場合は、1.5メートル以上の幅を確保するものとする。
  3. コンクリート擁壁や石積み型式の構造を用いる場合は、安定性、本来の土地利用、景観を考慮するとともに、貯留時の通路も別途配慮するものとする。
    図-7はコンクリート擁壁の例である。

堀込式貯留施設

堀込式貯留施設は、主として平坦地を堀込んで雨水を貯留する型式であるため、貯留水深は、流入水路および放流先水路の高さから制約を受ける場合が多く、地下水位の高い地域においては、さらに制約を受ける。そのため、事前に行う基礎調査をもとに貯留可能な水深を設定するものとする。

(解説)

堀込式貯留施設はダム式に比べ施設の安全性が高いことから、望ましい構造型式である。しかし地下水位が高い場合は湛水深に著しい制約を受ける。また、流入および放流先水路の敷高からも湛水深に制約を受ける。このため、貯留施設の用地としては広い面積が必要となる。地下水位が高い場合の対策として、矢板防水シート等による遮水(図-8参照)が考えられるが、工事費がかかり経済性の面で問題となることが多い。
このため、一般に地下水位の高い低平地において堀込式貯留施設を計画する場合には、事前に地下水位等の調査を行い、貯留可能水深を概略把握しておくこととする。

地下式貯留施設

主として既成市街地(密集)に設けられる場合が多く、地下に貯留槽を埋没し、地上を駐車場、道路、公園、緑地、グラウンド等として多目的に利用することができるが、排水方式がポンプ排水となる場合がある。

(解説)

地下式の利点は、土地の有効利用が可能となる点であるが、既成市街地では自然排水可能な貯留水深で必要貯留量全量を確保することが困難な場合には深い貯留槽にして貯留した雨水を放流先水路へ、強制排水(ポンプ排水)することとする。
この場合には、

  1. 予備のポンプも含めて2台以上のポンプを設置する
  2. 人的な操作が困難な場合には、ポンプ運転は自動運転とする

などの配慮が必要である。

小規模施設の貯留施設

小規模施設等の場合には、駐車場、道路、側溝、各戸貯留、地下貯留および浸透施設など各種の方法を組み合わせて、貯留量を確保するように努める。

(解説)

小規模施設においては用地上制約を受ける場合が多く、また地下式貯留により難い場合には、各種の方法を組み合わせる必要がある。

放流施設

放流施設は、放流管設計流量を安全に処理できるものとし、自然放流方式の場合は次の各号の条件を満たす構造とする。

  1. 流入部は土砂が直接流入しない配置、構造とし、流木、塵芥等によって閉塞しないように考慮しなければならない。
  2. 放流管は、放流管設計流量に対して、原則としてのみ口部を除き自由水面を有する流れとなる構造とする。
  3. 流域貯留施設には、底面芝地への冠水頻度の減少、排水を速やかにするため側溝等の排水設備を設けるものとする。

(解説)

  1. 放流施設は、出水時に雨水を調節して放流するための施設である。放流管はできるだけ短くする工夫が必要である。
    湾曲させる必要がある場合でも角度はできるだけ小さくしなければならない。
  2. 放流施設は、土砂や塵芥等が流入することによって放流能力の低下、放流孔の閉塞、あるいは損傷の生じないような構造とする必要がある。このため、放流施設には土砂だめ、ちりよけスクリーン等を備えたものとする。
    放流孔の断面は比較的小さい口径となることが予想されるので、スクリーンの構造はその施設の条件に応じ、維持管理等も配慮の上設定するものとする。

なお、地下貯留方式を採用する場合等でポンプ等により強制排水する場合は、その施設が有効に作動するような構造とする。

余水吐と天端高

地下式を除いた貯留施設については、原則として計画降雨以上の降雨時における安全性を配慮し、余水吐を設けるものとする。
余水吐は、自由越流式とし、土地利用、周辺の地形等を考慮し、安全な構造となるよう設定する。
また、天端高は越流時の水深を最大貯留水位に加えた高さとする。

(解説)

小規模な貯留施設においては、余水吐の越流水深は0.1メートルを標準とし、大規模な貯留施設では越流水深を計算の上必要な余裕高を加えた天端高を設計する。
なお、余水吐を必要としない場合にはこの限りではない。

浸透型施設の設置

浸透型施設は、設置場所の本来の土地利用、安全性、維持管理等を総合的に勘案し、流出抑制機能が効果的に発揮できる構造とする。

(解説)

  1. 浸透型施設の構造型式は、一般に図-9のような分類が考えられる。
  2. 浸透型施設の構造型式は、土地利用形態および地盤の浸透能力に応じて効果的に各種の構造型式を組み合わせることとする。

浸透施設の構造

浸透型施設は、その機能を長期的に維持するため、土砂等の流入による目づまりおよび堆積に対し十分に配慮する。

(解説)

1.浸透機能を効果的に発揮するため、次の点に留意する必要がある。

  1. 浸透施設内に有効な水頭が得られる構造とすること。
  2. 浸透施設は、対象地区に均等に分散して配置すること。

2.浸透機能を長期的に維持するために、次の点に留意する。

  1. 土砂が多量に流入すると予想される地区に設置する浸透施設には、泥だめ桝等の施設により前処理を行う。
  2. 浸透施設内に対し、土砂等の流入を防ぐために、充填材上面に透水シート、ネットスクリーンを設置するなどの措置を講ずること。浸透桝底面のネットスクリーンは取り外し可能な構造とすること。

3.各種浸透施設の構造は、表-4の通りである。また、設計にあたっての留意事項をまとめると下記の通りである。

  1. 浸透桝
    浸透桝の構造において下部構造は、宅地桝、U型桝、街渠桝のいずれも共通である。上部構造は、その集水目的によって選択する。上部構造の桝の材料は、コンクリートブロック、現場打コンクリート、塩化ビニール製とする。
    また、浸透桝は、浸透トレンチ、浸透側溝などと組み合わせて使用し、これらの施設の浸透機能の確保や保全が最大発揮できるように泥だめの機能を十分にもち、清掃等維持管理のしやすい構造とする。
  2. 浸透トレンチ
    浸透トレンチはもっとも代表的施設である。トレンチの幅(掘削幅)は、小型掘削機のバケット幅によって決めることが効率的である。
    また、透水管は、透水性のコンクリート管、有孔管を用いるが、有孔管の設計は下記のように行うものとする。
     ・初期降雨の濁水を下流の桝へ流下させるため、有孔管を用いる場合、その底部には、孔を開けない。
     ・浸透トレンチの土被りは設置場所により15センチメートル以上の適切な値をとる。
     ・透水管の孔径は、径100~200の範囲で、一般の下水管渠の設計同様の通水機能も配慮することが望ましい。
     ・透水管の継ぎ手は、空継ぎとする。
    砕石上面には、土砂の進入防止のため透水シートを敷くこととし、埋戻し土の厚さは、芝等への影響を避けるために必要な厚さとする。(事例では、150メートルメートルとしているところがある。)
  3. 浸透側溝
    浸透側溝の浸透機能は浸透トレンチと変わらないもので、浸透側溝の中空は貯留量として計算できる他、住棟からの縦桶を自由に接続できる等の利点が考えられる。
    接続桝の末端の越流堰は、浸透側溝内に雨水を貯留させる効果と側溝内の水頭を高くし、浸透能力を高める効果を有する。
    越流堰は、降雨時に側溝から雨水が溢水しないよう越流水深(H)をとる。(図-10
    屋根排水や路面排水が直接流入する場所では、目詰りをおこしやすい。このため、その地区の状況に応じて泥だまり桝を設ける。(図-11
  4. 透水性舗装
     ・透水性舗装ハンドブックによれば、透水性舗装の適用範囲は歩道を中心に生活道路等の軽交通を許す車道および駐車場等の構内舗装としている。本基準もこれに準じて、適用範囲を比較的、目詰りの少ないと考えられる歩道や駐車場等とする
     ・透水性舗装は、舗装体の貯留機能と路床からの雨水の浸透機能を有している。
     また、舗装体の貯留量は、舗装材料のもつ空隙率より算出する。舗装材料の空隙率は、締固め度等、施工条件によって異なるが、クラシャーランで6~18%、透水性アスファルト10~20%、透水性コンクリート約25%としている。本基準では、目詰りによる空隙率の低下を考慮して低めの値をとり、表-5のとおりとした。
     ・透水性舗装の構造は、路床の設計CBRなど通常の設計条件の他の舗装体に負荷される設計貯留量によって設計する。

第4章 維持管理

多目的利用

雨水流出抑制施設を公園、駐車場等の他の利用目的を有する施設として利用する場合は、この利用目的に支障のないよう配慮しながら、雨水流出抑制施設の所定の流出抑制機能を確保できる構造・規模としなければならない。

(解説)

雨水流出抑制施設の管理者は、他の目的で利用する場合の施設の管理者と維持管理について十分協議を行い、必要に応じ管理に関する協定を締結するなどして当該施設の全ての利用目的が十分に達成されるよう努めなければならない。

安全対策

貯留型施設周辺には、事故防止のためフェンスを設けたり、施設の目的等を記した標示板を設置するなどの対策をとるものとする。

(解説)

大規模な貯留施設においては、転落等による事故防止と機能維持のため、貯留施設周辺、とくに流入施設、放流施設付近にはフェンスの設置等を配慮しなければならない。
また、貯留施設付近には、貯留施設の目的、機能、規模、注意事項等などを記した説明板を設けるなどして付近住民の理解と協力が得られるよう心掛けるものとする。

維持管理

完成後の雨水流出抑制施設の機能および安全性を確保するため、維持管理を完全に行わなければならない。

(解説)

雨水流出抑制施設は、維持管理が適正に行われることによりその機能を発揮するものであるから、設置後の管理者を明確にしなければならない。
貯留型施設の維持管理にあたっては、堤体の破損・排水不良、法面の崩壊、スクリーンのごみ、池内の堆砂ポンプ施設の点検等について適宜巡視を行うとともに、必要に応じて草刈や堆積土砂の搬出を実施するものとする。
また、異常が認められた時は、速やかに所要の処置、通報等を行わなければならない。
浸透型施設等は、維持管理が適切に行われることによりその機能を発揮する。そのため、ゴミ、枯れ葉、土砂等の堆積によって目詰りを起こさないよう管理者は、維持管理に努めなければならない。また、梅雨時期、台風シーズン、枯れ葉、芝刈りの季節には特に注意する。
透水性舗装については、施工場所、期間によって異なるが、目詰りにより浸透能力低下が考えられる。従って、地区を選定し、浸透機能を回復するため清掃を行う。
清掃方法には、散水後ブラッシングを行い、更に圧縮空気を吹き付ける方法等がある。(東京都透水性舗装調査研究(追跡調査)報告書)
当該敷地が雨水流出の調節機能を有するものであることを明示する標識を設けるものとする。なお、設置位置は原則として当該敷地への出入口とする。